今季の活躍をチームメイトのおかげとするラムズQBスタッフォード、プレーオフ進出を目指す
2023年12月15日(金) 14:13クオーターバック(QB)マシュー・スタッフォードが人生最高のフットボールをプレーしていることはこの一年を通して多くのファンが知っていたものの、ロサンゼルス・ラムズが勝利を重ね始めるまで、人々はそれを認めなかった。
スタッフォードが率いるラムズは現在6勝7敗で、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)ワイルドカードの3枠のすぐ外に位置しながら、残り1カ月の戦いに臨む。2023年のスタート地点から考えると、これだけでも大きな成果であり、その多くはスタッフォードのパフォーマンスに関係している。
今シーズン、スタッフォードのパフォーマンスを助けた要素、または恩恵を受けた要素がいくつかある。低迷していたラムズのオフェンシブライン(OL)は、スティーブ・アヴィラとケビン・ドットソンの加入もあって大幅に改善されている。スタッフォードは2022年シーズン後半に首のケガから完全に回復することができた。ルーキーのワイドレシーバー(WR)プカ・ナクアは信じられないほど早いペースでプロの試合に適応。そして、オフェンスの魔術師とも呼ばれるヘッドコーチ(HC)ショーン・マクベイがこの集団のポテンシャルを最大限に引き出しているのは、主にスタッフォードを信頼して仕事を任せられることを知っているからだ。
いかにもこのクオーターバックらしいことに、スタッフォードはラムズの驚くべきシーズンはあくまでも自分の功績ではないとしている。
『Associated Press(AP通信)』によると、スタッフォードは現地13日(水)、記者団に対して、「俺がいいプレーができているということは、前にいるやつらがブロックできていて、アウトサイドのやつらがオープンになってキャッチできていて、効率よくボールを走らせているということなんだ」と語り、こうつけ加えたという。
「素晴らしいチームスポーツだ。そのすべてをやるには全員が必要なんだ。俺はただ、自分の周りですべてが上手くいっていき、自分の番が来た時に、できる限りのことをするよう努めているだけだ」
スタッフォードは今シーズンの大半で目覚ましい活躍を見せているが、ここ3週間はさらに好調だ。スタッフォードはここ3試合でいずれもタッチダウン3回以上を記録し、パス成功率63.1%、この期間ではタッチダウンとインターセプトの比率は10対1で、パサーレーティングは111に達している。ラムズはここ3試合で2勝しており、1試合あたりの得点数、1プレーあたりのヤード数、1試合あたりのトータルヤード数、1試合あたりのランヤード、ターンオーバーされた数の少なさ、すべてでトップ3にランクインしている。
この生産性の向上は、ランニングバック(RB)カイレン・ウィリアムズが復帰してからのことで、ウィリアムズは1試合平均110スクリメージヤードをマークし、ラムズのオフェンスでロサンゼルス版のクリスチャン・マカフリー(サンフランシスコ・49ers)を演じている。一方、ナクアは先週末に1,100レシーブヤードを突破し、第56回スーパーボウルMVPのクーパー・カップの完璧な補完役として、セカンダリーを攻撃する多様なオプションをオフェンスに提供している。
これらはすべて素晴らしいことだが、そのどれもが、このオフェンスを前進させるために長年の経験を頼りにしてきた、強靭な腕を持ち、正確なクオーターバックであるスタッフォードなしには起こらない。マクベイHCはスタッフォードがオフェンスを展開することで、あらゆるオプションを自由に使うことができ、特に最近の結果は非の打ち所がない。
マクベイHCは水曜日に記者団に対して「マシューらしいプレーをしている」とコメントし、次のように続けている。
「彼は素晴らしい選手だし、調子がいいのが分かる。ボールをうまく分散させている。彼の周囲で彼のために皆が一生懸命闘っている。彼は自分が見ているものを完全にコントロールしている。(ここ2試合の対戦相手は)間違いなく上位2チームのディフェンスだった」
「(シーズン第11週の)シアトル・シーホークス戦の第4クオーターと、その後のアリゾナ(・カーディナルズ)、クリーブランド(・ブラウンズ)、ボルティモア(・レイブンズ)との12クオーターを見ると、彼の調子がとてもいいことが分かると思う」
スタッフォードはシーズン第14週で、現在のAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)トップシードであるレイブンズとオーバータイムまでもつれこむ、大接戦を繰り広げた。スタッフォードは今週末、それほど頑強ではないワシントン・コマンダースのディフェンスとアウェーで対戦し、ラムズが成功裏にシーズンを終えるには残りすべての試合で勝利する必要がある。
ここ1カ月のスタッフォードとラムズの戦いぶりを見る限り、彼らがシーズン第15週で仕事を成し遂げると信じるのは妥当だろう。
「オレは常に向上心を持ち、週ごとに良くなろうと努力しているよ」と言うスタッフォードは、こうつけ加えた。
「それぞれの試合はユニークだし、自分に求められることも違う。いつも高いレベルでプレーすることがその週のオレの仕事だけど、時には違うこともある。みんなを誇りに思う」
【KO】