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ビルズが9シーズン在籍したマクダーモットHCを解任

2026年01月20日(火) 10:06

バッファロー・ビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモット【Lauren Leigh Bacho via AP】

バッファロー・ビルズが今回のプレーオフで敗退したことを受け、新たな時代を迎えることになった。

現地19日(月)、ビルズがヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットを解任したと、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポート、マイク・ガラフォロ、トム・ペリセロが状況を知る人物の話をもとに報道。

その後まもなく、ビルズがマクダーモットの解任を正式に発表した。

チームが発表した声明の中で、オーナーのテリー・ペグラは「ショーンはこの9シーズンにわたり、私たちのフットボールチームを率いるという立派な仕事をしてくれた」と述べている。

「しかし、チームを次のレベルへ引き上げるためには、指導体制に新たな構造が必要だと感じている。それは選手たちやビルズマフィアに対するわたしたちの責務だ」

「ショーンはこの組織の考え方を変えることに貢献し、ビルズを毎年のようにプレーオフに進出するチームへと成長させるのに寄与した。彼がこのチームと地域社会に注いだ努力、忠誠心、そして細部へのこだわりをすべて尊敬している。ショーンとジェイミーをはじめとするご家族の幸運を祈っている」

マクダーモットとの決別は、ビルズが延長戦の末にデンバー・ブロンコスに33対30で敗れてから48時間も経たないうちに決まった。これは51歳のマクダーモットの下で続いてきたポストシーズン敗退の最新の事例となっている。

マクダーモットはペリセロに寄せた声明で次のようにつづった。

「約10年にわたり、バッファロー・ビルズのヘッドコーチとして毎朝目を覚ます機会を得られたことは、まさに贈り物だった。ペグラ家、バッファロー・ビルズの組織、そしてファンの皆さまに、この特別な場所でNFLのヘッドコーチを務めるという夢を実現させてくれたことに、心から感謝している」

「素晴らしいスタッフや選手たちと共に取り組み、人生を分かち合いながら、試合に勝つことと地域社会に前向きな影響を与えることに心血を注げたことを誇りに思うと同時に、身に余る思いだ。この地域は私だけでなく家族のことも温かく迎え入れ、ある意味ではこの9年にわたって子どもたちを一緒に育ててくれた。だからこそ、出会ってきたすべての先生、コーチ、友人たちに感謝を伝えたい・・・良き隣人の街よ! 愛している! バッファローが恋しくなるだろう」

マクダーモットは長年にわたって下位に沈んでいたビルズをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)の有力チームへと押し上げるのに貢献してきた。2017年にマクダーモットが就任するまでの10シーズンで、ビルズはAFC東地区で6度最下位となり、勝ち越しシーズンは1度しかなかった。

就任初年度からチームを好転させ、9勝7敗の成績をもたらしたマクダーモットは、タイロッド・テイラーを先発クオーターバック(QB)に据えてビルズを18年ぶりのプレーオフ進出に導いた。ジョシュ・アレンのルーキーシーズンは6勝10敗という成績で終えたものの、それ以降のビルズは毎年優勝争いに加わるチームへと変貌を遂げた。ビルズは2020年から2024年にかけて5年連続でAFC東地区を制し、過去7シーズン連続でポストシーズンに進出している。

しかし、プレーオフでの失敗が続いた。ポストシーズンに進出した8シーズンのうち、2シーズンはワイルドカードラウンド、4シーズンはディビジョナルラウンド、残りの2シーズンはAFCチャンピオンシップゲームで敗退を喫した。

土曜日に臨んだ試合で、ビルズは5回のターンオーバーを犯し、試合終盤に相手を止めることができなかった。そして、マクダーモットは物議を醸しているインターセプトへの怒りを抱えたままバッファローでの任期を終えている。このプレーでは、ビルズのワイドレシーバー(WR)ブランディン・クックスのキャッチが完了していなかったと判定され、ブロンコスのコーナーバック(CB)ジャクアン・マクミリアンのインターセプトが認められた。これをきっかけに、ブロンコスは決勝フィールドゴールを決めている。

マクダーモットはレギュラーシーズンの通算成績を98勝50敗とし、チームを7シーズン連続で10勝以上に導いてきたが、ポストシーズンの成績は8勝8敗にとどまっている。

