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NFLが2024年から全32チームの練習生に外国人選手1名を加えることに

2023年09月14日(木) 11:04


NFLロゴ【Aaron M. Sprecher via AP】

ナショナルフットボールリーグ(NFL)が2024年から全32チームのプラクティススクワッド(練習生)に1名の外国人選手を加え、世界中の才能ある選手がフットボール界で発掘され、育成される機会の創出に貢献すると発表した。

2017年から、NFLのインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)プログラムの一環として、外国人選手たちが選ばれたディビジョンに割り当てられている。2017年の開始から2022年までは、毎年1つのディビジョンがこのプログラムに参加していた。今年はAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)西地区とNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区の2地区が参加し、このプログラムから8名の選手がNFLのチームに割り当てられている。

プログラム開始以来、37名の外国人選手がNFLチームと契約(割り当て、ドラフト、またはフリーエージェント/FAとして契約)してきた。現在、19名のIPP選手がNFLのロースターに名を連ねており、オフェンシブタックル(OT)ジョーダン・メイラタ(オーストラリア/フィラデルフィア・イーグルス)、ディフェンシブエンド(DE)エフェ・オバダ(イギリス/ワシントン・コマンダース)、フルバック(FB)ヤコブ・ジョンソン(ドイツ/ラスベガス・レイダース)、タイトエンド(TE)サミス・レイエス(チリ/コマンダース)、DEデイビッド・バダ(ドイツ/コマンダース)の5人が、各チームのアクティブロースター入りを果たしている。

NFLによる長期的なフットボール選手育成の努力の一環として世界中からスカウトされたこれらの外国人選手は、インターナショナルプレーヤーとして練習生枠免除の対象となり、参加チームは練習生の枠を追加で手にすることが可能だ。

2024年からは、所属する選手の1人が有資格の外国人選手だった場合に、全32チームでプラクティススクワッドが17名に拡大される。この取り組みにおいて、対象となる外国人選手とは、国籍および主な居住地が米国およびカナダ以外の国であり、米国の高校での経験が2年以内の者を指す。さらに、外国人選手は(1)NFL選手の資格規定をすべて満たし、(2)過去のNFLドラフトで資格を有していなければならない。

各チームはNFLのインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ・プログラムを通じて発掘された選手と契約することもできれば、独自に国際的な人材をスカウトすることも可能だ。

NFLクラブビジネスおよびメジャーイベントならびに国際部門副社長のピーター・オライリーは次のように述べた。

「外国人選手のためのプラクティススクワッドのロースター拡大は、一流の国際的なアスリートのNFLへの持続可能な道筋を構築するという私たちの目標にさらに寄与するものであり、同時に世界中のファンとのローカルなつながりを生み出すものでもある。全32クラブ、NFL国際委員会、NFL競技委員会、NFL選手会(NFLPA)のサポートのもと、私たちはこの新しいモデルを実施し、長期的にゲームに利益をもたらすとともに、今後数年間でより多くの国際的な人材をリーグに迎え入れることを楽しみにしている」

また、タンパベイ・バッカニアーズのオーナー兼共同会長であり、NFL国際委員会の委員長を務めるジョエル・グレイザーは「ゲームへの関心と参加が世界的に拡大し、繁栄し続けるにつれて、フィールドの内外でこのゲームに影響を与える可能性のある選手の人材層も拡大し続けている」とコメント。

「全32クラブがプラクティススクワッドのロースター枠を外国人選手のために追加で利用できる機会は、世界中のエキサイティングな才能を発掘し、育成し、NFLでプレーできるようにするための重要な前進だ。私たちのクラブはこの新しい機会を受け入れ、ゲームを発展させていく中で、国際的な選手のパイプラインを強化していく」

NFLフットボール運営部門取締役副社長のトロイ・ビンセントは「母国にいる次世代の人々を鼓舞する世界中のグローバルな人材とともに、ゲームは成長し、向上していく。このリーグ全体の取り組みは、より多くの国際的なアスリートに道を開き、フットボールにはすべての人のための場所があることを証明するものだ」と述べた。

新ルールにおいて、参加クラブは外国人練習生をシーズン中に最大3回までアクティブロースターに昇格させることができる。それにより、クラブは追加選手を活用するための柔軟性を高められると同時に、外国人選手が成長し、リーグでプレーする機会を増やすことが可能だ。また、各クラブは資格のある選手に対し、トレーニングキャンプのロースター免除を受けることになる。

オーストラリア出身でIPPを介してNFL入りしたメイラタは「インターナショナル・プレーヤー・パスウェイ・プログラムは俺の人生を変えた。与えられた機会にとても感謝している。このプログラムは世界中の多くの若いアスリートたちに、NFLでプレーすることが現実になり得るということを示している。このプログラムを拡大し、全32チームが外国人選手と練習生契約を結べるようになれば、このスポーツがより良く、より多様で、より競争力のあるものになるはずだ」と話している。

インターナショナル・プレーヤー・パスウェイ・プログラムは、NFLとその32チームが世界中でフットボール界の発展を加速させるために行っている、より広範で長期的なコミットメントの一環だ。国際アメリカンフットボール連盟(IFAF)とのパートナーシップによるNFLフラッグフットボールの世界的な発展から、NFLアカデミープログラムや、才能ある学生アスリートが米国でカレッジフットボール奨学金を獲得し、人生を変える機会を創出することに至るまで、NFLは若いアスリートが発掘され、プレーし、成長できるようにすることに戦略的な重点を置いている。

【RA】