チャージャーズ戦で歴史的な記録を残したQBタゴヴァイロアとWRヒル
2023年09月11日(月) 15:24クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアとワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒル、そしてマイアミ・ドルフィンズは、多くの記録会で負けなしだろう。
現地10日(日)に行われた試合でも、彼らは負けていない。タゴヴァイロアが実戦に復帰して、ヒルがリーグで最も危険なゲームブレーカーの1人としての地位を再確認し、ドルフィンズが36対34でロサンゼルス・チャージャーズに逆転勝利した試合で、2人はいくつか歴史的な記録を残した。
チーム公式記録によると、ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)マイク・マクダニエルは試合後に「これはナショナル・フットボール・リーグで、彼らは本当に正しい素質を気にかけている2人だ。それはコーチとして究極の望みだ――費やした時間や、自分自身に課している高い基準が報われること。今日は間違いなくそうだったと思う。彼らは確実に足並みをそろえていた」と述べたという。
タゴヴァイロアとヒルは確実に共通認識を持っていたはずだ。そして、それは窮地に陥っていたチャージャーズ守備陣が何度も繰り返し読み取っていたものだ。
脳しんとうが原因で昨シーズン第17週以来の出場となったタゴヴァイロアは、パス45回中28回を成功させて466ヤード、タッチダウン3回、パサーレーティング110.0という素晴らしい成績で見事な復帰を果たした。そのうち2回のタッチダウンパスをキャッチしたヒルは、キャッチ11回でなんと215ヤードをマークしている。
タゴヴァイロアは「また試合に出られることに、ただただ興奮していた」と語り、こう続けた。「試合に出たときにほとばしるアドレナリンは、他では味わえないと思う。ファンがいて――ウオーミングアップのときでさえ、ポップコーンのにおいがする。他で再現できないことがたくさんある。みんなと一緒に試合に出られてオーサム(最高)だった」
ヒルを形容するのに使われてきた最上級の言葉のひとつに“オーサム”がある。
ヒルが1試合で200ヤード以上と2回以上のタッチダウンレシーブを記録したのはキャリアで3度目であり、『NFL Research(NFLリサーチ)』によれば、スーパーボウル時代の選手の記録として最多だという。また、スーパーボウル時代におけるシーズン第1週のレシーブヤードとしては2番目に多い。一方、タゴヴァイロアが記録した466パスヤードは、ドルフィンズのQBがチャージャーズとの対決で記録したものとして史上最多で、(スーパーボウル時代における)すべてのクオーターバックがシーズン第1週に記録したものとしては3番目に多い数字だった。
試合後、ヒルは「誰も競争相手として俺をガードできないと、いつも思っている」とコメント。
「うちのやつらに聞いたら、みんな同じことを言うような気がする。俺も他のやつらもガードできないってな。それが戦う上でのマインドセットなんだと思う。俺はボールが欲しい。まあ、それはちょっとクレイジーに聞こえるけどな。でもそうだな、誰も俺のことをガードできないような気がしている」
タゴヴァイロアは試合終了まで残り1分45秒の時点で、勝敗を分ける4ヤードのタッチダウンパスをヒルに通した。目を見張るようなスタッツもさることながら、日曜日の試合の最後に最も際立っていたのは、タゴヴァイロアとヒルの勝負どころで決め切る能力だったと言えよう。
「チームにリードのチャンスをもたらすために、前進して、得点しなきゃいけない状況だった。俺の仲間たちは重要な瞬間に冷静さを失わず、とてつもない仕事をしたと思う」と言うタゴヴァイロアはさらにこう続けた。
「別のスタジアムに行って勝利をもぎとるのは、いつだってすごく大変だ。タフなチームだし、勝利をつかみとることができてすごくうれしい」
タゴヴァイロアが戻ってきた。身体に問題はなく、自分のゲームができている。
まだシーズン第1週に過ぎないかもしれないが、マクダニエルHCとしては、ある意味で正当化するパフォーマンスだった。
「クレイジーだとは感じていないので、私にとっては正当化のようなものだ。彼らがしてきた仕事を見て、こうなることは予測していた。彼はこれを続けていく必要がある――文字通り、これこそ史上最も簡単な指導だ――今やっていることを、続けていくということはね。率直に言って、彼が今いるのはそういう場所だ」
「彼は私が生涯で会ってきた中で一番指導しやすい選手の一人だ。彼にはそれを続けていってほしい」とマクダニエルHCは語った。
【RA/A】