守備のコールも担当するシーホークス新HCマクドナルド、元HCキャロルとは「別の人格」
2024年02月02日(金) 11:47マイク・マクドナルドがシアトル・シーホークスのヘッドコーチ(HC)に就任したのは、突然のことのように思われるが、本人は後を引き継ぐ準備が万端のようだ。
ただ、マクドナルドに前任のピート・キャロルと同じものを期待してはいけない。
現地1日(木)に開かれた就任記者会見でマクドナルドは、「いつも遠くから彼を尊敬していた」とキャロルについて語った。
「私は彼自身とその実績に多大な敬意を抱いている。彼はコーチとして殿堂入りを果たすだろう。ピートは素晴らしい人格の持ち主だが、それは彼のものであり、彼という人間そのものだ。だからこそ選手たちは彼に共鳴し、称賛され、実績もあるのだと思う」
「私は彼とは別の人格だ。いずれ皆さんにも知ってもらうことになるが、私は日々、自分らしくいようと思っている。私は私にしかなれないわけで、見せかけでもなく、演技をしているとか裏があるわけでもない。チームにとって何が最善か、選手にとって何が最善か、どうすれば成功できるかがすべてだ。そこには必ずユーモアがあるだろう。それが好きな人もいれば、そうでない人もいると思うが、それが私という人間だ。自分を偽ろうとすれば、何より疲れるし、周りだってそれに気づくだろう」
マクドナルドにキャロルを真似するつもりがないのは素晴らしいことだ。実際、シーホークスが1月にキャロルと決別した後、ジェネラルマネジャー(GM)ジョン・シュナイダーをはじめとするチームのリクルート団が求めていたのは、キャロルにそっくりな人物ではなかったはずだ。
とはいえ、本物であることが依然として重要になる。マクドナルドにとって、それは彼が採用された理由である、ディフェンスの指揮にこだわることを意味する。ヘッドコーチになったものの、ディフェンス全般をコントロールし続けると、マクドナルドは木曜日に記者団に話している。
「今のところ私がプレーをコールし続ける予定だ。最終的には、ヘッドコーチとしてこのフットボールチーム全体の指揮を執りたい。現時点でわれわれが勝つための最善の方法は、私がプレーをコールすることだと考えている。そして、他の誰かが代わりを務める準備ができていることがはっきりし、私もそう感じたら変更するだろう」
コーナーバック(CB)デボン・ウィザースプーン、ラインバッカー(LB)ボイエ・マフェ、CBタリク・ウーレンといった若手の有望株が、多少の入れ替わりはあるかもしれないが、紙面上は強力に見えるデプスチャートを埋めているシーホークスで、マクドナルドがディフェンスを主導したいと思っても無理はない。一方で、それこそがシーホークスがマクドナルドを採用した理由のひとつでもある。ディフェンスで総合30位(ランに対しては31位)に終わったシーホークスは今後、人材に見合った結果を出さなければならない。
2023年にNFLの被得点ランキングで1位となったディフェンスを支えた頭脳を引き抜いたことで、ひとまず幸先の良いスタートを切ったと言えよう。
シーホークスの有望な守備陣についてマクドナルドは、「ああ、それは間違いなく決断した理由のひとつだ」と述べている。
「今年はシーホークスと対戦したが、このチームには素晴らしい選手がたくさんいる。ドラフトに成功して若手の選手を獲得しているから、彼らを伸ばし、近いうちに競争力のあるチームに育つ可能性がある」
その任務は決して容易なものではないが、マクドナルドは初めてのヘッドコーチの機会として、もっとひどい状況に直面していた可能性もあった。キャロルと別れるという難しい決断を下したシュナイダーにとって、シーホークスを新時代に導いてくれる人材を確保できたことは、これ以上ない喜びだろう。
シュナイダーは記者会見で36歳のマクドナルドを見ながら「彼こそがわれわれの未来だ。ここからが本番だ」と満面の笑みで述べている。
これ以上言うことはないだろう。
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