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レイダースがアントニオ・ピアースを正式HCとして起用

2024年01月20日(土) 12:22


ラスベガス・レイダースのアントニオ・ピアース【AP Photo/Steve Marcus】

今回は暫定ヘッドコーチが“シルバー&ブラック”にとどまることとなった。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のマイク・ガラフォロとイアン・ラポポートは現地19日(金)、情報筋の話を元にラスベガス・レイダースがアントニオ・ピアースを次期ヘッドコーチにすることで合意したと報じている。

その後、レイダースがピアースをヘッドコーチ(HC)として雇用したと発表。

ピアースはジョシュ・マクダニエルズの解任後、暫定ヘッドコーチとして今シーズンを5勝4敗で終えた。

ラポポートは暫定攻撃コーディネーター(OC)ボー・ハーディグリーを含め、ほとんどのコーチが続投しないと伝えており、ピアースの最初の大きな仕事はオフェンス面の対応となるだろう。

オーナーのマーク・デイビスは2年前、チームを活気づけ、プレーオフ進出に導いた当時の暫定HCだったリッチ・ビサッチアに続投させるのではなく、マクダニエルズの採用を選んでいる。今回、デイビスは暫定ヘッドコーチのピアースを今後のレイダースの正式な指揮官として任命することを決定。このデイビスの決断により、ピアースは、過去10シーズンで暫定の立場から翌年に正式なヘッドコーチに昇格した3人目の例となった(他2人はテネシー・タイタンズのマイク・ムラーキーとジャクソンビル・ジャガーズのダグ・マローン)。

ピアースはまた、空席となったヘッドコーチの座を埋めようとするテネシー・タイタンズとアトランタ・ファルコンズからも注目を集めていたが、結局はレイダースを離れないことが運命づけられていたようだ。

“レイダー流”と“シルバー&ブラック”の威勢を備えたピアースは、今季あっという間にロッカールームを虜にした。ピアースは暫定HCデビュー戦でニューヨーク・ジャイアンツに勝利し、ロサンゼルス・チャージャーズを63対21で粉砕、連敗続きだったカンザスシティ・チーフスを相手に勝ち星を手にするなど、記憶に残る勝利を収めている。

45歳のピアースはNFLコーチとしての経験がほとんどない状態で暫定的な役割を引き受けた。今季最後の9試合でレイダースのヘッドコーチを務めるまでに、ピアースはラインバッカー(LB)コーチとして2年目のシーズンを過ごしている。それ以前は、カリフォルニア州ロングビーチ・ポリ高校でヘッドコーチを務めた後、アリゾナ州立大学で守備アシスタントコーディネーター、のちに守備コーディネーター(DC)を歴任。

2001年から2009年までワシントン(当時レッドスキンズ)とニューヨーク・ジャイアンツで9シーズンNFLのラインバッカーとして活躍したピアースは、プロボウル選出とスーパーボウル制覇を果たした頑強な選手だった。

レイダースでの短い期間において、ピアースはマクダニエルズとは正反対の存在であることを証明し、チームにエネルギー、大きな声、自信に満ちた態度をもたらしている。

ワイドレシーバー(WR)デイバント・アダムスやディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーといった選手たちはピアース支持を表明していた。これでピアースのスタートはよりスムーズになるはずだが、前途は多難だ。

クオーターバック(QB)に関する決定が必要となるだろう。今シーズンに先立ち、レイダースはマクダニエルズと親交のあったジミー・ガロポロと契約。ガロポロは2024年に2,850万ドル(約42億2,199万円)のキャップナンバーを数えており、1,125万ドル(約16億6,657万円)が保証されている。ピアースはルーキーのエイダン・オコネルを先発として起用した。この1年目のQBエイダンは有望ではあるが、オフェンスを構築する上で絶対的な有力候補ではないことは確かだ。

シーズン終盤に大腿四頭筋(だいたいしとうきん)を痛めて戦線離脱したランニングバック(RB)ジョシュ・ジェイコブスもフリーエージェント(FA)が近づいてきている。

レイダースは過去21シーズンでプレーオフに進出したのは2回だけで、2002年以来ディビジョンタイトルもプレーオフでの勝利も獲得していない。

ピアースは暫定期間中、ファンベースとレイダースの選手たちを活気づけた。

今や、ピアースは正式な仕事を得て、レイダースが一貫して勝利を納めていた過去の秋のシーズンのように、チームを勝利の道へと戻すことを目指すだろう。

【KO】