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アレンHCを続投させる決断について語るセインツGMルーミス

2024年01月18日(木) 10:06

ニューオーリンズ・セインツのヘッドコーチ(HC)デニス・アレン【AP Photo/Tyler Kaufman】

ニューオーリンズ・セインツはまたしても実りのないシーズンを過ごしたにもかかわらず、2024年に耐えることを選び、ヘッドコーチ(HC)デニス・アレンを続投させるという決断を下した。

アレンHCの就任2年目のシーズンに、セインツは9勝8敗でプレーオフ進出を逃している。アレンHCの就任初年度にセインツは7勝10敗という戦績だった。

ジェネラルマネジャー(GM)ミッキー・ルーミスはアレンHCと共に歩んでいくというチームの決断について説明する際に、伝説的なコーチたちのキャリア序盤の記録を引き合いに出している。

現地17日(水)、ルーミスGMは報道陣に次のように述べた。

「ビル・ベリチックの最初の3シーズンの成績は6勝10敗、7勝9敗、7勝9敗だ。トム・ランドリーは0勝11敗、4勝9敗、5勝8敗、4勝10敗、5勝8敗。どちらも殿堂入り級のコーチだ。ビル・ウォルシュは2勝14敗、2年目は6勝10敗だ」

「だから、結果だけを見て“ああ、ダメだ、変えないといけない”と言うのは簡単なことだと思う。その先を見る必要がある。13勝4敗ではなく9勝8敗だった理由は何なのか。その理由は集団的なものだ。選手であり、コーチであり、私だ。人事スタッフであり、ロースターであり、時にはコントロールできない変数もある。だから、私の評価は、デニス・アレンはいいコーチだということだ。繰り返しになるが、ショーン・ペイトンの時も1年目は10勝6敗だったが、そのあと7勝9敗、8勝8敗となり、当時も同じような批判を耳にした。だが、そのとき私は自分たちがいいフットボールコーチを抱えていると分かっていた。じっと耐えて他の欠点を認識し、それを修正することは、時として難しいことだと思う。私たちはそれをしている」

ルーミスGMが自分の主張を行うために、ベリチックのクリーブランド・ブラウンズ在籍期間や、ランドリーおよびウォルシュのキャリア開始時期(それぞれダラス・カウボーイズとサンフランシスコ・49ers)を引き合いに出すならば、アレンHCのオークランド・レイダースでの在籍期間――4勝12敗、4勝12敗、0勝4敗――を含めるべきだと指摘するのは妥当だと言えよう。アレンHCは2022年にペイトンの後任としてヘッドコーチに昇格したときに初めてその職に就いたわけではない。

昨季と同様に、2023年シーズンのセインツは攻守両面で一貫性がなく、アレンHCも采配ミスを連発していた。シーズン第18週に勝利したアトランタ・ファルコンズ戦の試合終了間際に、クオーターバック(QB)ジェイミス・ウィンストンが膝をつく指示を無視してランニングバック(RB)ジャマール・ウィリアムスがタッチダウンを決めたことで起こったシーズン終盤の騒動は、コーチ陣と選手の断絶を浮き彫りにしていたと言えよう。

今シーズンと同様に、セインツのロースターには2024年シーズンにNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区で注目を集められるほど才能のある選手がそろっている。長年攻撃コーディネーター(OC)を務めていたピート・カーマイケルと離別したことで、アレンHCはこのオフシーズンに攻撃陣を再構築できるはずだ。

2024年はアレンHCとセインツにとって重要な1年になる。来季もまた振るわなければ、ルーミスGMが殿堂入りしたコーチたちとアレンHCを比較することはなくなるだろう。

【RA】