ビルズQBアレンは“強化された”ジョン・エルウェイのようなものとドルフィンズDCファンジオ
2024年01月05日(金) 11:52マイアミ・ドルフィンズの守備コーディネーター(DC)ビック・ファンジオは先週、クオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンに匹敵する選手はマイケル・ビックだけだと詩的に語っていた。そして現地12月31日(日)、ジャクソンと彼が率いるボルティモア・レイブンズは、ドルフィンズに56対19で勝利し、MVP候補のジャクソンは5回ものタッチダウンを決めている。
今回、ファンジオは次の試合で対戦する相手クオーターバックについて、殿堂入りを果たし、かつて共に働いたこともある人物と比較して語った。
日曜夜のドルフィンズ対ビルズ戦は大一番となる。そして、ビルズにはジョシュ・アレンという真に特別な選手がいると、ファンジオは確信しているようだ。
「彼はステロイドで強化された新しいジョン・エルウェイのようなものだ」と述べたファンジオは、一息おいて「彼がステロイドを服用しているという意味ではないよ」とつけ加えた。
もしそうなら、アレンはドルフィンズ守備陣をどのように攻撃するのだろうか。ドルフィンズはディフェンスの主要カテゴリーの多くで今も上位に位置しているが、レイブンズ戦では大きな挫折を味わった。チームにとって今季最悪のディフェンス成績だったことに加え、ドルフィンズはサック11回とフォースドファンブル6回を記録してきたアウトサイドラインバッカー(OLB)ブラッドリー・チャッブをACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)の断裂で失っている。
アレンはバッファローで行われたシーズン第4週の対戦でもドルフィンズ守備陣を苦しめ、パス25回中21回を成功させて320ヤード、タッチダウンパス4回、タッチダウンラン1回を記録してチームを48対20の勝利に導いた。キャリア最多16回のインターセプトを喫するなど、全体的に浮き沈みの激しいシーズンを送っているアレンは、過去4試合ではベストな状態でボールを投げられていない。
とはいえ、アレンは過去5試合で決めた8回のタッチダウンランを含め、キャリア最多のタッチダウンラン数(15回)をマークしている。また、パスとラッシングを合わせたタッチダウン数(42回)ではNFLをけん引している状態だ。
このデュアルスレット能力の高さから、ファンジオはアレンと、自分がよく知る元デンバー・ブロンコスのレジェンドとの間に多くの共通点があると信じている。守備コーチとしてエルウェイと対戦したことがあったファンジオは、2019年にエルウェイからブロンコスのヘッドコーチ(HC)として採用された。彼らは共に過ごした3シーズンで19勝30敗という成績を残している。
「(アレンとエルウェイは)よく似ている」と言うファンジオはこう続けた。
「体型も違うし、ランニングスタイルも違う。だが、彼らは確実に同じ問題を引き起こしている。アレンはまさに野獣のようにフィジカルな選手だ。80年代半ばから90年代半ばのジョン・エルウェイのようにね」
「(アレンは)より大きく、より速く、大砲のような腕を持ち、タフだ。彼はそういう男だ」
日曜夜に実施される試合はドルフィンズにとってもビルズにとっても重要なものとなる。ドルフィンズはプレーオフ進出を決めているものの、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)東地区の優勝チームはまだ決まっていない。ビルズはポストシーズン進出を逃す可能性がまだある一方で、勝った上で他の要素も味方すれば地区優勝を果たせる可能性もある。アレンはこれまでに臨んだドルフィンズ戦で10勝2敗を収めており、最後に敗れたのは2022年シーズン第3週だ。
アレンはファンジオが率いるチームとの試合でも3勝0敗を収めている。ビルズが当時シカゴ・ベアーズの守備コーディネーターだったファンジオと対戦した2018年は、負傷して出場していないものの、アレンは今季までにファンジオと2度対戦しており、どちらも勝利を収めた。アレンは2019年と2020年の2回、ファンジオ率いるブロンコスを破り、それらの試合では544パスヤード、タッチダウンパス4回、89ランヤード、タッチダウンラン2回をマークしている。
ファンジオのアレンに対する評価が正しければ、日曜夜にアレンを止めるには殿堂入り級のゲームプランが必要になるかもしれない。
【RA】