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シーホークスがレイブンズDCマクドナルドを新HCとして採用

2024年02月01日(木) 10:16


マイク・マクドナルド【NFL】

マイク・マクドナルドが守備コーディネーター(DC)として手腕を発揮したことにより、ボルティモア・レイブンズは2023年シーズンにスコアリングディフェンスでNFLトップに輝いた。また、その活躍ぶりは対岸にあるチームの目にもとまったようだ。

現地1月31日(水)、シアトル・シーホークスがマクドナルドを新ヘッドコーチ(HC)として採用しようとしていると、『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが報道。後に、チームもこの動きを正式に発表した。

マクドナルドはピート・キャロルが1月にヘッドコーチの座を退いてからシーホークスのトップターゲットであり続けてきた。ラポポートによると、シーホークスはマクドナルドを非常に高く評価しており、レイブンズがスーパーボウルに勝ち進んでいた場合、それが終わるのを待ってから採用するのを厭わない姿勢を見せていたという。レイブンズがAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでカンザスシティ・チーフスに敗れたことで、シーホークスは第58回スーパーボウルが実施される11日前にマクドナルドを獲得しようとしている。

キャロルとマクドナルドには1つ、明確な違いがある。それは年齢だ。36歳のマクドナルドは72歳のキャロルの半分の年齢であり、シーホークスは将来が明るく、まだまだキャリアが続いていく見込みのある人材を手に入れられる。

しかし、それ以外の部分については、シーホークスはディフェンス重視のコーチを同じくディフェンス重視のコーチの後任として据えようとしている。2023年シーズンにおけるレイブンズ守備陣のパフォーマンス――チーフスに一度も得点を許さなかったAFCタイトルゲームの後半を含む――から判断すると、シーホークスは最高の人材を獲得したのかもしれない。

マクドナルドがシーホークスで指揮官の座を手に入れたのは、まさに異例のことだと言えよう。確かに、オーナーやジェネラルマネジャー(GM)が30代半ばの(あるいはそれよりも若い)ヘッドコーチを選ぶことをためらわなくなった時代ではあるものの、マクドナルドはNFLのコーディネーターとしてわずか2年の経歴しかない。ハーボーファミリーが率いるチームを行き来しているマクドナルドは、2022年にジム・ハーボー率いるミシガン大学フットボールチームからジョン・ハーボー率いるレイブンズに移籍し、就任初年度にレイブンズをトータルディフェンスで10位、被得点で3位に導くなど、素晴らしい結果を残した。

1年後、マクドナルドは両方のカテゴリーをさらに改善し、2023年シーズンにレイブンズがトータルディフェンスで6位、被得点で1位になるよう導いている。

マクドナルドのフットボールキャリアはハーボー兄弟と直接的に結びついている。2014年、マクドナルドはジョンが率いるレイブンズでコーチングインターンとしてNFLキャリアをスタートさせた。そこでポジションコーチに昇格したあと、マクドナルドはアナーバーに移り、1年間ジム率いるチームの守備コーディネーターを務めている。その後、レイブンズで守備コーディネーターを2年間務めたマクドナルドは、ヘッドコーチになる準備ができていることを証明した。

それを信じているシーホークスは、ジム・ハーボーが先週にロサンゼルス・チャージャーズと結んだ契約よりも1年多い6年契約をマクドナルドに与える。

マクドナルドはディフェンスに関する専門知識と指導力を、ジョン・シュナイダーGMとの新たなパートナーシップに生かすことを目指すだろう。キャロルの退団後もチームに残留し、引き続きシーホークスの人事面を担当するシュナイダーGMは今後、キャロルよりも若いコーチと共に歩んでいくことになった。

若く才能豊かなシーホークス守備陣には、すでにシュナイダーGMの特徴がそこら中に反映されている。マクドナルドはそれを生かしてまた新たな勝者を生み出すだろう。