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“てんとう虫がもたらした幸運”で逆転劇のきっかけを作った49ersのWRアイユーク

2024年01月30日(火) 10:49


サンフランシスコ・49ersのブランドン・アイユーク【AP Photo/Jed Jacobsohn】

素晴らしい逆転劇は、才能と運がうまく融合して爆発的な組み合わせになってこそ起こるものだ。

現地28日(日)、第3クオーターに猛烈な勢いで24対7の点差を覆したサンフランシスコ・49ersは、デトロイト・ライオンズに34対31で勝利して第58回スーパーボウルへの切符を手に入れた。しかし、この逆転劇を始めるにはちょっとした運が必要だった。

試合後半の最初のドライブで攻撃陣がフィールドゴールを決めた後、49ers守備陣は集中力を高めてライオンズ攻撃陣を第4ダウンで止めている。ここで幸運の女神が微笑んでいなければ、試合は違った展開になっていただろう。

ディフェンスが相手の攻撃を止めた2プレー後に、クオーターバック(QB)ブロック・パーディーはワイドレシーバー(WR)ブランドン・アイユークにディープショットを放った。ここで問題となったのは、ライオンズのコーナーバック(CB)キンドル・ビルドアがだまされも負けもしなかったことだ。ビルドアはアイユークが必死にボールをつかもうと手を伸ばしているときに、インターセプトを狙える完ぺきな位置にいた。

そのとき、幸運の女神は49ersに微笑んだ。

ボールはビルドアの手をすり抜け、そのフェイスマスクにぶつかった。アイユークは空中にあったボールを巧みにつかみ取り、芝生に転がり込んでいる。これが試合の流れを変える51ヤードのプレーとなった。

試合後、アイユークはフィールドで『FOX』に「試合前、てんとう虫が俺の靴にとまったんだ。それが何を意味するか、みんな分かるだろ。つまり、俺が言えるのはそれだけ。だって結局のところ、分からないからな。分からない。まったく。ただ素晴らしい幸運に恵まれた。今日、神は俺たちについてくれた。最高の勝利だ」と話している。

51ヤードのレシーブを決めた3プレー後、アイユークはタッチダウンに成功してライオンズとの差を一気に縮めた。そして、そこからゲームの流れが変わっている。

ビッグプレーが生み出される前、パーディーとアイユークはうまくかみ合っていないように見えていたが、パーディーがアイユークに向かってボールを投げた後、てんとう虫が幸運をもたらしたことによって、それはアイユークの腕の中に収まった。

『The San Francisco Chronicle(ザ・サンフランシスコ・クロニクル)』によると、パーディーはインターセプトされかけたプレーについて「何とでも言ったらいいさ。俺は仲間にチャンスを与えて、それがうまくいったんだ」と語ったという。

それは危機一髪の試合を象徴するプレーだった。ライオンズが一連のミスをしたことで、49ersが逆転する可能性が浮上。49ersには、その度にそのチャンスを生かす才能と自覚、そして気概があった。

ディフェンシブエンド(DE)アリク・アームステッドは「BA(アイユーク)はクレイジーなプレーを披露しながらとんでもないシーズンを過ごしてきた。でも、あれは本当にすごかった」と振り返っている。

アイユークはキャッチ3回で68ヤード、タッチダウン1回を記録。これはキャリアで初めてポストシーズンで挙げた得点となった。

タイトエンド(TE)ジョージ・キトルは51ヤードの奇跡的なプレーについて「俺たちが意図していた通りの光景だった!」と冗談めかして話している。

「相手のフェイスマスクからBAの手に渡ったのはやばいよ。ブロック・パーディーはフットボールがうまい」

パーディーが放ったボールは、ディフェンダーのフェイスマスクにぶつかって弾き飛ばされ、歴史に刻まれた。かつてサンフランシスコで伝説的なプレーとなった“The Catch(ザ・キャッチ)”には匹敵しないかもしれないが、現地2月11日(日)にラスベガスで行われるカンザスシティ・チーフスとの一戦で、49ersが勝利を収めてロンバルディトロフィーを掲げることができれば、アイユークのプレーは伝説として語り継がれることになるだろう。

オフェンシブタックル(OT)トレント・ウイリアムスは「俺は・・・こうなるはずだと思っていた。フットボールの神様が俺たちに微笑んでくれている」とコメントした。

【RA】