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ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞候補を喜ぶカウボーイズDEローレンス

2024年01月18日(木) 12:56

ダラス・カウボーイズのデマーカス・ローレンス【James D. Smith via AP】

ダラス・カウボーイズのディフェンシブ・エンド(DE)デマーカス・ローレンスはこれまで10シーズンにわたり、2本のスクリメージラインの間で力を発揮してきた。その一方で、ローレンスはグラウンドを離れた場所でも同じようにインパクトのある活動をしてきたことで、カウボーイズの2023年ウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞候補に選ばれている。

ローレンスは今月初めの『NFL.com』のインタビューで次のように述べた。

「本当に幸せなことだ。俺は信仰と家族とフットボールを中心に生きている。信じることと、信仰の情熱として他者に奉仕すること。すべてが完全な円となってつながっていると思う。神はこのノミネートとウォルター・ペイトンNFL年間最優秀人物賞を受賞する機会を祝福してくださった。本当に幸せなことだ」

リーグ最高の栄誉の受賞者――ローレンスか、リーグ全体でノミネートされた他の31人の選手のうちの1人――は、第58回スーパーボウルに先立って、ラスベガスで現地2024年2月8日(木)に開催される『NFL Honors(NFLオナーズ)』で発表される。

ローレンスは2014年のNFLドラフト2巡目で指名されて以来、プロキャリアのすべてをダラスで過ごしてきた。そのため、地域社会に深い慈善活動の根を下ろす時間があったのだ。

プロボウルに3度選出されたことがあるローレンスは、3年目のシーズンには自分の財団を立ち上げることを真剣に検討するほどの地位を確立していたが、すでに地元で人々の人生を変えるような数多くの団体が活動していることを考慮し、最終的には自分の財団を設立するよりも、こうした団体の活動範囲を広げることを選んでいる。

「3年目に考え始めたことの1つは、財団を立ち上げたいということだった。でも、妻と一緒に座って話していたんだ。ここにはたくさんの財団があるから、同じようなものを新しく作ろうとするよりも、協力して彼らを助けるのが一番だ」とローレンスは説明。

できる限りの支援をしようとするローレンスは、特にダラス・フォートワースとその周辺地域のホームレスと青少年コミュニティの両方のニーズに気を配っている。

ローレンスは『WSS Shoe store(WSSシューズストア)』のグランドオープニングイベントでの7,500ドル(約111万円)、ホリデーシーズンを前にしたSouth Oak Cliff(サウスオーククリフ)高校の生徒たちへの5,000ドル(約74万円)相当の衣類などの寄付を行った。その他にも『Creative Solutions Program(クリエイティブ・ソリューションズ・プログラム)』と『Thriving Minds(スライビング・マインズ)』のアフタースクール・プログラムのための『Questlove Hip Hop Brunch(クエストラブ・ヒップホップ・ブランチ)』などのイベントへの支援があり、これら非営利団体には再び衣類や靴を寄付している。

ローレンスは『Cars & Cause(カーズ・アンド・コーズ)』と呼ばれる毎年恒例のイベントで募金活動を行っており、2022年には妻のサーシャさんとともに『Cars & Cause』祭りを主催し、4つの異なる地元の非営利団体を支援するための募金目標額10万ドル(約1,482万円)を突破した。また、『P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)』社の『Truckloads of Giving(トラックいっぱいの寄付)』キャンペーンに協力し、500世帯以上におむつや洗濯用洗剤など必要な衛生用品を提供している。

しかし、寄付以上にローレンスが大事にしている最優先事項は、困っている青少年に寄り添うことだ。

読み書きのスキルを高めるために、ローレンスは『Reading Makes You a Superhero(読書は君をスーパーヒーローにする)』のようなイベントで子どもたちに読み聞かせをしている。ローレンスはまた、今シーズン直前にテキサス州オーククリフにある『Boys & Girls Club(ボーイズ・アンド・ガールズ・クラブ)』の施設を訪れた際のバスケットボール、キックボール、ピザ、そして最も重要なことである、子どもたちへの注意を惜しまなかった思い出を『NFL.com』に語った。

こうした活動の中でローレンスが目指すのは、青少年たちに手本となるような良いメンターを提供し、「自分の生き方を見てもらうことで、彼ら自身の人生に対するビジョンを持ってもらう」ことだ。

ローレンスは次のように話している。

「俺は田舎で育った。“ラフ”と言ってもいいし、“カントリー”と言ってもいい。父に言われたことの1つに、“息子よ、すべての人間は環境の産物だ”というのがある。つまり、どんな環境にいても、油断したり、周りの環境を変えようとしなかったりしたら、いつかは環境に支配されてしまうということだ」

「それが一番大事なことなんだ。俺には子供がいる。誰もが恵まれた環境で育っているわけではないことは理解しているから、自分の家庭を正しく導くと同時に、すべての子供たちが人生で成功するために必要なものを得られるようにしたいんだ。だって、その人生は一度しかないのだから」

ローレンスはそのチャンスを最大限に生かし続けている。

ローレンスの寛大さは、ヘルメットを被った時にも終わらない。カウボーイズのNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)東地区優勝と3年連続の12勝に貢献しながら、ローレンスはサック4回を記録。カウボーイズの公式生命保険スポンサーである『Globe Life(グローブ生命)』との提携により、『North Texas Food Bank(ノース・テキサス・フード・バンク)』に2万ドル(約295万円)を寄付した。ローレンスはサック1回につき2,500ドルを寄付しており、『Globe Life』も同額を寄付している。

ローレンスは2月にウォルター・ペイトン年間最優秀選手賞を受賞するか否かにかかわらず、自分の選んだ慈善団体にさらに寄付することができる。

ノミネートされた32人全員に5万5,000ドル(約814万円)、受賞者には25万ドル(約3,699万円)がNFL基金と『Nationwide(ネーションワイド)』から贈られる。

昨年はクオーターバック(QB)ダック・プレスコットが受賞。プレスコットはたまたま『Low’s(ロウズ)』のクリスマスイベントでチームメイトのノミネートを発表し、ローレンスを驚かせた。

2月8日に何が起こるにせよ、長年のカウボーイはすでに忘れがたい足跡を残している。

「この賞に対する気持ちは、言葉では言い表せないよ」というローレンスはこうつけ加えている。

「この賞は間違いなくフィールドの外での人格を示しているもので、俺はそういうふうに知られていたいんだ」

【KO】