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“選手にとって有害な”フランチャイズタグに対抗するとチャージャーズRBエイケラー

2023年07月28日(金) 12:16


ロサンゼルス・チャージャーズのオースチン・エイケラー【AP Photo/Mark J. Terrill】


ロサンゼルス・チャージャーズのランニングバック(RB)オースチン・エイケラーは先週、他のトップラッシャーたちと『Zoom(ズーム)』で会議を開き、自分たちのポジションの市場が縮小しているのを受けて選手たちの組織化を図った。

エイケラーはこれが一度限りの会議ではないと『USA Today(USAトゥデイ)』のタイラー・ドラゴンに話している。

「みんなの話を聞きたかったから、あの会議を開いたんだ」とエイケラーはドラゴンに述べている。「一度限りのものではない。これからも会議を重ね、もっと多くの人に参加してもらうつもりだ。今回は状況を改善するきっかけを作り、関心を持ってもらうのが目的だった。何が起きているのか、どうすればそれに対抗できるのか、将来的に対抗する価値があるかどうかを判断するために、これからも会議を開いて認知を広げていく。今はとにかく知ることが大事で、俺はそれが次のステップだと思っている」

ランニングバック市場は以前から議論の的となっていたが、ニューヨーク・ジャイアンツのセイクワン・バークリーとラスベガス・レイダースのジョシュ・ジェイコブスが7月17日のフランチャイズタグ期限までに長期契約を結べなかったことで沸点に達した。

現地26日(水)の夜にインディアナポリス・コルツのオーナーであるジム・アーセイも意見を述べるほどの状況となっている。

このポジションにおける需要と供給の差から、各チームはランニングバックに高額な報酬を払わず、その分の資金を別のポジションに投じている。

エイケラー自身がその二面性を体現しているような選手と言えよう。ウェスタン州立大学からドラフト外で入団した身長約178cmのデュアルスレットであるエイケラーは、NFLで最もダイナミックなランニングバックの一人にまで成長した。空中でのボールの扱いは豪快で、リーグ屈指のパスキャッチャーとして知られ、レッドゾーンでは得点につなげることもできる。しかし、ドラフト外選手であるエイケラーの年俸は常にその価値に見合っていなかった。

チームはエイケラーのように低コストで重要な武器に成長できる選手を求めているため、このポジションの報酬は一向に上がらない。

エイケラーはドラゴンにこうも語っている。

「ランニングバックとして悔しい。俺らがチームにもたらす価値を知っているだけに。すべてのランニングバックが高額な報酬を得るべきトップクラスの選手だとは言わないが、セイクワン・バークリー、ジョシュ・ジェイコブス、ダラス・カウボーイのトニー・ポラードといったフランチャイズタグを付けられたばかりの選手たちに対しては特にそう思う。彼らがチームに与える影響は計り知れない。だから俺たちは不満なんだ。組織の中で重要な役割を果たすことを求められているのに、それに見合った報酬は払ってもらえない。俺たちにフランチャイズタグを付けるだけさ」

エイケラーにとって重要なのはフランチャイズタグに対抗することで、彼はそれが選手、特にランニングバックの報酬を上げる足かせになっていると考えているようだ。

「それに対抗したい。俺たち選手にとって有害だと思っている。どの数字を見たってそれは明らかだ。俺たちの平均キャリアは3年だ。幸運にも成功を収めたというのに、1年、1年、1年という単位で拘束され続け、そのリスクを組織と共有できないのであれば、それはあまりいい状況とは言えない。すごく一方的だ」

団体労働協約(CBA)に関する交渉になるとたいていの場合はフランチャイズタグの話が持ち上がる。それでも、フランチャイズタグが適用されるのは選手のごく一部であるがゆえに、組合が大きく取り上げることはなく、NFLオーナーを説得するために資本を投じる価値はないと判断されてきた。もしかしたら、エイケラーと仲間のRBたちがこの状況を変えられるかもしれないが、現在の合意は2030年まで有効であるため、前途は多難だろう。

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