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カーディナルスが2024年ドラフト7巡目指名権と引き換えにSシモンズをジャイアンツにトレード

2023年08月25日(金) 10:44


アリゾナ・カーディナルスのアイザイア・シモンズ【NFL】

広く公表されたセーフティ(S)アイザイア・シモンズのポジション変更が、アリゾナ・カーディナルスのプレシーズン終了時まで続くことはなかった。

現地24日(木)、カーディナルスが2024年ドラフト7巡目指名権と引き換えに、かつてドラフト1巡目で指名したシモンズをニューヨーク・ジャイアンツにトレードすると発表した。

カーディナルスのヘッドコーチ(HC)ジョナサン・ギャノンは木曜日に「アイザイアは私たちが求めたことをすべてやってくれた。この先、他の人たちとフットボールをプレーするには、これが最善の方法だ」と報道陣に述べている。

アリゾナでのシモンズの物語は、フィット感の欠如を中心に展開していた。2019年ACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)守備部門年間最優秀選手に選ばれたシモンズは、他のポジションの役割も担う可能性はあるものの、両ポジションに求められるすべての要素を備えてはいないラインバッカー(LB)としてNFL入りしたが、サイズ、スピード、運動能力を見事に併せ持つことから、ほとんどの人事幹部はドラフトの際にシモンズがどのような選手になるかを想像し、喉から手が出るほど欲しがった。

カーディナルスの元ジェネラルマネジャー(GM)スティーブ・カイムは2020年にシモンズを全体8位で指名したとき、シモンズの潜在的な可能性に賭けてみることにした。その失敗を認めるまでカイムの在任期間は続かなかったが、後任のモンティ・オッセンフォートGMは多くを語ることなく、すぐにカーディナルスの過去の失敗を認めている。

それと引き換えに、オッセンフォートGMは2024年ドラフト7巡目指名権を手に入れた。

今オフシーズン、カーディナルスはオッセンフォートGMおよびギャノンHCとともに柔軟な心を持って新たな時代を迎えており、それにより、シモンズはクレムソン大学でカレッジキャリアをスタートさせたときと同じポジションであるセーフティへの転向を求めることができた。しかし、その変更によってシモンズの潜在能力が引き出される代わりに、プレシーズンの2試合を終えた時点でシモンズが荷物をまとめてニューヨークへ向かうという結末を迎えている。

カーディナルスはこれまでにも誤った使い方をして才能のある選手の不満を招くという事態に陥ったことがある。アウトサイドラインバッカー(OLB)ハサン・レディックはキャリアの初期にインサイドラインバッカー(ILB)としてプレーさせられ、カーディナルスでの最終シーズンとなった2020年にようやく適したポジション――エッジラッシャー――に戻っている。その最終シーズンに、レディックはサック12.5回を記録。その後に所属したカロライナ・パンサーズとフィラデルフィア・イーグルスでもそれぞれ10回以上のサックをマークしている。

現在はLBゼイベン・コリンズ(2021年ドラフト全体16位指名)がギャノンHCの下でポジションを変更した最新の選手となっており、ラインバッカーからエッジラッシャーに転向した。この決断が正しかったかどうかはいずれ分かるだろう。

一方、シモンズはアリゾナでの時間を終えた。それは最善の流れなのかもしれない。ジャイアンツにはディフェンスを充実させるだけの人材がそろっており、シモンズに頼りすぎる必要はない。守備コーディネーター(DC)ウィンク・マーティンデールの悪名高くもアグレッシブなディフェンスで、シモンズはスペシャリストとしての役割を担い、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区(さらにそれ以外)の攻撃コーディネーター(OC)たちを一晩中悩ませるような方法でクオーターバック(QB)にプレッシャーをかけるだろう。

スピードについては教えるまでもない。シモンズを既製の枠にはめようとしなければ、ジャイアンツは守備面の武器としてシモンズの潜在能力を引き出せるかもしれない。

今回の変化を歓迎している様子のシモンズは木曜日に「神の計画。仕事に取りかかろう!!」とソーシャルメディアに投稿している。

『New York Daily News(ニューヨーク・デイリー・ニュース)』によると、ジャイアンツのブライアン・ダボールHCはトレードが公表された直後、決してシモンズにポジションを割り当てようとはせず、シモンズはジャイアンツで“複数の役割を担う可能性”があると報道陣に述べたという。

単純に、シモンズはカーディナルスにとって手に余る存在だったのだ。ケイヴォン・ティボドーやレナード・ウイリアムス、アジーズ・オジュラーリといった選手とともにパスラッシャーとしてシモンズを起用するという構想は、かつてクレムソン大学時代の映像から想像された壮大な夢をよみがえらせるだろう。

【RA】