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QBカズンズは残留を希望していると信じるバイキングス、WRジェファーソンのトレードも否定

2024年02月28日(水) 17:56

カーク・カズンズ【AP Photo/Matt Ludtke】

ミネソタ・バイキングスの今オフシーズンの目標は、2024年シーズンを迎えるにあたって選手たちを手離さないことだ。

現地27日(火)に行われたNFLスカウティングコンバインのメディアセッションで、バイキングスのヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルとジェネラルマネジャー(GM)クウェシ・アドフォ・メンサは、来月にフリーエージェント(FA)となるクオーターバック(QB)のカーク・カズンズとの再契約に自信を見せた。

「カークはバイキングスの一員になりたがっていると思うし、そうなるように努力するつもりだ」とオコンネルHCはコメント。

フリーエージェントになることが決まっているカズンズは、昨年10月にシーズン終了を告げるアキレス腱のケガを負った。カズンズは最近、手術で修復した脚でドロップバックの練習を行っているリハビリのビデオを投稿している。

オコンネルHCはカズンズのリハビリの進み具合に驚いていない。

オコンネルHCは火曜日に次のように語った。

「この2年間、カークをクオーターバックに据えて多くの試合に勝利してきたし、ランボーで(グリーンベイ)パッカーズを下した試合でケガをしたときも、その前の週のマンデーナイトで、後にNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)を代表してスーパーボウルに出場したチーム(サンフランシスコ・49ers)を破ったときも、彼はナショナル・フットボール・リーグの誰よりもいいプレーをしていると思った。こういうことが起きたのは、私個人にとって大きかったし、チームを指導するという私の役割をはるかに超えた大きな出来事だった。とはいえ、彼がリハビリを通して、今、立ち直りつつあり、全力で取り組んでいる姿を見るのはうれしいことだよ。カーク・カズンズに対する私の思いは揺らいでいないし、むしろ、多くの逆境をともに乗り越えたことで、その思いはより強くなっている」

バイキングスはカズンズを欲しがっているかもしれないし、35歳のカズンズはチームへの復帰を望んでいるかもしれないが、フリーエージェントになることで契約内容が変わる可能性もある。他のチームが大金を積んだり、より高額な保証をつけたりすれば、ベテランのカズンズを市場から奪い取ることもあり得るはずだ。

「結局のところ、私たちには私たちの、彼には彼の関心事がある」と話すアドフォ・メンサGMは、こうつけ加えた。

「交渉の場において、なんとか解決策を考えて、その中間で折り合いをつけたい。それがすべての契約交渉であり、彼との交渉もそうなるだろう。わかっているのは、本当に素晴らしいクオーターバックがいるということ、素晴らしい指揮官がいるということ、そして一緒に最高の栄冠を勝ち取れる選手たちがいるということだ。だから、最終的に私が重視しているのはそこであり、今まさに私たちが直面しているところなんだ」

バイキングスはカズンズをチームに引きとめると同時に、スターワイドレシーバー(WR)ジャスティン・ジェファーソンを長期的におさえたいと考えている。アドフォ・メンサGMは、昨オフシーズンにジェファーソンとの契約が成立間近まで行ったと指摘。

「昨オフシーズンには実り多い対話があった。みんな忘れていると思うけれど、3年経って契約が成立することはめったにない。それには理由がある。2年の契約が残っているからだ。誰かしらが抱える不確実性がある――クラブが抱えるか、選手が抱えるかだ。新しくかかるお金もあれば、昔からかかっているお金もある。契約をどう見るか? それはとても難しい話だ。だから、多くの契約は成立しないんだ。私たちは信じられないほど近いところまで来ていた」

ジェファーソンはマイアミ・ドルフィンズのWRタイリーク・ヒルの年俸3,000万ドル(約45億1,995万円)を上回る勢いであり、サンフランシスコ・49ersのディフェンシブエンド(DE)ニック・ボサの年俸3,400万ドル(約51億2,250万円)を抜いて、QB以外の選手の中で最高額の契約を手にする可能性がある。バイキングスはジェファーソンには船いっぱいに積まれるほどの大金の価値があることを認めている。

「これまでも言ってきたし、これからも言い続ける。彼はリーグ最高のワイドレシーバーであり、それ相応の報酬を得るべきだと思っている」というアドフォ・メンサGMはさらにこう強調した。

「彼はクオーターバック以外のポジションにおいてリーグで最高の選手の1人であり、それ相応の報酬を得るべきだと思っている。私たちはそうした対話や交渉を続けるつもりだ」

アドフォ・メンサGMは、以前バイキングスにいたWRステフォン・ディッグスをバッファロー・ビルズにトレードしたように、ジェファーソンに高額な年俸を支払う代わりにトレードに出すという考えを否定。

「そんなことは一度も考えたことはない。トップクラスの選手、トップクラスの人物がいる。そういった人材はできるだけチームにとどめておくべきだろう」

バイキングスとしては、ジェファーソンとカズンズの両者をできるだけ長く引きとめておきたい。

アドフォ・メンサGMは、カズンズとの話し合いについてジェファーソンに情報を提供していると明かした。

「素晴らしい選手、特に素晴らしいワイドレシーバーは、自身がオープンな時にフットボールを投げてくれる、正確なクオーターバックがほしいはずだ――そして彼(ジェファーソン)はリーグの誰よりもオープンになる。だから、それは重要なことなんだ。ジャスティンに初めて会った時、彼は“クウェス(クウェシGM)、俺はただ勝利を積み重ねたいんだ”と言った。でも、ある時点で、長い間勝ち続ける体制を整えるために、今後どのようにこのチームを作り上げていくのかを信頼してもらわなければならない。もちろん、彼らの信頼を得なければならないが、それは話し合いで解決することだ。選手たちとはパートナーのように接することが必要。彼らを引き入れ、彼らと会話をしなければならない。ジャスティンとはそうしている」

ジェファーソンが組織を信頼しているというアドフォ・メンサGMのコメントは、カズンズの将来について語る上で重要だ。バイキングスがカズンズをチームに引きとめたいと考えている一方で、クラブの長期的なビジョンを損いかねない一線は超えないということを示している。

今後数週間で、カズンズがバイキングスに残るのか、それともジェファーソンがフロントオフィスを信じて適切な後任を探さなければならないのかがわかるだろう。

【KO】