カーディナルスQBマレーがブラウンズ戦で復帰できない場合はQBチューンが先発へ
2023年10月31日(火) 12:33アリゾナ・カーディナルスが司令塔の方針を変えようとしている。
ヘッドコーチ(HC)のジョナサン・ギャノンが報道陣に対し、昨季にACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂したクオーターバック(QB)カイラー・マレーが復帰する準備を整えられなかった場合は、ジョシュア・ドブスではなく新人のクレイトン・チューンがシーズン第9週のクリーブランド・ブラウンズ戦に先発出場すると述べた。『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートによると、マレーの復帰がもう1週間先になる可能性が高いことから、チューンがキャリア初先発を果たすと見込まれているという。
マレーは先週に行われた練習にフル参加していたものの、チームが31対24で敗れたボルティモア・レイブンズ戦に向けてはダウトフルとされ、アクティブ登録されなかった。
ギャノンHCは現地30日(月)に「カイラーを強化し続け、1週間を通してどのように進歩するか見ていくつもりだ」とコメント。
「カイラーでなければ、クレイトン・チューンになるだろう。3人のクオーターバック全員と話し合い、今後どのように動いていくかについて考えを共有した。いい準備期間を過ごせることを楽しみにしている。2日間の遠征で臨むクリーブランド戦では勝利を手にしたい」
今回のギャノンHCの発言はレイブンズに敗れて5連敗を喫した後の発言とは真逆の内容となっている。ギャノンHCは当時、マレーがPUP(故障者)リストからの復帰を目指す間、ドブスが暫定的に先発の役割を担うと主張していた。
先発出場するとなれば、ドラフト5巡目指名を受けたチューンは、ダラス・カウボーイズ戦では予想外の勝利を収めたものの、それ以外はシーズン開幕から8試合中7試合を落としているカーディナルスをけん引する立場に立つことになる。
カーディナルスは強気に戦う集団として、ほとんどの週で予想をはるかに上回る手強さを見せてきた。シーズン最初の1カ月は、8月24日に行われたトレードでチームに加入したドブスが安定したパフォーマンスを発揮していたおかげで、簡単には屈しない様子を見せていたと言えよう。
ドブスはシーズン第4週までの間にパス成功率70.7%、814ヤード、タッチダウン4回、インターセプト0回を記録。しかし、シーズン初戦では3回のファンブルを喫しており、これはドブスのボールセキュリティーの問題の前兆となっていた。ドブスは直近の5試合で連続してファンブルを喫している。また、インターセプトも問題の1つとなっており、ドブスはこの4試合で5回のインターセプトを浴びた。
成績が低迷しているとはいえ、ギャノンHCが今回の発言をする24時間前にドブスに対する信頼を示していたことを踏まえると、ドブスがベンチに下げられることはちょっとした驚きだ。また、NFLのトレード期限が1日後に迫っていることもあり、興味深い判断となっている。
ドブスは自分をカーディナルスに送り出したチームとの対戦でベンチに下がる予定だ。ブラウンズはドブスがQBデショーン・ワトソンの後ろに控える2番手の座を勝ち取り、ケレン・モンドをウェイバーにかけたと発表したが、その直後にトレードを成立させている。ブラウンズは当初の方針を覆し、ドブスを移籍させた一方で新人のドリアン・トンプソン-ロビンソンを2番手とし、モンドをしばらくの間ロースターにとどめた。
今回の降格は単純に刺激を与えることが理由なのかもしれない。しかし、日曜日にクオーターバックポジションから負傷者が出た複数のチームが、トレード期限を迎える前にバックアップ計画を検討している可能性はある。
いずれにせよ、1勝7敗のカーディナルスが、真のQB1が完全に復活するまでに変化を起こそうとしているのは確かだ。
マレーがシーズン第9週に復帰しない限り、カーディナルスはクレイトンのチューン(調子)に合わせて進んでいくことになるだろう。
【RA】