ファンジオ率いる守備陣に戻ったことで「飛び回り、大混乱を引き起こす」機会を得たとドルフィンズOLBチャッブ
2023年09月04日(月) 10:28マイアミ・ドルフィンズの守備コーディネーター(DC)ビック・ファンジオが1年の空白期間を経てサイドラインに復帰したことは、アウトサイドラインバッカー(OLB)ブラッドリー・チャッブと再び仕事上の関係を築くことにもつながった。また、プロボウルに2度選出された経歴を持つチャッブは、この再会がもたらすものを楽観的に捉えている。
現地8月31日(木)、『The Jim Rome Show(ザ・ジム・ローム・ショー)』に出演したチャッブはファンジオのシステムについて「ディフェンスそのものは、とてもシンプルに習得できるものだと感じている」とコメント。「でも、いろんなカバレッジを偽装する方法や、エッジからのプレー方法はとてもユニークだと思うし、一度加わったら他の形のディフェンスはやりたくないと思うようなディフェンスだ。特にエッジの選手が飛び回って大混乱を引き起こすチャンスを得て、できる限りバックフィールドを狙うっていうのは、きっと楽しくなるはず」
チャッブは現在65歳のファンジオが唯一、NFLのヘッドコーチ(HC)を務めていた3シーズンの間に、デンバー・ブロンコスでファンジオの下でプレーしていた。その3年のうち2年はケガに苦しんでいたものの、ファンジオのシステムで10試合以上に出場した唯一のシーズンではサック7.5回を記録し、初のプロボウル選出を果たしている。
ファンジオのスキームでプレーした3シーズンで、チャッブは25試合に出場してサック8.5回、クオーターバック(QB)ヒット29回、フォースドファンブル2回、パスディフェンス3回を記録した。
しかし、ブロンコスは2021年シーズン終了後にファンジオを解雇。それ以降にチャッブがブロンコスの一員として出場したのは8試合にとどまり、昨年の期限直前にトレードされたことでドルフィンズに移った。
現在、2人の道はマイアミで再び交わっている。ドルフィンズは激戦のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区の中でも大きな期待を寄せられているチームだ。
チャッブは2022年シーズンに、新たなホームで2.5回しかサックを決めていないが、ドルフィンズでの2年目を迎えるにあたって、熟練したディフェンシブフロントに以前より定着している上に、守備コーディネーターのスキーム――好みのNFLディフェンスの“形”――も熟知している。
一方、ファンジオはこの5年間に被得点で平均して21位に位置しているにもかかわらず、プレーメーカーが豊富にそろっているロースターを受け継いだ。インテリアにいるクリスチャン・ウィルキンスやレイクワン・デイビスから、エッジにいるチャッブやジェイラン・フィリップスに至るまで、ファンジオは守備コーディネーターとしての20年目を迎える今年、形勢を立て直せるフロントを擁していると言えよう。
半月板を断裂しているコーナーバック(CB)ジャレン・ラムジーが12月まで欠場する見込みとなっていることからセカンダリーは打撃を受けているものの、ドルフィンズには依然としてCBザビエン・ハワードやセーフティ(S)ジェヴォン・ホランドといった才能のある選手がいる。
ファンジオがそのスキームをサウスビーチにもたらすことによって生じる可能性を認識すると同時に、それを実現させられるピースがそろっていると考えているチャッブは、次のように語った。
「俺とJP(ジェイラン・フィリップス)はそれを自分たちのディフェンスにして、できる限りすべてのプレーを壊すことを任務にしようとしてきた。クリスチャン、ザック(シーラー)、レイクワンといったインサイドの選手たちも素晴らしい仕事をしている。うちのバックエンドはどこにも負けない」
チャッブが挙げた選手の多くは、昨季にサック数(40回)で14位タイ、被ヤードで18位という成績を残した守備陣の一員だったが、ヘッドコーチとして最後に臨んだシーズンにブロンコスを被得点で3位に導き、最後に守備コーディネーターを務めたシーズンにシカゴ・ベアーズを被得点で1位に導いたファンジオの下で、雰囲気は変わってきている。
チャッブはファンジオのシステムがNFLの中でも最も優れたものだと確信しているようだ。
チャッブの考えが正しく、オフェンスと同じようにディフェンスも活気づけば、チャッブとファンジオの再会はドルフィンズのプレーオフ進出につながるかもしれない。
【RA】