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レイダース戦の大敗を受け、チャージャーズがステイリーHCとテレスコGMを解雇

2023年12月16日(土) 10:55

ロサンゼルス・チャージャーズのヘッドコーチ(HC)ブランドン・ステイリー【Aaron M. Sprecher via AP】

ロサンゼルス・チャージャーズは現地14日(木)に行われたシーズン第15週ラスベガス・レイダース戦で63対21と大敗したことを受け、ヘッドコーチ(HC)ブランドン・ステイリーとジェネラルマネジャー(GM)トム・テレスコを解雇した。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが情報筋の話として金曜日に第一報を伝えた。その後、チームがこの動きを公表した。

チャージャーズのオーナーであるディーン・スパノスは「トムとブランドンの努力、献身とプロ意識に感謝したい。彼らと彼らの素晴らしい家族の幸せを祈りたい」と述べ、次のように続けている。

「このような決断は決して簡単なものではなく、軽々しくするものでもない。多くの人々に影響を与えることを考えればなおさらだ。しかし、私たちが期待していたところにいないのは明らかであり、新たなビジョンが必要だ。継続の名の下で何もしないことは、私が取るべきリスクではなかった。私たちのファンは、多くの浮き沈みや接戦を乗り越えて強く立ってきた。彼らはもっと報われるべきだ。率直に言って、彼らはそれを得るに値する。チャンピオンシップ水準のプログラムを構築し、維持することが私たちの究極の目標であることに変わりはない。その目標を達成する方法を再考することが今日から始まる」

チャージャーズは残る2023年シーズンの暫定HCとしてギフ・スミス、暫定GMにジョジョ・ウッデンを任命。チャージャーズのアウトサイドラインバッカー(OLB)コーチであるスミスは2016年からチームに在任しており、ウッデンは2013年に選手人事部長としてチャージャーズに加わっていた。

チャージャーズの守備ランゲームコーディネーター兼ディフェンシブライン(DL)コーチのジェイ・ロジャースも金曜日に解任されたとチームが発表している。

チャージャーズがシーズン中にヘッドコーチを解任するのは1998年にケビン・ギルブライドHCが解任されて以来となる。

タレント揃いのチャージャーズは、ここ6試合のうち5試合を落として5勝9敗となり、ステイリーの在任中初の負け越しシーズンを確定させた。ステイリーは2シーズンの勝ち越しと、最終的には歴史的大失敗に終わったもののプレーオフには一度の進出を経験しており、戦績を24勝24敗としてチャージャーズを離れる。レイダース戦の大敗はチャージャーズがハーフタイム時点でフランチャイズ史上最悪の42点差をつけられたもので、これが今回の災難だった。

チャージャーズの不振は攻守両面に影響を及ぼしている。フランチャイズクオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートはシーズン第14週の試合で投球側の人差し指を骨折してシーズン終了となるまで、1試合あたりのチーム得点(21.7点)、成績(5勝8敗)、パス成功率(65.1%)、1試合あたりのパスヤード(241.1ヤード)でキャリアワーストを記録した。

ディフェンス面では、チャージャーズはシーズン第15週の試合に入るまでの時点で被獲得ヤードで29位、被得点で27位に位置しており、ステイリー在籍の前2シーズンもトータルディフェンスと被得点でNFL下位半分に終わっている。2020年にショーン・マクベイが指揮官を務めるロサンゼルス・ラムズで守備コーディネーター(DC)を務めていたステイリーは、2021年シーズンを前にラムズからチャージャーズのヘッドコーチに抜擢。チャージャーズ在任中はディフェンスのプレーコールを継続していた。

ステイリーが解任されたのはポストシーズンでの崩壊が波乱の2022年を締めくくったほぼ1年後のことだ。6勝6敗からスタートして10勝7敗まで持ち直し、ワイルドカードでプレーオフ進出を決めたチャージャーズは、ワイルドカードラウンドの試合でジャクソンビル・ジャガーズ相手に前半に27対0のリードを築いたにもかかわらず、フランチャイズ史上最大の追撃を食らい、ジャガーズが31対30でNFLポストシーズン史上3番目に大きな逆転勝利を収めた。

2022年シーズンを前に、チャージャーズはコーナーバック(CB)J.C.ジャクソンと5年総額8,250万ドル(約117億2,531万円)の契約を結んだ。ジャクソンはチームで7試合に出場した後、ケガの問題とステイリー率いるディフェンスと明らかに噛み合わなかったため、ニューイングランド・ペイトリオッツにトレードされている。また、チャージャーズはOLBカリル・マックをトレードで獲得し、マックは今季リーグ最多のサック15回とフォースドファンブル5回を記録しているものの、チームの不振の中でその活躍が埋もれている。

『Spotrac』によると、チャージャーズのロースターに登録されている守備選手は2023年のサラリーキャップに対して9,810万ドル(約139億4,246万円)を占めており、これはNFLで3番目に多いという。それにもかかわらず、チームのディフェンスパフォーマンスは低迷している。

チャージャーズのロースターの立役者であるテレスコは在籍11シーズン目にして解任された。2013年に雇われたテレスコは2003年から長年GMを務めていたA.J.スミスの後を引き継いでいた。ステイリーはテレスコが在任中に雇った3人目のヘッドコーチだった。

テレスコがGM在任中にチャージャーズはワイドレシーバー(WR)キーナン・アレン、LBジョーイ・ボサ、セーフティ(S)ダーウィン・ジェームズ、QBハーバートといった有名選手を含む計8人のプロボウラーをドラフトで指名している。チャージャーズはテレスコがGM在任中にレギュラーシーズンで84勝92敗、プレーオフに3回出場して2勝3敗という成績を残した。

テレスコとステイリーを解雇したチャージャーズには多くの仕事が待っている。『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、2024年のキャップヒット1,000万ドル(約14億2,125万円)以上の選手は8人で、そのうち4人は3,200万ドル(約45億4,800万円)以上となっているという。

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