カンザスシティ・チーフスのパトリック・マホームズもボルティモア・レイブンズのラマー・ジャクソンもシンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウもAFCプレーオフ争いに加わっていない状況で、今年はビルズにとって絶好の機会となるはずだった。それにもかかわらず再び早期敗退を喫したことで、オーナーは考えを変えざるを得なくなった。

タンパベイ・バッカニアーズが2001年シーズン終了後にトニー・ダンジーを解任したときと同様に、ビルズは新たな指揮官がプレーオフの壁を乗り越える手助けをしてくれることを期待している。

マクダーモットの解任により、今オフシーズンにおけるヘッドコーチの空席は10に達した。現時点で後任が決まっているのは、ニューヨーク・ジャイアンツ(ジョン・ハーボー)とアトランタ・ファルコンズ(ケビン・ステファンスキー)の2チームのみだ。アレンと仕事ができる可能性を踏まえれば、候補者たちの判断が変わっていたかもしれず、ジャイアンツとファルコンズが早々に適任者を確保できたのは幸運だったと言えよう。

アレンは驚異的な選手であり、武器の乏しい攻撃陣の負担を一身に背負うことができる。無理をしすぎて失策につながることもあるが、昨季にMVPに輝いたアレンのスーパーマンのような活躍がなければ、ビルズはディビジョナルラウンドよりも早い段階で姿を消していただろう。土曜日の試合でも、アレンは4度のターンオーバーを喫しながらも、残り2分の時点でチームを優勢に導いていた。さらに、同点につながるフィールドゴール圏内までチームを前進させ、延長戦に持ち込むのにも貢献した。

アレンは決して完璧なQBではなく、プレーオフでの失敗についてはマクダーモットと同様に責任を負っているが、現在のリーグにアレン以上にダイナミックな選手は存在しない。

そんなアレンを指導する機会は候補者にとって魅力的だろう。

ビルズには他にも戦力がそろっており、ランヤードでNFLトップに輝いたランニングバック(RB)ジェームス・クック、2人の優秀なオフェンシブタックル(OT)、そして守備陣にはセーフティ(S)コール・ビショップやディフェンシブエンド(DE)グレゴリー・ルソーといった若手選手たちを擁している。

とはいえ、埋めるべき穴も大きい。2025年シーズンの守備は時に穴だらけで、ランプレーで大きく崩され、重要な局面で致命的なキャッチを許すこともあった。一方の攻撃陣も試合の流れを変えるようなレシーバーが不足している。

こうした課題はオフシーズン中に解消する必要があるが、今なお全盛期にあるスターQBを擁し、2026年に新スタジアムの開場も控えるビルズは、指導者にとって魅力的な就任先となるはずだ。

マクダーモットの今後はどうなるだろうか。ビルズがダンジーの後任としてチームの好転に寄与したジョン・グルーデンのような存在を見つけることを目指す一方で、マクダーモット自身もダンジーのように、新天地でポストシーズンの成功を手にするかもしれない。

ヘッドコーチ職に多くの空きが生じている中、マクダーモットは複数のチームにとって最有力候補となるだろう。守備重視のマクダーモットには、チームを深刻な低迷から脱却させ、競争力を維持させた実績がある。また、若手クオーターバックをリーグ屈指のダイナミックな戦力へと成長させる手助けもしてきた。

念のために言えば、アレンは最初から成熟した司令塔だったわけではない。マクダーモットは浮き沈みの激しいルーキーシーズンを過ごすアレンに現場で成長させ、パスの精度が不安定だったQBを強力な戦力へと変えた。アレン自身の成長も評価に値するが、ヘッドコーチの果たした役割を軽視するのは短絡的だ。

今シーズン、マクダーモットは戦力不足のロースターに悩まされていた。最も深刻な問題のいくつかは、ジェネラルマネジャー(GM)ブランドン・ビーンに責任があると言える。それでも解任されるのはヘッドコーチであり、ビーンは月曜日にフットボール運営部門社長という新たな肩書きまで手にした。

マクダーモットがすぐに現場復帰を望めば、その実績をもとに今回の採用サイクルで職を得る可能性は高い。欠点はあったものの、すべてのヘッドコーチがそれぞれに問題点を抱えており、低迷していたフランチャイズを立て直した実績は、多くのオーナーに評価されるはずだ。

9年間で98勝を挙げたビルズとマクダーモットは袂を分かつことになった。両者が新たなスタートを切り、それぞれ成功を収める可能性は十分に考えられる。

【RA】