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契約にサインしてキャンプに集合するという決断について語ったジャイアンツRBバークリー

2023年07月28日(金) 12:20


ニューヨーク・ジャイアンツのセイクワン・バークリー【AP Photo/Abbie Parr】


今週、ニューヨーク・ジャイアンツのランニングバック(RB)セイクワン・バークリーはトレーニングキャンプに集合するために1年契約にサインしたことで多くの人々を驚かせた。

バークリーは1,009万1,000ドル(約14億0,607万円)というフランチャイズタグの額を少し上回る1年契約にサイン。この契約にはインセンティブが含まれており、バークリーは最大で1,100万ドル(約15億3,283万円)を稼ぐことが可能だ。

スターRBであるバークリーは今オフシーズン、ジャイアンツから3月にフランチャイズタグをつけられた後のプロセスに対する不満を公にしており、今季の試合を欠場することを考慮に入れる可能性もあると話していた。

最終的に、バークリーはトレーニングキャンプすら欠席していない。

現地27日(木)、バークリーは報道陣に「突然ひらめいたんだ」と明かした。「実際のところは、ただ自分の心の声に従っただけ。正直、ニュースやソーシャルメディアでどう言われていたかは知っていたけど、俺は自分の心の声に従っていただけだ。それから、ビジネス的な観点から考えなきゃいけなかった。俺にできる最善のことは何だろうって考えていた。これに賛成する人もいれば反対する人もいるだろう。参加するか参加しないか。今年に限って言えば、戻って、外に出て、大好きなプレーをして、チームメイトのためにプレーして、小さい頃からやりたかったことをするということが、自分のためにできる最善のことだと感じている」

「分かっている。ランニングバックの状況がどうなっているのかも、自分にタグがつけられたことも、ランニングバックの価値が下がり続けていることも分かっている。それを変える唯一の方法は、誰かが変化を起こすことだと思うし、幸いにもそうなるなら、自分もそうする人の一員になることができる」

バークリーが最善の契約を求めることよりも、チームメイトと共にキャンプに参加することを優先したのは明らかだ。キャンプの後半に、同じようにインセンティブが加えられた契約を結ぶことはできたかもしれない。しかし、バークリーはそこまで待たずに最初にそうしている。

長期契約締結期限にあたる7月17日を過ぎた後、ジャイアンツがフランチャイズテンダーを変更する理由はほとんどなかった。彼らはすべての影響力を有しており、バークリーもそれを知っていた。

「ものすごく正直に言えば、それが実現しなかったのはタグのせいだ」とバークリーは強調している。「それが、彼らが持っている影響力なんだ。タグをつけられていなかったら、交渉のプロセスはもっと違ったものになっていたと思う。俺ももっと影響力を持つことができていたんじゃないかと思う。でも、前に公言したように・・・いろんな人が情報源となってあれこれ言っていたけど、俺はランニングバック市場をリセットしようとしているんじゃないと言った。それ相応のものを求めていると言ったんだ。フェアという言葉は使いたくない。なぜなら、俺は今、ニューヨークで20台から30台のカメラに囲まれていて、ファンに対して話してもいるし、俺の出身地にはあまりお金を持っていない人がたくさんいる中で1,000万ドルとか1,100万ドルの話をしているからだ。大金さ。だから、フェアなことは言いたくない。立派なことを言いたい。もしそれがちゃんとしたものだと感じていたら受け入れていただろう。母や父のことを考えて、チームの中と家族を通して見たときに、俺はそれに納得できなかった。受け入れなかったんだ」

契約交渉の成り行きに失望していないと言えばそれは“真っ赤なウソ”になるとバークリーは明かしている。

フランチャイズタグ期限を迎える前、ジャイアンツはバークリーおよびクオーターバック(QB)ダニエル・ジョーンズと交渉を進めていた。ジョーンズとの契約をまとめた後、ジャイアンツはバークリーにタグを使用。そこから波乱のオフシーズンが始まった。複数年契約にサインしたのがバークリーで、タグをつけられたのがジョーンズ――あるいは両方の長期契約が成立したという世界線もあったはずだ。

木曜日、バークリーはジャイアンツからオファーを取り下げられる前に複数年契約を締結しなかったことを、タグをつけられたときに後悔したかと質問されている。

それに対してバークリーは「それはない、筋が通っていない」と返答した。

バークリーとレイダースのジョシュ・ジェイコブスが長期契約を締結できなかったことで、自分たちの市場の低迷を非難しているランニングバックの間で不満の嵐が巻き起こった。

バークリーはその市場における自分の役割を認識している。

ランニングバックについて「このポジションがどれほど素晴らしいものであったかを俺は知っている」と語ったバークリーは「リーグ全体のチームにとって、このポジションがどれほど有益か知っている。レガシーについて話すとき、それは俺のような選手に関わってくる。クリスチャン(マカフリー、サンフランシスコ・49ers)とかJ.T.(ジョナサン・テイラー、インディアナポリス・コルツ)、ナージー(ハリス、ピッツバーグ・スティーラーズ)のような選手のおかげで、みんなが試合に臨んで物語を変えられるんだ」と続けた。

1年契約にサインしたバークリーは、次のオフシーズンにも今年と同じような状況に置かれるだろう。そのとき、ジャイアンツは2024年シーズンに向けて再びフランチャイズタグを使用してバークリーを確保する可能性がある。

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