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レイダースはクリスマスの試合でチーフスに“教訓”を与えてくれたとリードHC

2024年02月14日(水) 14:04

カンザスシティ・チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リード【AP Photo/Ashley Landis】

第58回スーパーボウルで勝利を収めた直後、カンザスシティ・チーフスのヘッドコーチ(HC)アンディ・リードはアントニオ・ピアースに接触していたようだ。

スーパーボウル制覇を3度成し遂げたコーチは新たなライバルをこき下ろそうとしたわけではない。実のところ、リードはオフシーズンにフルタイムのヘッドコーチに就任したピアースに、感謝の意を伝えたのだ。

『NBC Sports(NBCスポーツ)』のピーター・キングが説明しているように、リードはクリスマスにアローヘッド・スタジアムでレイダースに敗れたことが、最終的にチャンピオンとなったチームを活気づけるのに役立ったと感じている。

リードはキングに「彼にメッセージを送った」と明かし、こう続けた。

「まずは単純に、やあ、(スーパーボウルが実施されたアレジアント・スタジアムは)美しい施設だねと言っただけだ。それから、私たちを打ちのめしてくれたことに感謝している、私たちに教訓を与えてくれたからね、と伝えた。このビジネスで自己満足に陥ってしまうと、勝ち負けの差はほんのわずかなものになってしまう」

「ステップアップした方がいい。ここに来たことがある選手たちには、時間と場所がある。何が必要か分かっているはずだ。もし自分がボールを落としてしまうベテラン、あるいはペナルティを科されてしまうベテランならば、それを解決した方がいい。早く解決するんだ。そうしないとこのシーズンはダメになる」

レイダースはその試合で205ヤードしか稼げず、攻撃陣が挙げた得点はわずか6ポイントと、素晴らしいパフォーマンスを見せたわけではなかった。しかし、2回のディフェンシブタッチダウンのおかげでチーフスを20対14で下している。

当時、この試合はチーフスがタイトルコンテンダーであることを否定するもののように見えた。確かに、チーフスは前シーズンのスーパーボウルで優勝し、過去4年間で3度もビッグゲームに出場していた。とはいえ、クリスマスの日のチーフスを将来のチャンピオンとして想像するのは、バッファロー・ビルズやボルティモア・レイブンズが優勝候補として挙がっていた状況を踏まえても、無理があるように感じられた。

最終的に結果がどうなったかは周知の事実だ。プレーオフで調子を取り戻したチーフスは、ビルズとレイブンズに勝利し、現地11日(日)にレイダースの本拠地であるアレジアント・スタジアムで実施されたスーパーボウルで49ersを撃破。また、チーフスは1週間を通して、レイダースの施設で練習しながら試合の準備に明け暮れてもいた。

一方、皮肉なことに、レイダースがシーズン第16週にチーフスに勝利したことは、ピアースがレイダースでフルタイムの仕事を勝ち取るための大きなきっかけにもなったのかもしれない。その試合に臨むにあたって、当時暫定HCを務めていたピアースの戦績は3勝3敗にとどまっていた。また、数週間前にラスベガスで行われたチーフスとの一戦では、14対0でリードしていたにもかかわらず、31対17で敗れている。

5勝4敗でシーズンを終えたピアースは、シーズン終了後にフルタイムのヘッドコーチに指名された。リードが来季もチーフスに戻ると発表したため、両者は2024年に再び顔を合わせることになる。

ある意味、ピアースとリードは互いが必要なものを得るのを助け合ったわけだ。そしておそらく、レイダースのディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーがそうであったように、ピアースもチーフスの勝利を応援していたのだろう。クロスビーは試合の数日前に『NFL Network(NFLネットワーク)』のアンドリュー・シシリアーノとブライアン・バルディンガーに対し、レイダースは“彼らを倒し、王座から引きずり下ろす存在になれる”と話していた。

ピアースはいつかその恩に報いたいと思っているに違いない。その際、リードから意外で予期せぬアシストを受けるとしたら、それはまさにふさわしいことだと言えよう。

【RA】