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現在のチーフス守備陣は「これまで共にプレーした中で最高の守備陣」とTEケルシー

2023年11月07日(火) 12:34

カンザスシティ・チーフスのトラビス・ケルシー【AP Photo/Jack Dempsey】

クオーターバック(QB)パトリック・マホームズ率いるカンザスシティ・チーフスと、飛ぶ鳥を落とす勢いのマイアミ・ドルフィンズが現地5日(日)にドイツのフランクフルトで対戦するにあたり、ディフェンスの力比べが展開されるとは誰も予想していなかっただろう。

前半に一度も得点を許さず、マイク・マクダニエルHC(ヘッドコーチ)率いるオフェンスの得点を2回に抑えて21対14で勝利したことは、チーフスのアンディ・リードHCでさえ予想していなかったようだ。

チーム公式記録によると、リードHCはロースコアの試合について「自分たちのディフェンスを軽視するつもりはないが、私は今回の結果を予想していなかった」と述べたという。

「典型的な、2つの優れたオフェンス。現在のナショナル・フットボール・リーグでナンバー1のオフェンスを誇るドルフィンズだ。うちのディフェンスがあの場でやってくれたことは、とてつもない偉業だ。もちろん、私たちはそれを維持しなければならない。次に臨む試合でも同じくらい良い状態をね。あれはとんでもない偉業だった。スティーブ(スパグニョーロ、守備コーディネーター/DC)は素晴らしいスキームを練ってくれた。選手たちはとてもうまく実行してくれた」

スパグニョーロDC率いるディフェンスは試合を通してトゥア・タゴヴァイロアが指揮を執るドルフィンズ攻撃陣のバランスを崩し、ワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルを封じ込め、ドルフィンズのランゲームを停滞させていた。

チーフスはタゴヴァイロアのパス成功率(61.8%)、パスヤード(193ヤード)、アテンプト平均ヤード(5.7ヤード)、パサーレーティング(87.0)を今季最低の数字に抑えただけではなく、ドルフィンズの得点も今季で最も低い14点にとどめた。これはマクダニエルHCが指揮官となってからドルフィンズが獲得した点数として過去2番目に低い数字となっている。14点より少なかったのは、昨シーズン第18週に行われ、QBスカイラー・トンプソンが先発を務めたニューヨーク・ジェッツ戦(11点)のみだ。

チーフス守備陣は勝利を確信した後のオフェンスをさらに輝かせていた。

マホームズはチームのディフェンスについて「3つのレベルすべてにおいて素晴らしくて、層が厚いという事実がある。選手たちがローテーションしている。プレーすることができる。全員を出場させるのが難しいくらい、みんなが優秀なんだ」と語り、こう続けている。

「NFLトップのディフェンスに違いない。オフェンスも素晴らしい。俺が自分たちの陣地でファンブルしたことで14点のうち7点を取られたのに、相手を14点に抑えたことはとんでもなく素晴らしい仕事だ。若手ぞろいだし、この仕事を愛しているから、彼らはこれからも良くなっていくと思う」

重要なプレーは、ドルフィンズが14対0でリードしていたチーフスを脅かそうとしていた試合前半終了間際に起こった。ヒルがボールを落とすようにコーナーバック(CB)トレント・マクダフィーが仕向けた後、セーフティ(S)マイク・エドワーズがボールをすくい上げ、タックルされる前にSブライアン・クックにボールを渡し、クックが59ヤードを走破してタッチダウンを決めたことにより、チーフスは21対0でハーフタイムを迎えた。

チーフス攻撃陣は試合の後半に得点できず、最終的にドルフィンズを寄せつけなかったのはディフェンスだった。チーフス守備陣は第4クオーターにパントを強いた後、最終ドライブでは第4ダウンでプレッシャーをかけ、ファンブルを誘っている。これにより、ドルフィンズが同点に追いつくことはできなくなってしまった。

タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは「シーズンの半分を終えた今、この守備陣は俺がこれまで共にプレーした中で最高の守備陣だと断言できると思う」とコメント。

「彼らは大事な場面で力を発揮してくれる。正直、これまでもたくさんの場面で俺たちを救ってくれた。でも、だからこそ俺たちはこのチームゲームをプレーしているんだ。だからこそ、これが世界で最高のゲームなのさ」

チーフスのディフェンスは9試合を通してオフェンスを幾度となく救ってきた。今季のチーフスは6試合で24点未満となっており、単一シーズンにおけるそのような試合の数は2018年以降で最多タイ(2021年シーズンに6試合)となっている。2022年に24点未満となった試合は3試合しかなかった。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、今季のチーフスは試合平均得点(23.1点)、試合平均パスヤード(264.9ヤード)、レッドゾーンでのタッチダウン率(54.5%)でマホームズ時代(2018年以降)における最低の数字をマークしている一方で、最多となる試合平均ギブアウェイ数(1.9回)を記録しているとのこと。

ディフェンスのおかげで、チーフスのオフェンスは問題を抱えながらもシーズン開幕から7勝2敗と好調を維持できている。マホームズと彼が率いるオフェンスがシーズン終盤にかけて事態を解決できるかに注目だ。

【RA】