2023年守備部門最優秀選手賞はブラウンズDEギャレットの手に
2024年02月09日(金) 14:50クリーブランド・ブラウンズのディフェンシブエンド(DE)マイルズ・ギャレットは、自身の目標リストの1つの重要な項目を正式に達成した。
現地8日(木)に行われている『NFLオナーズ(NFL Honors)』で、クリーブランドのエッジラッシュの怪物とされるギャレットが、初めてAP通信ディフェンス部門年間最優秀選手賞を受賞した。
165ポイントを獲得したギャレットは、ピッツバーグ・スティーラーズのラインバッカー(LB)T.J.ワットの140ポイントを上回っている。1位投票数はギャレットが23票、ワットが11票だった。
ダラス・カウボーイズのラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズ(89ポイント)が3位で1位票を7票獲得し、ラスベガス・レイダースのDEマックス・クロスビー(21ポイント)とカウボーイズのディフェンシブバック(DB)ダロン・ブランド(14ポイント、1位票1票)がトップ5に入った。
ギャレットは2019年シーズンの序盤から、この瞬間を迎えることを口にしており、毎年トップ目標の1つに掲げてきた。決して高すぎる目標とは感じることはなかったものの、7シーズンをかけてようやく達成している。一方で、他チームのファンから不満が出るのは確実だ。
ギャレットはサック数――完全な指標というわけではないが、ディフェンダーを判断するのに使われる統計の金字塔――でNFLをリードすることはできず、サック14回で7位タイだった。ポストシーズンを含む最後の7試合(シーズン第18週は休養)で記録したサックは1回のみ。
しかし、ギャレットの今季の活躍は、シーズン後半で、当初ブラウンズファンにシーズン途中での終了を心配させた肩のケガに苦しみながらプレーし続けたことを抜きには語れない。ギャレットは痛みをこらえながら、相手チームのサイドラインでメンタル面で大きな位置を占め続け、パスブロックの注目を集め、NFL1位を誇るブラウンズディフェンスの一員として、チームメイトが大混乱を引き起こすための余地を作った。サック、クオーターバック(QB)ヒット(8位)、ロスタックル(7位タイ)、QBプレッシャー(9位タイ)、フォースドファンブル(5位タイ)など、注目すべき統計カテゴリーでトップ10入りを果たしている。
ギャレットがいなければ、ブラウンズが先鋭部隊に変貌(へんぼう)することはなかった。ケガをする前のギャレットは絶対的な脅威であり、最初の10試合のうち8試合でいずれもサック1回以上をマークし、いくつかの試合では単独で試合の流れを変えている。インディアナポリスで行われていた得点の取り合いの激しい試合では、ギャレットはコルツのQBガードナー・ミンシューをストリップサックしたことで、ブラウンズ有利に転じた。その試合までギャレットの活躍に注目していなかった人がいたとしても、同じ試合でコルツのキッカー(K)マット・ゲイの60ヤードのフィールドゴールをラインマンの列を飛び越えてブロックしたギャレットの姿を目撃した後は、間違いなく注目するようになっただろう。
ギャレットはハイライトを生み出す機械のようで、その驚異的な運動能力を披露する動画は何度もインターネット上で拡散され、ファンを驚かせた。ギャレットの――チームによるサックを引き起こすプレッシャーの前に行われた――バスケットボールのクロスオーバーを模倣する動作は、数週間にわたってソーシャルメディアのアルゴリズムにとどまり続けたようだ。
今季AP通信年間最優秀アシスタントコーチ賞に輝いた守備コーディネーター(DC)ジム・シュワルツの指揮の下、ブラウンズが強力な守備陣になったことも助けになっている。シュワルツDCは、ギャレットをさまざまな位置――伝統的な位置もあれば、珍しい位置もある――に配置することを恐れなかった。そして、ギャレットがその場で活躍するのを見守った。ギャレットの数字は過去の最優秀守備選手賞受賞者(T.J.ワットのファンの声が聞こえてきそうだ)には及ばないかもしれないが、ギャレットがブラウンズのトップクラスのディフェンスをけん引するのを見た人々は、彼がその賞に値する選手だということを知っている。
【KO】