イーグルスがQBスニークで“優位になる”理由を説明するCケルシー
2023年10月27日(金) 14:22最近のNFLファンに聞けば、“Brotherly Shove(ブラザリー・シャブ)”や“Tush Push(タッシュ・プッシュ)”など、どのような呼び方でもいいが、フィラデルフィア・イーグルスのショートヤードでの見事なプレーについて、誰もが意見を持っているはずだ。これは最近のNFLで最も正確に決まるプレーになっていると言えよう。
イーグルスファンはそれをとても気に入っている。一方の対戦相手は間違いなく嫌っているだろう。たとえ、多くのチームがクオーターバック(QB)スニークを自分たちのプレーに組み込もうとしていたとしてもだ。コーチの中には公の場でこのプレーを禁止してほしいと言う者さえいる。
しかし、ほとんどのチームはQBスニークを展開しようとしたときに、イーグルスほど成功率が高くない。イーグルスのQBスニークは、QBジェイレン・ハーツがセンター(C)ジェイソン・ケルシーの後ろに立ち、通常は2人か3人の選手がハーツを取り囲むところから始まる。ケルシーからボールを受けたハーツは、周りのチームメイトの後押しを受けながら前方に突進するのだ。
そしてほとんどの場合、そのプレーはイーグルスが第1ダウンを獲得するか、時にはタッチダウンを決める形で終わる。
イーグルスの対戦相手にとって、このプレーを止めることは不可能に近く、真似することも難しい。イーグルスは現地22日(日)に行われたマイアミ・ドルフィンズ戦でもこれを実行している。木曜日に『The NFL Report(ザ・NFLレポート)』で『NFL Network(NFLネットワーク)』のスティーブ・ワイチとジェームス・パーマーのインタビューに応じたケルシーは、このプレーの仕組みをマスターするのは、テレビで見るよりもずっと難しいはずだと話した。
「俺たちは何度も繰り返してきた」と語ったケルシーはこう続けている。
「クオーターバックスニークでスナップをファンブルするのは珍しいことじゃない。ボールが動くと同時に、前進するか、レバレッジを変えてかがむことになる。クオーターバックはプッシュを開始できるように、すでに前進している。そのメカニズムを何度も繰り返していなかったら、試合で突然、初めてそれをすることになって違和感を覚える羽目になる」
作戦を遂行する上でケルシーとハーツは確かに重要なピースかもしれないが、ケルシーによれば、全員がタイミングを合わせることが作戦を成功させる上で重要だという。
「練習でも、仲間と感覚をつかむことが大事だ。特にシーズン中に試合で使う前とか、新しいクオーターバックとプレーするときはね」とケルシーは強調している。
「センターとクオーターバックだけじゃなくて、そこにいる全員でやるものなんだ。ブロックをどう攻略するか、どこで始めるか、誰が誰と組むか」
とはいえ、QBスニークはイーグルスにとって、ヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニが大抵の場合でそれを実行することを恐れないほど得意なものとなっている。ドルフィンズ戦で7点差をつけていた中で、イーグルス攻撃陣は自陣26ヤードラインからの第4ダウン残り1ヤードのプレーで当初、パントチームをフィールドに送り出していた。
しばらく考えた後、シリアニHCは再びそこにオフェンスを送り込み、彼らは当然のように第1ダウンを獲得した。
現在、このプレーに関する質問に直面しているシリアニHCは、それがフットボールの一部であるべきかどうかを問われている。シリアニHCの返答はこうだ――習得が難しいからこそ、禁止されるべきではない。
今週、シリアニHCは「リーグ全体を見渡しても、誰も私たちのようなことはできない」と述べている。
「私たちができるようなことは彼らにはできない。だから、私はこう言っておこう。このプレーを禁止するな、とね」
「誰でもできるなら、みんなやるだろう」
イーグルスは汗水を流して“Brotherly Shove”を習得した。ケルシーによれば、彼らの成功率は技術を習得することへのコミットメントに直結しているという。他のチームも上手くなりたければ、もっと時間をかけて練習しなければならない。
「細かい部分はたくさんあるけど、率直に言えば、俺たちはそのプレーを何度もやってきたからこそ優位に立っている」と語ったケルシーはこう続けた。
「練習で何度も繰り返すプレーだ。だから、試合でやるときは、プレーを全般的に実行するという観点から、対戦相手を上回る、かなり充実したものになる」
「だから、試合でこのプレーをする機会、フルスピードで実行する機会のすべてが、最終的に俺たちのプレー全般をより細かく、より効率的にするんだと思う」
【RA】