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ファルコンズQBハイニケがバイキングス戦に先発、リッダーはバックアップに

2023年11月02日(木) 09:50


アトランタ・ファルコンズのタイラー・ハイニケ【AP Photo/George Walker IV】

アトランタ・ファルコンズは少なくとも当分の間、新しい司令塔を据えることになった。

現地1日(水)、ヘッドコーチ(HC)アーサー・スミスがシーズン第9週に行われるミネソタ・バイキングス戦ではタイラー・ハイニケが先発クオーターバック(QB)となり、デズモンド・リッダーがバックアップを務めると発表した。

スミスHCは水曜日に「今週だけに目を向け、あらゆる不確定要素を考慮し、この72時間について考えた結果、私たちは今週のミネソタ戦に向けてはタイラーを出場させるのがベストだと感じた」と報道陣に述べている。

キャリア2年目のリッダーのバックアップとなるべく今オフシーズンに契約したハイニケは、スミスHCがファルコンズを率いる2シーズンあまりで4人目の先発クオーターバックとなる。

24歳のリッダーがターンオーバーの問題を抱え、得点ランク28位のオフェンスを活性化できなかったにもかかわらず、スミスHCはリッダーを先発から外すのを渋ってきた。ハイニケへの移行は、去る日曜日に敗れたテネシー・タイタンズ戦の後半から始まっている。リッダーは脳しんとうの診断を受けた後に問題ないことが確認されたものの、試合には戻らなかった。試合後、スミスHCはリッダーがサイドラインにとどまったのはパフォーマンスに基づく決定ではなかったと明らかにしている。スミスHCが月曜日に、先発の指名は水曜日になってから行うと発言したことから、事態は複雑化し、明らかになるまでに時間がかかった。

水曜日になり、スミスHCはついにハイニケに指揮を任せるという決断を下している。3年目のヘッドコーチは昨季も、マーカス・マリオタが苦戦していたにもかかわらず、リッダーに先発の座を譲るのをためらっていた。

地区内で首位に立つチームがシーズン途中にクオーターバックを交代させるのは一般的ではないが、オフェンス面で苦しみながらも全体的に精彩を欠くNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区でトップに立っている4勝4敗のファルコンズはそれを実行しようとしている。

リッダーは今季、これまでに試合平均212.6ヤード、タッチダウン6回、インターセプト6回を記録。シーズン第6週に行われ、今季で唯一、1試合で複数のタッチダウンを記録したワシントン・コマンダース戦で2回のタッチダウンを決めてからは、一度もタッチダウンを記録していない。2022年のルーキーシーズン終盤に将来性を垣間見せたリッダーは、2023年にファルコンズの先発に指名された。フットボールを慎重に扱うことから堅実なパフォーマンスを見せるリッダーは、成長する可能性を秘めた選手と見なされていた。しかし、現在はそのボールセキュリティーの精度が下がっている。この6週間で、リッダーはNFLで最多となる12回のギブアウェイを記録しており、ランニングバック(RB)ビジャン・ロビンソンやワイドレシーバー(WR)ドレイク・ロンドン、タイトエンド(TE)カイル・ピッツといったドラフト1巡目指名選手を擁するオフェンスに火をつけることができていない。

今回の状況はハイニケにとっては慣れ親しんだものと言える。ハイニケは過去3シーズンにそれぞれコマンダースで、負傷したアレックス・スミス、ライアン・フィッツパトリック、カーソン・ウェンツの代役を務めてきた。昨シーズンに関しては、健康状態に問題のないウェンツに代わって先発した試合もある。

30歳のハイニケには、いざというときにオフェンスに火をつける才能があるものの、プレーが不安定であることからフランチャイズQBになるには至っていない。ヒューストン・テキサンズ、カロライナ・パンサーズ、コマンダース、ファルコンズで過ごした6シーズンで、ハイニケは先発出場した試合で12勝12敗1分という成績を残してきた。キャリアを通して34試合に出場してきたハイニケは、パス成功率63.7%、5,920ヤード、タッチダウン35回、インターセプト24回を記録している。

ハイニケは現地5日(日)に、アキレス腱の断裂で今季の残る試合を欠場することになった先発QBカーク・カズンズが不在の状態で試合に臨むバイキングスとの一戦で、初めてファルコンズの一員として先発出場する予定だ。現在4勝4敗の両チームは、新人のジャレン・ホールが指揮を執るかもしれないバイキングスと、ハイニケ率いるファルコンズが対峙するという、シーズン開幕まで誰も予想していなかったような試合に臨もうとしている。

【RA】