ニュース

ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞候補のコルツLBフランクリン、若い女性の支援に尽力

2023年12月15日(金) 14:36


2018年のNFLドラフトでインディアナポリス・コルツに7巡目で指名されて以来、ザイール・フランクリンは地域社会への貢献を模索し続けている。

故郷フィラデルフィアの若い女性を支援するための財団『Shelice’s Angels(シェリスズ・エンジェル)』を立ち上げて4年目の今、ラインバッカー(LB)フランクリンはコルツの2023年ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞候補に選ばれた。フランクリンは、現地2024年2月8日(木)、第58回スーパーボウルの数日前に開催される『NFL Honors(NFLオナーズ)』で発表される、NFLで最も名誉ある賞を争う32人の選手の1人だ。

フランクリンは先週のインタビューで「コミュニティで多くのことを行ってきて、賞のためにやるわけではないとみんな言うけれど、それは本当だ」と語り、こう続けている。

「本当に地域の子供たちや人々を助けたい。それを評価されるのは素晴らしいことだ。(コルツの年間最優秀人物賞候補になることで)自分の組織にもたらす影響や、俺たちが受けることになるインパクトは、本当に大きい」

『Shelice’s Angels』はフランクリンの亡き母にちなんで命名されており、母と祖母、つまりフランクリンを育ててくれた2人の強い女性に敬意を表して設立された。この組織は、若い女性たちの自尊心を育み、やがては専門職に就職するための機会とリソースを提供している。

フランクリンはNFLの『Inspire Change(インスパイア・チェンジ)』特集で「プロアスリートとして、フットボールキャンプを主催することは簡単なことだと思うし、スポーツチームに入って、彼らのモチベーションを高めて鼓舞することも簡単なことだ。なぜなら、オレたちの存在自体が選手たちにインスピレーションを与えることができるからだ」とコメントし、こうつけ加えた。

「時に若い女性は、最も見過ごされている存在だ」

この財団の“至宝”ともいうべきイベントは、毎年2日間にわたって開催されるビジネス・アカデミーで、地域社会からのゲストスピーカーを招き、フィラデルフィアの2つの学校から集まった約30人の若い女性にビジネス経営についてシミュレーションを教える。また同財団は、金融リテラシーセミナーを開催したり、生徒たちがクラス旅行で『Meta(メタ)』、『Google(グーグル)』、『HB Sports & Entertainment(HBスポーツ&エンターテインメント)』、『Philadelphia 76ers(フィラデルフィア・76ers)』といった企業の本社を訪れる機会を設けたりしている。

フランクリンにとって最もやりがいのあることは何か。それは若い女性たちがプログラムで開花するのを見ることだ。特にマホガニーとダニカという2人の少女は、創設以来この組織の一員だ。

「彼女たちが中学生だった頃に出会ったのを覚えている」とコメントしたフランクリンは、「彼女たちは自信に満ち溢れ、生き生きとしていて、このプログラムがどれほど彼女たちを鼓舞し、助けたか話すのを聞くと、胸がいっぱいになる」と続けている。

2023年のウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞の全候補者は、自分の名前で最高55,000ドル(約781万円)の寄付金を自分が選んだ慈善事業に贈ることができる。受賞者は、NFL基金と『Nationwide(ネーションワイド)』の提供により、受賞者が選んだ慈善事業への寄付金として最高25万ドル(約3,552万円)を受け取る。

フランクリンのノミネートは、彼自身がNFLで最も生産性の高いラインバッカーの1人として頭角を現してきた時期と重なる。プロ入り後3シーズンを主にスペシャルチームで過ごしたフランクリンは、2021年には11試合に先発出場し、2022年にフルタイムの先発選手としてキャリア最多のタックル167回(NFL4位)、サック3回、フォースファンブル2回をマークした。今季はリーグ最多のタックル144回、ファンブルフォース2回、サック1.5回を記録している。

フランクリンはコルツのディフェンス陣の好転に大きく貢献しており、プレーオフ争いへの復帰に一役買っている。10月の3連敗中、コルツは1試合あたり38点を許した。しかし、続くシーズン第9週から第13週までの4連勝では、コルツは1試合あたりわずか16.8点しか許していない。これは切望されていた改善であり、フランクリンはユニット内の信頼が大きいと考えている。

「ホームでのニューオーリンズ・セインツ戦で少し底を打った。彼らは好きなようにボールを走らせ、投げていた」と振り返るフランクリンは、こうつけ加えた。

「シーズン第8週の終わりには、失点がリーグで32位だった。オレたちは何が何でも一番下手だと思われるようなことはあり得ないと心に決めたんだ」

「自分自身、ケニー・ムーア、デフォレスト・バックナー、ディフェンスの各ポジションでキャプテンを務める3人のためにも、オレたちはプレーを決めて、責任を持って、仲間を押し上げることにしたんだ。競争が大好きな若くて素晴らしいグループがいる。毎週、誰かが現れてプレーを決め、背中を押されるのだと思う」

コルツがポストシーズンに進出するかどうかにかかわらず、フランクリンは2月に『Shelice’s Angels』のためにさらなる勝利を望んでいることだろう。

【KO】