タイタンズ戦での劇的な敗北に“屈辱”を感じながらも、“活力”を見出すドルフィンズHCマクダニエル
2023年12月13日(水) 13:23テネシー・タイタンズの終盤の大逆転劇は、対戦相手の助けなしには起こらない。
マイアミ・ドルフィンズは現地11日(月)の夜、タイタンズに勝負を決めるあらゆるチャンスを与えた。クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロアのファンブルを含むレッドゾーンでのミスから、タイタンズ新人QBウィル・レビスにバラバラにされた守備陣、試合を決定づける最後のファーストダウン更新に失敗した攻撃陣と、28対27での敗北はチーム全体の失敗だった。
チームの公式記録によれば、ドルフィンズのヘッドコーチ(HC)であるマイク・マクダニエルは試合後に「われわれ全員に責任がある」と語ったという。
ドルフィンズは第4クオーターにタイタンズから2つのターンオーバーを獲得し、残り5分を切った時点で27対13とリードを奪ったが、その後すぐに2つのタッチダウンを献上し、攻撃陣も失敗を犯して敗戦のきっかけになってしまった。
マクダニエルHCは「負けるのは当然だったと思う。全員がこの敗北に関与していた。故意ではない。今週何かが起きたわけではない。この1週間の練習は本当に、本当に良かったと思う。しかし、短い時間で多くのヤードを与えてしまった。フィールドポジションが短くなり、攻撃陣が3アンドアウトになった。文字どおり、これ以外にこうなりようはなかった」と話した。
ドルフィンズの攻撃陣は、ワイドレシーバー(WR)のタイリーク・ヒルが足首のケガで欠場していた間、ほとんどの時間苦しんでいた。ヒルの復帰は攻撃陣全体を活性化させたが、タゴヴァイロアはリズムに乗れず、パス33回中23回成功、240ヤード、タッチダウン0回、インターセプト0回に終わり、2023年シーズンの試合で初めてタッチダウンパスがない試合になった。
タゴヴァイロアは記者陣に対し「チームのゲームプランとして考えていたのは、俺らのチームに殻をかぶせ、ボールを走らせ、それで相手を倒すことだったと思う。でもタイリークのような選手がケガでいなくなると、それは厳しいものになる。さらに鍵となるオフェンシブライン(OL)までいなくなると、前線の仲間だけでなく俺らの計画した作戦まで難しくなってしまうんだ」とコメントした。
ヒルが第1クオーターに退場し、第3クオーター途中まで復帰しなかったことで、その存在価値が際立った。
ヒルは自身のケガについて「すごく痛かったよ。最悪だった。実際にケガをしたとき、俺は今シーズンずっと足首のケガと戦ってきたから、最初の反応としては“嘘だろ、足首をやってしまった”という感じだった。アドレナリンが出て、フィールドを出てしばらく座っていたら、足首が硬くなってきて、本当に痛かったんだ。覚悟を決めてハーフタイムに入って、妻にメールしたんだ。“足首が痛い。今夜は足首のマッサージが必要なんだ”ってね。そしたら彼女は“さっさと試合に戻りなさいよ”って。俺は“わかったよ”って感じだった。だから、痛いのは覚悟の上だった。最悪だよ。今夜も明日の朝も。“リーク、行け”って誰に言われるでもなく、自分で試合に戻ったんだ。いや、これはダメだ、俺は試合に戻って、チームを盛り上げて、火花を散らさなければならないんだってね」と振り返った。
その火花も束の間、第4クオーター終盤に燃え尽きてしまった。
ドルフィンズはボルティモア・レイブンズを抜いてAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)1位の座を狙うチャンスを逃し、シーズン第18週にはバッファロー・ビルズに地区1位の座を奪われる可能性が出てきた。ドルフィンズは、ダラズ・カウボーイズ、レイブンズ、ビルズと対戦する前の日曜日にニューヨーク・ジェッツと対戦する。
マクダニエルHCにとって重要なのは、月曜日の負けを雪だるま式に大きくしないことだ。
マクダニエルHCは「チームとして、選手たちはこの機会に立ち上がってくれると思う。屈辱的な試合だったし、自分たちは素晴らしいフットボールチームだと思っていても、毎週毎週、フィールドでそれを証明しなければならない。当たり前なものなんてなにもないんだ。今はひどい気分だが、今回のような敗北は非常に活力を与えてくれるもので、われわれはすべてを前進させる必要がある。文字通りロッカールームやコーチングスタッフといったすべての人が必要であり、誰かが指をささない限り、多くの人がチームの内部を見ているような気はするが、チャンスはある。われわれが時間を費やすべきなのはそういうところだ」とコメントした。
【AK】