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ブラウンズがQBジェイミス・ウィンストンと1年契約で最終調整へ

2024年03月13日(水) 14:15


ニューオーリンズ・セインツのジェイミス・ウィンストン【AP Photo/Rusty Jones】

クリーブランド・ブラウンズはクオーターバック(QB)デショーン・ワトソンのバックアップを確保しているが、それはAP通信NFL年間最優秀カムバック選手に輝いた選手ではない。

現地12(火)夜、ジェイミス・ウィンストンが1年契約で最終調整に入っており、その契約はインセンティブ付きで基本給400万ドル(約5億9,000万円)が保証される見込みだと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。

ブラウンズに移ることで、ウィンストンはニューオーリンズ・セインツでの4シーズンにわたる在籍期間に終止符を打つ。ドリュー・ブリーズのバックアップとしてセインツに加入したウィンストンは、何度か先発の機会を手に入れたものの、ケガと不安定なプレーに悩まされた結果、仕事を失い、セインツは2023年にQBデレック・カーを獲得。ウィンストンはブラウンズで、シーズン終了の肩のケガから復帰し、チームでの2シーズンで戦列に残るのに苦労してきたワトソンの後ろで、セインツ時代と同じような役割を果たすことになる。

質の高いバックアップクオーターバックを抱えておく重要性を2023年に学んだ者がいるとすれば、それはブラウンズのジェネラルマネジャー(GM)アンドリュー・ベリーだ。チームのクオーターバックから負傷者が相次いだことを受けて、ベリーGMはシーズン途中にジョー・フラッコに連絡を取らざるを得ない状況に追い込まれたが、その後に起こったことはまさにおとぎ話だったと言えよう。パスの才能を再び開花させ、4試合でブラウンズのクオーターバックとしてフランチャイズ史上最も素晴らしい成績を残したフラッコは、チームをプレーオフ進出へと導き、年間最優秀カムバック選手賞を受賞した。

これまでに何度も、ブラウンズで過ごした時間をいかに楽しんだかについて語ってきたフラッコは、「子どもの頃に戻ったような気分だった」と振り返り、2024年シーズンにチームに再合流することに強い興味を示していると明かしていた。ブラウンズがフラッコよりもワトソンのタイプに近いクオーターバックを選んだ今、それはほぼ不可能なことのように思える。今回の動きは、ファンがワトソンに難色を示したときにフラッコを求めることを、事前に防ぐものだったとも解釈できる。

ウィンストンはタンパベイ・バッカニアーズから2015年ドラフト1巡目指名を受けてキャリアをスタートさせたが、ハイズマントロフィーを獲得したときに寄せられた高い期待に応えたことは一度もない。キャリアの大半でターンオーバーに苦しめられ、バッカニアーズでの最終シーズンには、30回以上のタッチダウンを記録した一方で、30回以上のインターセプトを喫した史上初の選手となった。セインツでは成長の兆しを見せたものの、先発起用を真剣に検討してもらえるほどの一貫性を示したことはほとんどない。

2024年シーズンを迎えるにあたり、ウィンストンはケン・ドーシーという新攻撃コーディネーター(OC)を迎えたブラウンズに加わる。ドーシーはプレーコールを担当するヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーと協力し、ワトソンと、最近加入が決まったワイドレシーバー(WR)ジェリー・ジューディをはじめとする、ワトソンの周りの選手たちのスキルを最大限に生かす新しいスキームを作り上げることが期待されている。ワトソンが再び戦線離脱を余儀なくされた場合、同じようなスキルセットを有しているウィンストンはうまく代役を務められるはずだ。そうすれば、ステファンスキーHCはフラッコのときよりも、スムーズにそうした移行を進められるだろう。

とはいえ、計画ではワトソンがシーズンを通してプレーすることになっている。しかし、NFLが2023年――66人のクオーターバックが先発出場したシーズン――に学んだように、バックアップはしばしばプランAと同じくらい重要だ。

【RA】