デトロイト・ライオンズがシーズン開幕から6勝2敗を収めているという事実の中で最も印象的なのは、オフェンシブラインから負傷者が続出しているにもかかわらず、彼らがそれを成し遂げていることだ。

ライオンズはこの8週間を、7つの異なる組み合わせのオフェンシブラインと共に戦ってきた。今シーズン、これまで全試合に先発出場しているのはオフェンシブタックル（OT）ペネイ・スウェルだけであり、スウェルはテイラー・デッカーが足首の捻挫で欠場した際にライトタックル（RT）からレフトタックル（LT）への転向を余儀なくされた。センター（C）フランク・ラグナウはふくらはぎとつま先のケガでシーズン第8週に欠場。レフトガード（LG）ジョナ・ジャクソンは足首のケガでこの3試合を逃している。ライトガード（RG）としてシーズン開幕を迎えたハラポウリバティ・ベイタイは膝と背中の問題で数試合を欠場。その間はグラハム・グラスゴウが代わりに先発を務めた。

選手の欠場が相次いだり、ケガの心配がつきまとったりしているにもかかわらず、ライオンズ攻撃陣は好調を維持し、試合平均ランヤードで6位、被サック率で5位につけている。これらの数字はクオーターバック（QB）ジャレッド・ゴフがうまくボールを手放し、攻撃コーディネーター（OC）ベン・ジョンソンがオフェンシブラインのケガに賢く対応した結果でもある。とはいえ、ライオンズ攻撃陣がNFLの他のチームで見られるように先発選手たちの負傷で機能不全に陥らなかったのは、オフェンシブラインコーチのハンク・フレイリーと、チームが持つバックアップ選手たちを準備させる能力のなせるわざだと言えよう。

バイウイーク明けには、先発組が一連の試合で共にプレーできるようになることが期待されている。

『Detroit Free Press（デトロイト・フリー・プレス）』のデイブ・バーケットによると、ジャクソンは「ついにみんな戻ってくる。再集結する。さあ、ショーの時間だ」とコメントしたという。

現地12日（日）に行われるロサンゼルス・チャージャーズ戦を前に、ヘッドコーチ（HC）ダン・キャンベルはジャクソンとラグナウのラインアップ復帰を楽観視していると述べている。

「FOMO（fear of missing out／見逃すこと、取り残されることへの不安）が強くなっていた」と明かしたジャクソンは「どんどんひどくなっていたから、またみんなと一緒にプレーできることに本当にワクワクしている。俺が休んでいる間、みんなは持ちこたえてくれていた。俺が復帰して、自分の責任を果たす時が来た」と続けた。

オフェンシブラインがシーズン終盤にかけて健康な状態を維持できれば、1993年以来となる地区タイトル獲得を目指す中で、ライオンズの効率的なオフェンスはさらにレベルアップできるだろう。

【RA】