メイフィールドとトラスクのQB争いは“確実に”激化しているとバッカニアーズOCカナルス
2023年08月03日(木) 12:00タンパベイ・バッカニアーズのベイカー・メイフィールドとカイル・トラスクによるクオーターバック(QB)争いは何の変哲もないものと思われていたが、トレーニングキャンプ序盤で激化している。
このオフシーズン、メイフィールドが簡単に先発の座を手にするだろという予想が広まっていたことにより、実はトム・ブレイディの後継者をめぐって争いが起きていることが見過ごされ、あるいは完全に無視されてきた。
結論を出すにはまだ早いようだ。
現地1日(火)、バッカニアーズの先発クオーターバック争いがここ数日で激しくなっているのではないかと聞かれた攻撃コーディネーター(OC)デイブ・カナルスは、「ああ、もちろんだ」と答えており、チームの公式サイトでは次のように続けている。
「今のところ順調だ。最初の数日はベイカーが試合やキャンプでその経験を発揮して、コールや戦略を実践してみたことでオフェンスが本当にうまくまとまっているのが分かった。スナップのタイミングはわれわれにとって非常に重要だから、オフェンスのスムーズさという点ではおそらく最初はベイカーに少し分があった。だが、カイルがオフェンスに馴染むまでに数日しかかからず、ここ2回の練習では長距離のパスを成功させ、素早くボールを出したり自分で判断したりと、能力があることを存分に見せてくれた。この2人の活躍とここ数日の進歩には本当に興奮している」
バッカニアーズはメイフィールドとトラスクをオフェンスのファーストチームに代わるがわる起用している。
カナルスOCは「今の彼らは自分が先発だという気持ちで練習に臨む必要がある。“今日は俺の出番だ。今日は俺が主力選手とプレーし、より多くのレップスを与えてもらえる”という気持ちでいなければならない」と述べている。
「今のやり方の中でも2人は互角と言っていいだろう。2人は切磋琢磨しているように見える。そして、多くの人が見たり聞いたりすることのないこのチームの素晴らしいところは、まず一つ目のルールとして、われわれはバッカニアーズの勝利のためにいるということ。そのために必要なことは何でもする。二つ目のルールは、お互いに助け合うこと。アシスタントコーチのトム・ムーア、私自身、QBコーチのタデアス・ルイス、アシスタントQBコーチのジョーダン・サマービルと、3人の選手に4人のコーチがついている。全員が話し合いに参加する。プレーの中でチームにプラスになることがあれば、誰かがそれを見つけて指摘する。選手たちがお互いに助け合うことでチーム全体や競争する環境も高まっていく」
メイフィールドが経験豊富なのに対して、トラスクは昨年にパス9回中3回を成功させたシーズン第18週の出場しかなく、プレー時間が少ないとあって、元全体1位指名のメイフィールドがすぐに先発の座を勝ち取るだろうと思われた。そもそもメイフィールドがバッカニアーズと1年契約を結んだのも、ここで自分の株を上げるためだった。
トラスクがメイフィールドとの差を縮めたという状況はいくつかの異なる見方ができる。 若い2巡目指名選手がオフェンスを率いる最初の本格的なチャンスを得て成長している。あるいは、メイフィールドが先発争いを完全に終わらせるほどの結果を残していない。はたまた、キャンプのこの段階で周囲に競争が起きているという認識を持たせるためのコーチの常套句に過ぎないかもしれない。
カナレスOCとヘッドコーチ(HC)トッド・ボウルズは2人ともこのオフシーズン中のトラスクの成長を称賛している。
「彼らの第一の責任はボールをターンオーバーしないことだ」とボウルズHCはQBについて述べている。「そして(トラスクは)ボールをターンオーバーさせないという点においては良くやっている」
バッカニアーズはプレシーズンの最初の2週間でメイフィールドとトラスクをそれぞれ先発させる計画だ。ボウルズHCは、3試合目の先発は最初の2試合によって決めると火曜日に述べている。以前よりボウルズHCはプレシーズン中に先発を決めたいと語っていることから、8月26日(土)のボルティモア・レイブンズ戦で先発した方がシーズン第1週でも先発すると考えられる。
メイフィールドとトラスクの話ばかりになってしまったが、実はここには3人目の登場人物がいる。
「ジョン・ウォルフォードも候補から外さないでくれ」とカナレスOCはバッカニアーズの3番手QBについて述べている。「彼もプレーを決めたいと思っているし、自分のスタイルを持っている。彼もチームに多くのものをもたらしてくれる。だから、今はいい感じに競争が盛り上がっている」
ウォルフォードのことも忘れないでおこう。
【R】