QBフラッコが来季に戻ってくることを“間違いなく”望んでいるブラウンズGMベリー
2024年01月23日(火) 12:26フリーエージェント(FA)だったクオーターバック(QB)ジョー・フラッコがチームに加入して魔法のようなシーズンを過ごしたことにより、クリーブランド・ブラウンズは主力選手の負傷が相次いだにもかかわらずプレーオフ進出を果たすことができた。その過程で、フラッコはフットボール界に自身の存在を再認識させている。
39歳のフラッコはレギュラーシーズンに先発出場した5試合でブラウンズ攻撃陣を支え、初戦を除くすべての試合で勝利に導いた。フラッコは出場したレギュラーシーズン最後の4試合でいずれも300ヤード以上を記録。300ヤード以上をマークした連続試合数としてフランチャイズ史上最多記録を更新したほか、NFLの歴史の中でそれを成し遂げた2番目に年長のQBとなった(最も高齢でそれを達成したのは元QBトム・ブレイディ)。
かつてマーク・ウォールバーグが2010年の映画『The Fighter(ザ・ファイター)』で語っていたように、フラッコが対峙したディフェンスの多くは同じ結論に達しただろう。“彼はただソファから降りてきたわけではないはずだ。もしそうなら、あのようなソファを買いたい”と。フラッコの活躍を見てきたブラウンズは、2024年にフラッコを引きとめることに関心を持っている。
ブラウンズのジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーは現地22日(月)に「私たちは間違いなくジョーを呼び戻したいと思っている。彼はいいクオーターバックだ」と述べ、「去年のジャコビー(ブリセット)に少し似ているかもしれない。場合によるけどね。いい選手は全員呼び戻したいが、それには制約がある。ジョーを呼び戻すのは問題ないだろう」と続けた。
フラッコはブラウンズに戻っても先発の座を争うのではなく、ブラウンズが2億3,000万ドル(約340億8,669万円)の契約で獲得したQBデショーン・ワトソンのバックアップを務めることになる。これは極めて重要なポイントだと言えよう。すぐにフラッコに夢中になったブラウンズファンの中には、別の見方をする人もいるかもしれないが、フランチャイズのプランニングや財政的な観点から見れば、フラッコの登場でブラウンズのオフェンスがデレック・アンダーソン時代以降に見られなかったレベルにまで高まった後でさえ、クリーブランドのQB1が誰であるかは明らかだ。
論争の火種を作らない最善の方法は、この事実を最初から明確にしておくことであり、それが済めば、フラッコが2024年にチームに所属する場合も、ブラウンズがデプスチャートの体裁を心配する必要はないと話しているベリーGMは、次のように主張している。
「配慮はいらない。両者の性格からして、配慮はいらない。内部では全く気にされないはずだ」
フラッコが戻ってくれば、ブラウンズはブリセットがワシントン・コマンダースに移ってから欠いていた信頼できるオプションを確保できる。結果が予測できない中でフラッコに連絡をとったことで、ブラウンズは深刻な状態に陥らずに済んだだけではなく、想像を超える結果をも手に入れた。
フラッコフィーバーはヒューストン・テキサンズに敗れたワイルドカードラウンドでおさまっている。その際に、ブラウンズファンはポストシーズン敗退に対する痛みを覚えたと同時に、プレーオフ進出という満足のいく結果も得た。
ベリーGMはフラッコについて「彼は私たちのために勝つフットボールをプレーしてくれた」とコメントしている。
「ここに来て、私たちがシーズン終盤に駆け抜けられるよう、本当に高いレベルでプレーするという素晴らしい仕事をしてくれた。彼らは12月に本当にいいフットボールをしていた――ワイルドカードラウンドのヒューストン戦がバタンと終わってしまったとしてもね。ジョーがフィールドでやったことには本当に満足しているし、チームメイトとしての彼にも満足している」
「クオーターバックルームに関して、私たちは常にクオーターバックポジションを重視してきた。過去4回のオフシーズンを振り返ってみても、私たちがバックアップクオーターバックにかけてきた費用やリソースは常にリーグトップレベルだったと思う。バックアップクオーターバックはロースターのトップ30に入るポジションだと思っている。私たちは3人を抱えるべきだと思っている」
フラッコはクリーブランドで過ごした時間について、素晴らしいことしか語っていない。フラッコにとってブラウンズは、どこからともなくやってきて、チャンスに恵まれないと思っていたシーズンに夢のような経験をさせてくれた存在だ。
フラッコは『Barstool Sports(バースツール・スポーツ)』のポッドキャスト“Pardon My Take(パードゥン・マイ・テイク)”に出演した際に「クリーブランドは信じられないほど素晴らしかった」と話している。
「クリーブランドに戻ることに前向きなのは間違いない。同時に、どんな決断も急ぎたくはない。去年の春もQB市場がどうなるか分かっていなかったし、今年の春にどうなるのかも分からない。だから、自分に選択肢があるのか、それともまったくないのかは分からない」
「クリーブランドが大好きだけどね。組織も人も、なにもかもが大好きだった。あの組織の今の運営方法に関する良いところは言っても言い尽くせない」
今季にブラウンズの一員として出場した6試合の結果をもとに、フラッコがブラウンズに残留することになるかに注目だ。
【RA】