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「ただ遊びに来たわけじゃない」とオフェンスでの役割に不満を持つレイダースWRアダムス

2023年10月20日(金) 15:07


ラスベガス・レイダースのデイバント・アダムス【NFL】

ラスベガス・レイダースは2連勝を飾っているものの、勝利のたびにワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスによるオフェンスへの関与が減っている。

アダムスはシーズン第3週のピッツバーグ・スティーラーズに敗れた試合で今季最多のターゲット20回をマークしたが、その後は13回、4回、5回とターゲット数が減少している。最近の2試合を合わせても、パスキャッチはわずか6回で74ヤード。オフェンスの多様性はレイダースに恩恵をもたらしているが、アダムスは現在の役割に満足しているわけではない。

『ESPN』によれば、アダムスは現地18日(水)に「俺は人間だし、このオフェンスで自分自身にとても高い基準を設定しているんだ」と語り、次のように続けた。

「みんなは思っているだろ、“試合に勝った、なんで問題があるの?”って。なぜ問題があるか、分かるよな。もう俺がどんなヤツか、何を目指しているか知っているはず・・・俺みたいな選手の場合、頭の中の基準は勝ち負けじゃない。偉大さだ。だからフィールドに出る時、自分の能力を使ってその偉大さをビデオに残して、試合に影響を与えることができると期待している。ここいる目的はそれだ。ただ遊びに来たわけじゃない。正しいやり方で勝つためにここに来たんだ」

アダムスによれば、正しいやり方でやるとは、彼自身が主要な役割を果たして勝つことを意味するのだという。たとえチームが成功を収めていても、自分がゲームを変える選手であると期待しながら、その基準に達していないと、フラストレーションがたまるのは簡単だ。アダムスは単なる同乗者としてグリーンベイ・パッカーズからレイダースへトレードで移籍したわけではない。アダムスは勝利のゴールラインに向かって、自分で車を運転したいのだ。

「だから、期待通りの姿に見えなくて、その計画の一部として参加していないと思えたら、俺は不満を持つだろう」とアダムスはコメントし、こうつけ加えている。

「なぜなら、その状況を変えてもっといい絵を描くチャンスがあるからだ。それが起こらないなら、俺は不満を持つよ。もしジャコビー(マイヤース)がフィールドに出てすごいプレーをしたり、ビルズに対する最初のドライブのようにオフェンスが5プレーごとに得点していたりするなら、それはそれでいい」

「俺のことだけってわけではない。でも、俺の存在はこのオフェンスがどう動くかの大きな部分だ。もし俺がそれを手に入れていないなら、それは明らかに計画通りではないな」

アダムスの回答の後半部分は、彼自身の現在のスタンスに必要な論理をもたらしている。アダムスは自分がたくさんのパスターゲットになれていないことに対して怒っているのではなく、自分の仕事をする上で、フィット感を気にしている。アダムスはレイダースの成功の重要な一部であることを期待しており、そうでなければ、警鐘を鳴らし、自分ができることをすべてやっているのかどうか自問するだろう。

レイダースのヘッドコーチ(HC)ジョシュ・マクダニエルズはこの感情を理解している。

『ESPN』によれば、マクダニエルズは水曜日に「正直、偉大な選手は、できる限りの方法でチームの勝利を助けたいと思わなければ偉大ではないだろう」と語り、こうつけ加えたという。

「いいか、偉大な選手たちはある一定の地位を獲得しているのだから、彼らにとってのゲームは別物なんだ。彼らは、フィールドに出るたびにできる限り貢献したいと思っている。だから、その気持ちも彼らの一部なんだ。私は彼らにそれを抑えるように言うことは決してない。彼(アダムス)は素晴らしいリーダーで、大きな影響力を持っている」

「私たちの仕事は、最高の選手たちが試合に貢献する機会を確実に持てるようにすることだ。彼ら選手たちはできることをするだけだ。だから、彼(アダムス)は私たちが勝つためにできる限りのことをするつもりだろうし、それは確かだ。彼は素晴らしい態度とマインドセットを持っている。私が今まで出会った中で彼ほど競争心の強い人はいないし、彼はボールを欲しがっているし、貢献したいと思っている・・・彼はどんな面でも素晴らしく、これも例外ではない」

アダムスはこのことをヘッドコーチから聞くことで、自身のパフォーマンスに対する懸念の一部が和らいだと認めている。また、アダムスは自身が相手のディフェンスからたくさんの注意を引き付けていること、そして、ジミー・ガロポロがケガをして、エイダン・オコネルやブライアン・ホイヤーが出場しているため、同じクオーターバック(QB)のために全てのルートを走っているわけではないことも承知している。だが、それだけではアダムスをリラックスさせることはできない。

それは、勝者のあり方とは違うからだ。

「俺は世間知らずじゃない」と言うアダムスは「結局のところ、俺のようなカバーを受ける相手に投げるのは簡単じゃない。たくさんの注意を引きつける。俺が確信して言えるのは、ジミー、デレック(カー)、ホイヤー、エイダン、誰が出てきたとしても、彼らが見ているのは、俺たちが1週間を通して研究している数字よりも、もっとずっと複雑な絵なんだ」

「これが現実なんだ。俺はそれを理解しているし、簡単なことではないと分かっている。でも、俺はカバーを受ける中でもプレーを成功させてきたし、去年もやったし、今年の俺たちにはそれを実現するための一瞬の輝きもあった。でも、俺たちが望むようなオフェンスになるためには、もっと一貫してそれを維持しなければならない」

【KO】