QBウィルソンのニューヨークでの将来について明言を避けるジェッツHCサラー、「いずれ分かること」
2024年01月05日(金) 12:03クオーターバック(QB)ザック・ウィルソンの波乱に満ちた、そして最終的には失望に終わったニューヨーク・ジェッツでの在籍期間も、もうすぐ終わりを迎えるかもしれない。
むしろ、ウィルソンがジェッツの選手としてプレーする最後の試合はすでに終わっている可能性がある。ウィルソンは脳しんとうプロトコルにとどまったままで、ジェッツにとってレギュラーシーズン最終戦となる現地7日(日)のニューイングランド・ペイトリオッツ戦を欠場することが決まっており、ひっそりと2023年シーズンの幕引きを迎える。
ヘッドコーチ(HC)ロバート・サラーは水曜日に元全体2位指名のウィルソンについて質問された際、ニューヨークでのウィルソンの将来について明言を避けた。
「いずれ分かることだ」とサラーHCは『ESPN』に話している。
「シーズンが終わり次第話すことになるだろうが、ここであろうと他の場所であろうと、彼は素晴らしいキャリアを送ることになると思う」
ドラフト前の全てのプロセスで高評価を得ていたウィルソンは、2021年のドラフトでジャクソンビル・ジャガーズがQBトレバー・ローレンスを指名した直後にジェッツから指名され、チームの将来の顔としてニューヨークにやって来た。しかし、ウィルソンは大学フットボールとプロフットボールのギャップの大きさをすぐに思い知ることになり、2シーズンを通して大苦戦し、2年目は何度もベンチに下げられている。
2023年に向けてクオーターバックが最も必要だと判断したジェッツは、アーロン・ロジャースの獲得を積極的に推し進め、司令塔の問題を解決したかに見えた。ところが、ロジャースのジェッツとの最初のシーズンはアキレス腱の断裂によって4プレーで終了。チームは、控え選手としてロジャースから学ぶことを期待していたウィルソンを再び起用せざるを得なくなった。
その結果は芳しくなかった。ウィルソンは先発として4勝7敗の成績を残し、シーズン第14週にはヒューストン・テキサンズを30対6で下してAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)週間最優秀攻撃選手賞に輝くなど、ポテンシャルを見せる場面も見られたが、2024年の先発候補として通用するほど成長していないのは明らかだった。
サラーHCは水曜日に「われわれは彼が1年間、アーロンがフットボールをプレーするのを 見て、スキームに伴うさまざまなことを学び、成長することを望んでいた」と述べている。
「たった4プレーであんなことになってしまったのは残念だが、彼は1年前と比べてものすごく進歩したと思う。本当にそう思っている。ただ、不幸な出来事の連続だった」
不本意な結果はウィルソンだけの責任ではない。2023年のジェッツのオフェンシブラインはケガの影響もあって著しく振るわなかった 。堅固なディフェンスを擁しながら、ジェッツに期待された好転は実現しなかった。そして、ウィルソンはそのためにチームを去ることになるかもしれない。
ジェッツは、2022年にQBベイカー・メイフィールドがクリーブランド・ブラウンズから退団した時と同じように、ドラフト後半の指名権と引き換えにブリガムヤング大学出身のウィルソンを引き取ってくれるチームとのトレードを試みるかもしれない。このシナリオが実現すれば、ウィルソンはサラーHCの見込みが正しかったことを証明する機会を得ると同時に、ニューヨークでの注目や喧騒から離れて再出発を果たすことができるかもしれない。
メイフィールドはこの道をたどったことでタンパベイ・バッカニアーズに新天地を見いだし、日曜日にはチームを率いてプレーオフ出場を果たすチャンスを迎えるという復活劇を満喫している。サラーHCとチームメイトのQBトレバー・シーミアンが見せている自信から判断すると、ウィルソンも同じような経験ができるかもしれない。
「彼は長く活躍するために必要なすべての要素とそれ以上のものを兼ね備えている。多くの選手が持っていない特別なものを彼は持っている」とシーミアンは話している。
現時点で確実なことは何もない。ジェッツがトレード相手を見つけられず、2024年にウィルソンを残留させる可能性もある。しかし、今のところ両者は別々の道に向かっているように思われ、それが最善の策かもしれない。
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