苦境を乗り越え勝利を手にして“ほっとした”とベアーズQBフィールズ
2023年11月29日(水) 15:281回のプレーでよかった。
現地27日(月)夜、シカゴ・ベアーズが必要としていたのはオフェンスがミネソタ・バイキングス戦で1回のプレーを決めることだったが、オフェンスにはそれができなかった。
ベアーズのディフェンスは繰り返し、相手の攻撃を止め、ターンオーバーを強いてショートフィールドを獲得し、オフェンスに勝つためのチャンスを与えるべく、あらゆることを実行したものの、オフェンスはそのたびに恩をあだで返すようなパフォーマンスを見せた。
バイキングスのクオーターバック(QB)ジョシュア・ドブスが、うとうととしていたオフェンスをついに目覚めさせてタッチダウンを決め、10対9で優位に立ったことを受けて、ベアーズの敗北は避けられないかのように思われた。QBジャスティン・フィールズが2回のドライブで連続してファンブルを喫し、得点する可能性を失って相手に10対9のリードを許したことから、なおさらそのように感じられていた。
それでも、ディフェンスは屈することなく相手にパントを強いた。
そしてついに、4万5,000回ほどあったのではないかと感じられるほどのバブルスクリーン、劣勢な状況でのパス、ディフェンダーの群れに直接突っ込んでいくランの末に、ベアーズは逆転に成功した。
第3ダウン残り10ヤードの状況で、ブリッツを多用するバイキングスの守備コーディネーター(DC)ブライアン・フローレスがディフェンスをカバレッジに落としている中で、フィールズはワイドレシーバー(WR)D.J.ムーアを見つけて36ヤードのパスを通し、短い距離での決勝フィールドゴールを蹴る機会を生み出すという、この試合最大のプレーを見せた。フィールドゴールに成功したことで、バイキングスの10点に対してベアーズの得点は12点となっている。
チーム公式記録によると、フィールズは試合後に「みんな一度も揺らがなかったから、ロッカールームのみんなには、俺のそばにいて、俺のことを信じてくれたことに感謝している。ディフェンスは最後のドライブのためにボールを取り戻すという素晴らしい仕事をしてくれたし、オフェンスは最後のプレーを実行するという素晴らしい仕事をしてくれた」と語り、「最高の気分だ。試合の中で逆境や浮き沈みを乗り越えて戦い抜けたことは本当に良かった。みんな、ハイになりすぎることもローになりすぎることもなく、最後まで戦い抜けたから良かったと思う」と続けたという。
フィールズとベアーズ攻撃陣は、試合を通して絶好のフィールドポジションを与えてもらっていたにもかかわらず、タッチダウンを決めることができなかった。そして、トータル68回のプレーで平均4.7ヤードを記録している。
攻撃コーディネーター(OC)ルーク・ゲッツィがバイキングス守備陣のブリッツに対して出した答えは、スクリーンやクイックスローだったが、これらはすぐに効果がなくなった。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、フィールズのターゲットの43.2%はスクリメージラインの上かその後方におり、それは2023年シーズンで20回以上のパスを試みたQBの1試合あたりの割合として最も高かったという。フィールズのアテンプト平均エアヤードは2.7ヤードと、キャリアで最も低い数字だった。
フィールズの欠点はたくさんあるが、ああいったタイプのクオーターバックに対してあのようなゲームプランを練るのは、高級車を所有しながら袋小路をぐるぐる回るようなものだ。それに何の意味があるのだろうか。
2週連続で、ベアーズはディフェンスが決めたターンオーバーを無駄にするかと思われた。また、フィールズの2度目のファンブルがベアーズの運命を決定づけたようにも見えた。プレーコールや、オフェンシブラインの脆弱さ、継続性の欠如、クオーターバックのプレーミスなど、苦戦しているベアーズ攻撃陣には非難すべき点が多い。とはいえ、熱烈なフィールズ支持者でさえも、連続でのファンブルはフィールズだけの責任だと認めざるを得ないだろう。
「まず、ファンブルしたらだめだ」とコメントしたフィールズは「もっと上手くボールセキュリティーをしないと。俺が最初にファンブルした1プレーか2プレー前にファンブルしたロション(ジョンソン、ランニングバック/RB)に“今はボールセキュリティーが一番大事だ”と言っておきながら、その2プレー後に自分がファンブルして、2つ目は大きな痛手になったんだからクレイジーだよな」と続けている。
幸いなことに、フィールズは最後に重要なプレーを生み出す機会をディフェンスから与えてもらうことができた。
フィールズは「ほっとした」と振り返っている。
「ハーフタイムを迎えて、良い調子だった。ディフェンスは素晴らしいプレーをしていたのに、オフェンスは思ったよりスロースタートだった。前半はそれでも特に問題なかったけど、後半からは問題になった。だから、とにかく決め切ろうっていうのが自分たちの目標だった。今シーズンはリードしていたのに勝ちきれなかったことがあまりにも多かった。だから繰り返しになるけど、どんなことがあっても最後まで戦い抜き、試合を終わらせたみんなを誇りに思う。最終的に俺たちは勝ったんだ」
NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区のライバルを相手に勝利をつかみとることができなかった1週間後、マット・エバーフラスHC(ヘッドコーチ)率いるベアーズはついに2021年以来となる、そしてエバーフラスHCが就任してからは初となる地区ライバル相手の勝利を手に入れた。
【RA】