シーズン第14週の成功を受けてさらなる飛躍を目指すジェッツQBウィルソン
2023年12月15日(金) 14:52クオーターバック(QB)ザック・ウィルソンの2023年シーズンは、ハリウッド映画の脚本にはならない程度のものだ。しかし、(キャリア最高でなくても)今年最高のパフォーマンスを見せたことで、ウィルソンはちょっとした高揚感を味わっている。
第15週にウィルソンが苦戦すれば、状況は再び元の状態に戻るかもしれない。一度はティム・ボイルに、その後はトレバー・シーミアンにクオーターバックのポジションを与えた後、ニューヨーク・ジェッツはウィルソンに戻ってきた。しかし、本人は最悪のシナリオを心配しているわけではない。ウィルソンは驚くほど効率的なパフォーマンスを土台に、それがまぐれでなかったことを証明することを目指している。
『Associated Press(AP通信)』によると、ウィルソンは現地13日(水)に「オフェンスとして何ができるかを示したと思う」と述べ、こうつけ加えたという。
「ハードルを上げてしまったからには、もう一度できることを示さなければならない。一度成功したのだから、もう一回できることを見せなければならない」
このような議論ができること自体、快挙だ。アーロン・ロジャースがアキレス腱断裂でわずか4プレーでシーズンを終えた後、ウィルソンはジェッツを率いるという厄介な仕事を任された。交代を求める声を何週間も無視してきたヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは、ウィルソンを不本意ながらベンチ降格させたものの、後任が誰も良い結果を出せなかったため、シーズン第14週にはウィルソンに再びチャンスを与えている。
休止期間は短かったものの、ウィルソンはそこでリセットすることができた。ウィルソンは心配のない状態でクオーターバックとして戻り、雨のメットライフ・スタジアムで行われたヒューストン・テキサンズ戦では、パス36回中27回成功、301ヤード、タッチダウン2回をマークし、逆転勝利を収めた。
サラーHCは「どんなに自信があっても、確信によって自信が増すことはない」と語り、次のように続けている。
「彼のことを代弁するつもりはないけれど、彼が見せたゲームは、自分でも気づいていなかったような新たなレベルの自信が生まれ、自分には能力があるということがわかったのだろう」
「彼は多くの初めてのことを成し遂げた。雨の中で優れたパフォーマンスを見せ、300ヤード以上を投げ、タッチダウン2回を挙げ、インターセプトなしで、自分のペースでプレーしていた。自分の力で多くのプレーを行い、周りのみんなをより良くした」
このパフォーマンスにより、ウィルソンはAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)週間最優秀攻撃選手賞を受賞した。これは1カ月前には誰も予想していなかったことだ。この成功は今シーズンには遅すぎたかもしれないものの、これほど明るいスポットライトを浴びながら多くの苦難に耐えてきたウィルソンにとって、たとえ1週間だけでも、この好転はジェッツが切実に必要としていた、気分のいいストーリーとなった。
将来が不透明な中、ウィルソンはキャリアで初めてちょっとした勢いに乗って今週末のフィールドに立つだろう。
「このオフェンスのおかげだと思う」とコメントするウィルソンはこうつけ加えている。
「それを乗り越えてきたのは確かだし、あの試合では勢いというものが俺たちにとって重要だったし、みんなが立ち直ったのが本当に素晴らしいと思った。だから、それは俺たち全員が共有できるものだと思う」
「オフェンスとしての流れができて、得点も取れて、毎週期待されていたことができたのは気持ちよかった」
テネシー・タイタンズ戦での衝撃的な逆転負けから立ち直ろうとしているドルフィンズ相手に、ウィルソンがその成功を再現できるかどうか注目だ。
【KO】