打ちのめされながらも「また立ち上がる」とジェッツQBロジャース
2023年09月14日(木) 16:56現地11日(月)の夜にニュージャージー州イーストラザフォードでニューヨーク・ジェッツのクオーターバック(QB)アーロン・ロジャースに何が起こったのかを、フットボール界はほぼ48時間にわたって見守ってきた。
その時間は、ジェッツのキャリアが始まってわずか4回目のスナップでアキレス腱を断裂し、シーズン終了となったロジャース自身が、自らの思いをどう表明するかを考えるのに十分だった。
「手を差し伸べ、電話やメール、ダイレクトメッセージをくれたり、友人を通じて連絡をくれたりしたみんなに、ありがとう」とロジャースは『Instagram(インスタグラム)』につづっている。
「俺にとってはものすごく大きかった。近いうちに、全員に返事をしたい」
「完全に打ちのめされたし、いろいろな感情がわきあがったけれど、みんなの応援や愛に深く心を動かされたし、謙虚な気持ちになれた。今日から治療のプロセスを始める俺のことを、どうかこれからも思い、祈ってほしい」
「夜は夜明け前が最も暗い。俺はまた立ち上がるよ。仲間たちを誇りに思う。1勝0敗だ」
何とか巻き返し、地区ライバルのバッファロー・ビルズをオーバータイムで退けたものの、ギャンググリーンにとっては重苦しい2日間だった。たとえほぼ1シーズンがそのまま残っているとは言え、ロジャースを失ったことは、きわめて高い希望があったジェッツが失墜したことを意味する。
ロジャースの負傷はただちに全国ニュースとなり、メットライフ・スタジアムという枠を越えて、親しかった元チームメイトたちの元にまで届いた。グリーンベイでロジャースのブラインドサイドを守っていたオフェンシブタックル(OT)デービッド・バクティアリは、テレビを見ていて旧友が最悪のケガを負った可能性を心配したという。今週、バクティアリは「とにかく、“どうか、そんなことじゃないように”って感じだった」と振り返っている。
バクティアリは『PackersNews.com』に「彼を思って、ショックだった」と話し、こう続けた。
「彼がどれほどのことに対処し、どれくらいワクワクしていたか知っているし、あの試合が彼にとってどれだけの意味を持つかも、俺には分かっている。あんなに早く終わってしまい、それにあんなケガをして、そこから立ち直らなきゃいけないなんてキツイよな。でも、彼はタフなヤツだ」
「厳しい時間はいつまでも続かない。タフな人間は切り抜けるのさ」
このニュースはウィスコンシンを越えて広がっていき、高度約1万メートルの空の旅の途中だった元チームメイトにも届いた。
ラスベガス・レイダースのワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスは「ほんとにキツイぜ。ソーシャルメディアには書き込みたくなかった。彼と直接話したからな。すぐに連絡を取ったんだ」と話す。
「帰りの飛行機で見ていた。ひどい映画みたいだった。主人公があんなふうに倒れるのなんて、見たくないだろ。しかも、あんなに早く。彼が心を踊らせていたのは知っている。彼がプレーするのをワクワクして見ていたんだ。彼の気持ちが若返って、本当にいいチームと一緒に仕事をするチャンスにエキサイトしていたのは知っているから、すごく残念だ」
「だけど、彼は大事な友人だから、俺はここにいて、彼のために自分にできることは何でもしたいと伝えた。彼の気持ちを上向かせるために、今、俺に何ができるかは分からない。今はシーズンが始まってしまっているしね。でも、これは本当に残念なことで、彼の気持ちが落ち着いて、乗り越えようとしていることを祈っている。もちろん、あのチームとしてもな」
ロジャースのグリーンベイ時代のヘッドコーチ(HC)――ロジャースが今年初め、積極的に離れることを決めたコーチ――でさえ、パッカーズが白星でシーズンをスタートした次の日に起こったことの深刻さを理解している。
マット・ラフルアーHCは「ああ、大変なことだ。彼のことを思っているし、あんなことは誰にも起きてほしくない」と述べた。
「彼ほどの腕前の選手がいて、フットボールのゲームをプレーできないとなれば、それはわれわれのゲームにとって良くないことだ。だからこそ、私は彼のことを思っていて、これまでにも、彼のことを深く尊敬してきた。どれほどタフか、どれほどのコンペティターかについては、数えきれないほど言ってきたし、倒れてあおむけになったときに、何か深刻なことが起こったのは分かった。なぜなら、彼がこれまでに多くのことを乗り越えてプレーしてきたのを見てきたからだ」
バクティアリと同様に、ラフルアーHCもロジャースについてある程度明るい見通しを示している。こういった重傷から立ち直れる者がいるとすれば、それはロジャースにほかならないからだ。
12月に40歳になるロジャースについて、ラフルアーHCは「彼ほどの才能のある人物ならば、問題なく戻ってくる」と話している。
「本当にそう信じている。彼がどういうふうに仕事に取り組むかは知っていて、あとは彼がプレーを続けたいかどうかの選択だけだ」
ロジャースは復帰を考えているように見受けられる。結局のところ、月曜日に残酷な形でいったん停止したものの、ニューヨークでのロジャースの物語は始まったばかりなのだ。
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