タイタンズQBレビス、ミスを犯しながらも14点差を巻き返してドルフィンズに勝利
2023年12月13日(水) 12:33テネシー・タイタンズは第4クオーターに連続してターンオーバーを喫したことにより、同点だったところから一瞬にしてマイアミ・ドルフィンズに14点もの差をつけられた。
コーナーバック(CB)エリック・ギャローがパントを捕り損ね 、クオーターバック(QB)ウィル・レビスがランニングバック(RB)デリック・ヘンリーに向けて投げようとした際にひどい投球を見せたことで、タイタンズは強気なチームから絶望的なチームへと変貌を遂げた。その間にドルフィンズは試合終了まで5分を切ったところで14点もの差をつけている。
しかしその後、ありえないような逆転劇が始まった。
プレー9回、75ヤードの軽快なドライブを展開したレビスは、試合終了まで残り2分40秒の時点でワイドレシーバー(WR)ディアンドレ・ホプキンスにタッチダウンパスを通しており、タイタンズはわずか1分54秒で得点に成功。2ポイントコンバージョンを決めたことで点差は6点に縮まった。
ヘッドコーチ(HC)マイク・ブラベル率いるディフェンスは、素早く相手に3アンドアウトを強いて、残り2分14秒の時点でレビスにボールを戻した。それは強い腕を誇るルーキーがドルフィンズ守備陣を切り裂くのに十分すぎる時間だった。レビスがオープンになっていたホプキンスに36ヤード、タイトエンド(TE)チゴジエム・オコンクウォに16ヤードのパスを続けて通したことで、タイタンズは2ミニッツウオーニングのタイミングでエンドゾーン目前まで迫っていた。その2プレー後、ヘンリーがエンドゾーンに飛び込んで逆転に成功している。
『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、残り時間3分を切った時点で14点以上の差をつけられていたところから勝利を収めたのは、ニューオーリンズ・セインツが2017年シーズン第11週におけるワシントン・レッドスキンズ(当時)戦で達成(延長戦の末に34対31で勝利)して以来、初めてのことだったという。2017年シーズン第12週から今シーズン第14週にタイタンズが勝利するまで、残り時間3分未満で14点以上の差をつけられていたチームの戦績は0勝582敗だった。
チーム公式サイトによると、ブラベルHCは「ターンオーバーやミスなど、明らかに自分たちの損失になるようなことをたくさんしてしまった」と述べ、こう続けたという。「だが、終盤はよりポジティブなことができた。ディフェンスは何度か止めていたし、オフェンスがやり遂げる必要がある場面で、彼らも力を発揮してくれた」
「あんなにハードになることではなかったが、その一方でこのフットボールチームの個性を誇りに思っている。彼らを本当に誇りに思う」
紆余曲折、山あり谷ありのレビスの一夜は、ジェットコースターの設計者にしか楽しめないものだったと言えよう。最初のドライブで3アンドアウトとなったタイタンズは、2回目のドライブでドルフィンズのディフェンシブエンド(DE)ザック・シーラーにピックシックスを決められてどん底に突き落とされている。
その後、レビスは緩やかに上昇し、第4クオーターには同点に。ひどいピッチプレーはテネシーのチャンスを封じ込めるかと思われたが、レビスは落ち着いてポケットに立ち、必要なときにロングパスを通すなど、終盤2回のドライブで力強く走り抜けた。
レビスはパス38回中23回を成功させてキャリアハイとなる327ヤード、タッチダウン1回、インターセプト1回を記録。今シーズン、オフェンシブラインが苦戦を強いられてきたにもかかわらず、喫したサックはわずか1回だった。
レビスは「俺はただゲームプランに忠実だっただけ」とコメント。
「オープンな選手に投げて、無理に何かをする必要はないと信じていた。攻め込みながらも、オープンな選手に投げるという折衷案さ」
ランゲームに手こずった――ヘンリーはキャリー17回で34ヤード、タッチダウン2回を記録――レビスはホプキンスやRBタイジェイ・スピアーズと共にビッグプレーを決め、後半にオフェンスを勢いづかせると同時に、レッドゾーンでは的確なリードを見せた。ポケットを巧みに操り、ダウンフィールドを見続ける彼の能力は、若手クオーターバックとしては群を抜いていると言えよう。
どんな状況でも戦う姿勢を見せ続けているブラベルHCのチームが、また新たな勝利をつかんだ。大差をつけられた状態で残り3分を切った試合でさえも、彼らは諦めなかった。
ラインバッカー(LB)アーデン・キーは「試合後に感じた中で一番いい気分だ」と語り、「この感覚を得るために何が必要なのか、みんなが覚えていてくれることを願っている。俺たちが勝つとは誰も思っていなかった。マイアミ対(デンバー)ブロンコス戦みたいに、彼らが俺たち相手に70点を取るんじゃないかって誰もが思っていた。素晴らしい勝利だし、苦労の末に手に入れた勝利だ」と続けている。
【RA】