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チーフス戦でのファンブルについて「自分の失敗から学ぶ」とレイブンズWRフラワーズ

2024年01月29日(月) 23:50

ボルティモア・レイブンズのゼイ・フラワーズ【AP Photo/Nick Wass】

現地28日(日)に敗れたAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームで、ボルティモア・レイブンズはカンザスシティ・チーフスに得点を10ポイントに抑えられたが、ゴール付近でターンオーバーを喫したプレーには、レイブンズが今季最低点に並ぶ得点でこの試合を終えずに済んだ可能性も、試合の結果自体を変えた可能性もある。

ワイドレシーバー(WR)ゼイ・フラワーズは得点が不足していた状態に終止符を打つべく、第4クオーター序盤にキャッチ・アンド・ランでエンドゾーンに到達しようとしたが、ボールの先がラインを越えようとしたそのとき、チーフスのコーナーバック(CB)ラジャリウス・スニードによってボールを弾き飛ばされてしまった。

レイブンズの新人WRフラワーズは当初、ラインを越えたと考えていたが、リプレーレビューによってファンブルが確認されている。チーフスはそれをレイブンズのエンドゾーンでリカバーしていた。

試合後、フラワーズは報道陣に対して「ああ、正直、やったと思った。でも、俺は自分の失敗から学ぶつもりだ」と話している。

スニードによる驚異的なプレーは、レイブンズから貴重な得点を奪っただけではなく、レシーブ5回、115ヤード、タッチダウン1回でチームをけん引したフラワーズの素晴らしいパフォーマンスを台無しにもした。

試合後、フラワーズはあのシナリオで言われていた通りのことを実行したと報道陣に明かしたレイブンズのヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーは、こうコメントしている。

「エンドゾーンに手を伸ばすときは両手を使うよう指導している。彼は両手でボールを持っていた」

このファンブルの後、サイドラインで明らかに苛立っている様子を見せていたフラワーズは、自分のヘルメットを投げつけ、その際に指に切り傷を負ったようだ。ここでタッチダウンを決められていれば、フラワーズは同じドライブの4プレー前に54ヤードのレシーブを決めた後に科されたトーンティングのペナルティを穴埋めできていただろう。レイブンズはフラワーズがパーソナルファウルを犯した後に再びレッドゾーンに戻ったものの、フラワーズはあと一歩のところでゼロからヒーローになることができなかった。

チーフス守備陣がクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソン率いるレイブンズ攻撃陣に対して決めたテイクアウェイはこれだけではない。他の2回のターンオーバーの責任はジャクソンにあり、1回目は第2クオーター序盤にストリップサックされ、2回目はフラワーズがターンオーバーした次のポゼッションで、トリプルカバレッジに必死に投げた場面でインターセプトされている。

ターンオーバーが勝敗を分けたと見ているジャクソンは、次のように語った。

「彼らは基本的に完ぺきに試合を進め、得点を重ねた。ターンオーバーがなかったら間違いなく俺たちにチャンスがあったと思うし、勝利も手にしていたと思う。でも、彼らはターンオーバーすることなく得点を重ねるという素晴らしい仕事をした」

レイブンズは昨季のスーパーボウル王者であるチーフスを相手に熱戦を繰り広げると見られていた。チーフスが最初のドライブでタッチダウンを決めた後、レイブンズはプレー6回、75ヤードのタッチダウンドライブを展開してそれに応酬。このポゼッションは、フラワーズによる30ヤードのタッチダウンキャッチで締めくくられた。

しかし、チーフス守備陣はそこからレイブンズ攻撃陣を圧倒し、7ドライブ連続で得点を許さなかった。守備陣がいい仕事をしていた一方で、攻撃陣がドライブを継続できなかったレイブンズは、ポゼッション時間でチーフスに大きな差をつけられている(チーフスが37分30秒だったのに対してレイブンズは22分30秒)。

ジャクソンはチーフスのゲームプランを評価。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、チーフスはジャクソンのドロップバックの43.5%でブリッツを仕掛けていたとのこと。それは、今シーズンにジャクソンが受けたブリッツ率として4番目に高い。

チーフス戦で4回のサックを喫したジャクソンは「普通じゃなかった。予想していなかったことだ。でも、時には中間のルートがあって、相手がジャンプしてくることもあるから、ただボールを投げて、相手にパスをチップしようとさせたらダメだ。俺は何かを実現しようとしたけど、彼らは素晴らしい仕事をしていた」と明かしている。

レギュラーシーズンに試合平均28.4ポイントを挙げ、リーグ内で4位につけていたレイブンズ攻撃陣が得点を重ねられなかったことは、少々意外だったと言えよう。また、レイブンズは試合平均ランヤード(156.5ヤード)でリーグトップに輝いていたにもかかわらず、日曜日のチーフス戦では81ランヤードに抑えられている。

「自分のチームをとても誇りに思っている」と強調したジャクソンはこう続けた。「新しいシステム、攻撃コーディネーター(OC)、自分たちが見てきたいろんなこと、モーションとかそういったもの、シーズン序盤の逆境。俺たちのプレーはあまり良くなかったし、レイブンズのオフェンスやディフェンスがどうなるか、みんな分かっていなかったけど、俺たちはここまで来ることができた」

「ここまで来られたけど、次は最後までやり遂げないといけない。でも、俺はすべてのフェーズで自分のチームをとても誇りに思っている」

【RA】