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極寒の中、ドルフィンズを封じた「ディフェンスを信頼する」チーフスDTジョーンズ

2024年01月15日(月) 15:22


カンザスシティ・チーフスのクリス・ジョーンズ【AP Photo/Reed Hoffmann】

現地13日(土)、カンザスシティ・チーフスは本領を発揮した。

厳寒の夜、チーフスの最も強力なユニットであるディフェンスは、マイアミ・ドルフィンズのエネルギッシュなオフェンスを無効化して264ヤードと1得点に抑え、26対7で勝利して、6年連続でAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンドに進出している。

ディフェンシブタックル(DT)クリス・ジョーンズはリーグ屈指のオフェンスを誇るドルフィンズをチーフスがどうやって抑えたかについて『NFL Network(NFLネットワーク)』のジェームス・パーマーに語った。

「フィジカルだと思う。俺たちは一丸となってプレーしていたし、みんな全力を出していた。本当に全力だ。タフな戦いになることは分かっていた。相手オフェンスがいかに高火力を出せるかわかっていたから、俺たちは規律あるフィジカルなフットボールをプレーしたんだ」

キックオフ時の気温は華氏マイナス4度(摂氏約マイナス20度)で、体感温度は華氏マイナス27度(摂氏約マイナス33度)となり、NFL史上4番目に寒い試合で、アローヘッド・スタジアムでは史上最も寒い試合だった。

スピードが落ちたマイアミはその環境で元気を失ったように見えたが、得点とヤードで2位を誇るチーフスディフェンスは健闘し、クオーターバック(QB)トゥア・タゴヴァイロア率いるオフェンスを押さえ込み、何度も無力化している。

ドルフィンズの唯一の突破口は、ワイドレシーバー(WR)タイリーク・ヒルへの53ヤードのパスだった。ヒルはタゴヴァイロアがミッドフィールドから投げたボールを16ヤードラインでキャッチし、元チームメイトのディフェンス2人の間を縫ってエンドゾーンに走り込んだ。

ヒルはレシーブ5回、62ヤードを稼いでドルフィンズのレシーバー陣のトップに立った。ただしこのプレー以外では、4回のレシーブで9ヤードしか稼げていない。

チーフスはタゴヴァイロアの失速したパスパフォーマンスをランゲームで補うことも許さなかった。チーフスディフェンスは今季リーグ最多のタッチダウン記録を持つランニングバック(RB)ラヒーム・モスタートに33ヤードしか与えず、もうひとりのRBデボン・エイチェーンを6回のキャリーで1回あたり1.5ヤードに抑え込んでいる。

ドルフィンズのスター選手を押さえ込むことで、チーフスはドルフィンズの11回中9回のドライブを29ヤード以下で止めた上に、第3ダウンでも相手を苦しめ、12回のトライでわずか1回のコンバージョンしか許していない。

ヒルに奪われた唯一のタッチダウンの後(マイアミの前半終了までの18秒間のポゼッションを除く)、チーフスはドルフィンズの次の6回の攻撃のうち3回は1桁ヤードゲインかマイナスヤードに押さえてパントに追い込み、残る3回では第4ダウンギャンブルをすべて止めている。

これにより、ディフェンスはチーフスのQBパトリック・マホームズに段階的に圧倒的なリードを築く機会を与えた。第2クオーターの最初のドライブから第4クオーターの最初のドライブまで、オフェンスは6回のボールコントロールでフィールドゴール4回とタッチダウン1回を決めている。

それは十分以上のもので、ディフェンスの堅牢さと連動してオフェンスがボールを動かすことができた結果、数カ月ぶりのチーフスの最高の総合パフォーマンスとなった。

マホームズは試合後の記者会見で「トレーニングキャンプでも話したと思う」と語り、こう続けている。

「俺は“本当にうちのディフェンスと対戦したくない”と思った。素晴らしい選手たちがいるんだ。素晴らしい選手ばかりだ。あらゆるレベルで選手がいて、層が厚い。選手たちはローテーションで入れ替わる。すべてをこなせる。そしてスパグス(スティーブ・スパグニョーロ/守備コーディネーター)とこのスキームがある。みんなよく指導されていてスキームを熟知しているから、それをうまく使いこなし、相手は彼らがどう動いてくるかわからない… 彼らが何をしているのか掴むのが難しい」

ディフェンスの全レベルにわたる才能は、8月にマホームズが感じたのと同様、土曜日にも誰の目にも明らかだった。

セーフティ(S)マイク・エドワーズはインターセプトを決めてセカンダリーを引っ張り、コーナーバック(CB)ラジャリウス・スニードとトレント・マクダフィーはヒルを封じ込めている。ラインバッカー(LB)ニック・ボルトンは凍った芝生を難なく操り、タックル10回でチームをリード。ラインでは、ディフェンシブエンド(DE)ジョージ・カーラフティスがサック1.5回をあげており、半分のものはジョーンズと共同の記録だった。

数多くの印象的なパフォーマンスがあったシーズンの中で、チーフスのディフェンス陣は最新のパフォーマンスを見せた。ディビジョナルラウンドでは勢いのあるヒューストン・テキサンズをホストするか、アウェーでバッファロー・ビルズと対戦するかのどちらかになる。

対戦相手がどこであろうと、過去にオフェンスが率いたように、今度はディフェンスがチーフスを率いてポストシーズンを戦い抜くことができるのか、という質問に対し、ジョーンズは自信満々だった。

「もちろんだ。ディフェンスを信頼しているよ。スパグニョーロも信頼している」とジョーンズはコメントしている。

【KO】