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44ヤードのランで勝利を決めたジャガーズWRカーク、“こんなに速く走ったのは大学以来”

2023年10月20日(金) 18:51


ジャクソンビル・ジャガーズのクリスチャン・カーク【AP Photo/Reed Hoffmann】

ハーフタイムを迎えた時点でジャクソンビル・ジャガーズのオフェンスはすべて順調だった。

前半に2つのタッチダウンとフィールドゴールを決め、ジャガーズは11点のリードを築いていた。

ところが後半が始まると行き詰まってしまい、クオーターバック(QB)デレック・カーとニューオーリンズ・セインツが息を吹き返し、同点に持ち込むまでのろのろと締まりのないプレーを続けた。

牙をなくしたジャガーズでQBトレバー・ローレンスは光を探していた。そして、ワイドレシーバー(WR)クリスチャン・カークを見つける。その後44ヤードを進んだジャガーズは31対24でサーズデーナイトの勝利を決定付けるタッチダウンを得た。

「コンプリートして前進を続けることだけ考えていた」と試合後にローレンスは言っている。「最悪の場合、少しでもポイントを取ろう、フィールドゴールでもいいと考えていた。あの時点で試合は同点だった。投げた瞬間は、10ヤードのゲインかなと考えた。20番(ピート・ワーナー)がアングルにいるのは分かっていたけど、それをかわして彼は最後まで持っていってくれた。チャンスを見つけて取りにいき、やり遂げてくれるなんて最高のプレーだったよ」

クロスオーバーして加速したカークの動きはゲームの流れを変え、勝利をつかむ決定打となった。チーム最多のレシーブ6回と90ヤードを獲得したカークはセーフティ(S)タイラン・マシューを置き去りにし、急転回してワーナーを振り切って、もう1人を足で抜き去り、スティフアームでジョーダン・ハウデンをはねのけて、その俊足と仲間の見事なダウンフィールドブロッキングでエンドゾーンに飛び込んだ。

「あんなに早く走ったのは大学以来じゃないかと思う」とテキサスA&M大学から2018年ドラフトの2巡目指名でアリゾナ・カーディナルスに入団したカークは話した。「ちょっとビンテージ的なやつだった。あの場面で見せることができて良かったよ」

この時の残り時間は3分08秒。前半を17対6でリードされ、第3クオーターにラインバッカー(LB)フォイ・オロウクンのインターセプト・リターン・タッチダウンによって24対9とされていたセインツがようやく同点まで巻き返したところだった。

他のジャガーズオフェンスと同様にカークも後半は沈黙していた。最初の30分はキャッチ5回で46ヤードだったが、第3クオーターと第4クオーター最初の11分間ほどはキャッチもなかった。

ジャガーズ後半のオフェンスを担ったのはオロウクンだった。彼のピック6以外では、ローレンスがカークを見つけ、カークがファーストギアに入れるまではパント3回、第4ダウンギャンブル失敗によるターンオーバーと76ヤードの獲得に終わっていた。

「俺たちは何としても後半を改善しなきゃならない」とカークは言っている。「後半が始まって、第1ダウンが取れず、小康状態になることがここ数週間続いている。だから、こういう状況にならないようにする方法を見つけることが俺たちにとって重要だ。今回みたいにリードを持っている場合は特にね。ああいう小康状態になってしまうと、相手がいいチームの場合は復活の機会を与えてしまう。そうなったら最終的に自分たちが負けてしまうから、大事なところでプレーを決められて良かったよ。でも俺たちには明らかに改善の余地がある」

とりあえず、ジャガーズは負けなかった。彼らは4連勝してシーズンを5勝2敗でスタートしている。これは2007年以来の好調な滑り出しだ。その4勝は19日間のうちに達成されており、最初の2勝はロンドンゲームでのものだった。海外遠征の後でバイウイークもないまま、ジャガーズはインディアナポリス・コルツに勝ち、その4日後にセインツを下した。

後半にオフェンスが失速したのも無理はなかったのかもしれない。

それでもローレンスは不安定な膝を制御し、ジャガーズが最も必要とした場面でカークがゲーム最大のハイライトを見せた。

『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、カークの44ヤードタッチダウンは予想より27ヤード多いゲインで、トップスピードは時速19.76マイル(時速31.8km)に達したという。

「トレバーはポケットでうまくステップアップして、キャッチ・アンド・ランの機会を俺に与えてくれた」とカークは言う。

一方、ローレンスは少し違う見方をしているようで、「彼が1人で全部やってくれた」とカークを絶賛した。

【M】