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QBラックの経験からQBリチャードソンの復帰に慎重な姿勢を示すコルツGM

2024年03月01日(金) 12:07

インディアナポリス・コルツのアンソニー・リチャードソン【AP Photo/Michael Conroy】

肩のケガによって10月にシーズンを終了したインディアナポリス・コルツのクオーターバック(QB)アンソニー・リチャードソンは、フットボールを投げ始めるなど、リハビリで順調な回復を見せ続けている。

ダイナミックなクオーターバックとして知られるリチャードソンは、予定よりも早く回復できていると12月に話していた。しかし、現地28日(水)に行われた2024年NFLスカウティング・コンバインの場で、ジェネラルマネジャー(GM)クリス・バラードは、QBアンドリュー・ラックが肩のケガからの復帰を急いだ時の経験に触れながら、チームはリチャードソンの回復に慎重になっていると語った。

バラードGMはリチャードソンについて、「今の彼の状況にはすごく満足している」と切り出し、こう続けた。

「彼は投球も始めて、リハビリのプログラムをこなしている。私は先発QBのケガを経験し、そこからたくさんの教訓を得た。だから、今回はどうしても慎重になってしまう」

「アンソニーが予定より早く復帰することが重要だと発言しているのは知っている。われわれの役目はここで手綱を引いて、彼が予定より早く進み過ぎないようにし、医師の指示に従うようにすることだ。いずれにしても、彼の状態は良い。もう投げているし、確かな投球プログラムに従って、優秀なスタッフに恵まれている。だから、彼の今の状態とこの先の見通しについて私は前向きに考えている。あとは状況を見ながら進めるしかない」

ラックが肩の故障を抱えながらプレーしたことで次のシーズンを棒に振り、翌年には復帰するも、2019年シーズンを前に突然引退したのは有名な話だ。

ラックとリチャードソンのケガを同等に比較することはできない上、リチャードソンはまだプロとしてのキャリアを歩み始めたばかりだ。それでも、ラックの電撃引退を耐え抜いたバラードの経験は示唆に富んでいる。リチャードソンがこの時期に復帰を急ぐメリットは何もない。

来るシーズンに向けてリチャードソンをフィールドに復帰させることを第一の目標とし、健康を維持することが長期的な目標となる。ルーキーとして4試合に先発したリチャードソンは卓越した才能をのぞかせ、大学を卒業したばかりの選手としては予想以上の優れた対応力とパス能力を発揮し、ダイナミックな地上戦も展開した。健康さえ維持できれば、司令塔として爆発的なプレーメーカーになれるだろう。

バラードGMは、2年目にリチャードソンを成長させるためには、彼の周りを適切な選手で固めることがチームの責務だと強調した。

「成功するために、彼にはできる限りのものを与えたい」とバラードGMは言う。

「私が思うには、まずは彼がしっかりと守られていることが重要だ。それについての私の哲学は知っての通りだろう。チームのクオーターバック、特に若い場合は、プロテクションを固めること。彼が成功するために、優秀な選手を十分に周りに配置したい。それを実現するのがフリーエージェントだったりドラフトだったり、手段は毎年少しずつ違ってくる」

シーズンに向けてコルツで注目されるのは、ヘッドコーチ(HC)のシェーン・スタイケンがオフェンスに手を加えるかどうかだ。ケガを避けるためにリチャードソンのランプレーを減らしつつ、ダイナミックなプレーメーカーとしての素質を完全に潰さずにいられるかがカギとなるだろう。

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