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仲間にWRメットカーフとの競走を勧められるドルフィンズWRタイリーク・ヒル

2023年12月06日(水) 14:28

マイアミ・ドルフィンズのタイリーク・ヒル【AP Photo/Rebecca Blackwell】

強力な選手がそろうマイアミ・ドルフィンズで、ここ最近注目されている選手がいるようだ。

記録的なシーズンを送っているワイドレシーバー(WR)のタイリーク・ヒルは、『HBO』の『Hard Knocks: In Season with the Miami Dolphins(ハードノックス・イン・シーズン・ウィズ・マイアミ・ドルフィンズ)』第3話で話題の中心になっていた。

カメラがドルフィンズのワイドレシーバールームの内情に迫ると、興味深い議論が始まった。シーズン第13週で大活躍したシアトル・シーホークスのWR、D.K.メットカーフの名前が挙がり、WRルームは、NFL最速選手の一人とされるヒルに、シーホークスのスピードあるワイドアウトと競争することを熱望したのだ。

メットカーフは現地11月30日(木)夜のダラス・カウボーイズ戦で73ヤードのタッチダウンを記録し、時速22.2マイル(約35.7km)を記録した。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、これは2023年シーズンのどの選手よりも速い記録だ。

ドルフィンズのWRルームの面々はこのスタッツを気に入り、スーパースターに挑戦状を叩きつけた。チームのWRコーチであるウェス・ウェルカーは、ヒルにメットカーフと競争するべきだと発言している。

ウェルカーWRコーチは「この夏にレースを開催すればいいんだ」と話した。

ウェルカーWRコーチの発言を受け、あまり乗り気でないヒルは「俺は誰とも競争しない。そのために給料をもらっているんじゃないんだ」と答えた。

しかし、ウェルカーWRコーチはこの一件を放っておかず、ヒルにどうすればうまくいくかを話し続けた。

ウェルカーWRコーチは「いいか、プラットフォームとかを全部作れば、スポンサーもつくだろうし、100万ドルの契約とかもできるってことなんだ」と続けた。

ヒルは説得されたようにはまったく見えなかったが、練習のためフィールドに出たときにはもう少し考えていたようだ。

ヒルは他のレシーバーに対し「ルーキーイヤーは時速23マイル(約37.0km)を出した。でももう一回その記録を出すのは無理だろうね」と話していた。

ヒルは自身のスピードがメットカーフに遠く及ばず、かつてのような記録を出すことはできないと思っているが、実際には異なる。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ヒルは今シーズン時速22.0マイル(約35.4km)を記録し、リーグで2番目に速いボールキャリアであり、シーズン第13週にも今シーズンのリーグ5位となる時速21.68マイル(約34.9km)を記録している。それでも不十分というならば、ヒルは今シーズン時速20マイル(約32.2km)以上を16回記録しており、これは次点のボールキャリアより10回も多い。

近い将来、ヒルがフットボールフィールドの外で誰かと競争することはないかもしれないが、フィールドに出ているときは間違いなく見せ場を作り続けている。

『NFL Research(NFL リサーチ)』によると、日曜日に行われたワシントン・コマンダース戦で、ヒルはNFL史上4人目、スーパーボウルが始まってからは初めて、シーズン開幕から12試合で1,400ヤード以上、タッチダウン10回以上を達成した。また、ヒルはWR史上初のシーズン2,000ヤードを達成するペースも維持している。

総合的に見て、ヒルは誰とも競争をしたくないのかもしれないが、スタッツは嘘をつかない。彼はやはりチーターなのだ。

【AK】