キックオフ新方式やヒップドロップタックルの禁止などが年次リーグミーティングで審議
2024年03月21日(木) 14:13NFLは現地20日(水)に、2024年の最終的なプレールール、規則、変更案の投票が、3月24日(日)から27日(水)に実施される年次リーグミーティングで行われることを発表した。
リーグの競技委員会は6項目のルール変更案を提示。それとともに、NFLの各クラブが4項目を提案している。2024年に変更される可能性がある項目の中でも注目されるのが、
新しいキックオフ方式とヒップドロップタックルの禁止だ。
1年限定で提案された新しいキックオフルールは、キック側とレシーブ側の両方に新しいアライメントが導入される。提案されている“ランディングゾーン”は、レシーブ側チームのゴールラインと20ヤードラインの間にあるエリアと定義され、ボールがそこに入った場合、キックオフ後のアクションがそこから促される。
キックオフする場所は35ヤードラインにとどまるが、キック側チームの10人の選手は敵陣40ヤードラインに並ぶことになる。レシーブ側チームは、自陣35ヤードラインと30ヤードラインの間の5ヤードの区域である“セットアップゾーン”に少なくとも7人の選手が並び、最大2人のリターナーがランディングゾーンに並ぶことが許可される。
And handy graphics of what the kickoff would look like under proposed rule change. Owners will consider all this at their annual meeting next week. pic.twitter.com/qYF3hnQyT1
— Judy Battista (@judybattista) March 20, 2024
「ルール変更案でキックオフがどのようになるのかを示す簡便な図。オーナーは来週の年次ミーティングでこれらすべてを検討することになる」
ボールがキックオフされた後、キッカー(K)は、ボールがランディングゾーンおよびエンドゾーンの地面または選手に触れるまで50ヤードラインを越えてはならず、キック側チームの残りの10人は、ボールがランディングゾーンおよびエンドゾーンの地面または選手に触れるまで、動いてはならない。セットアップゾーンにいるレシーブ側選手も、キックされたボールがランディングゾーンもしくはエンドゾーンの地面または選手に触れるまで移動できないが、リターナーはキックオフ前またはキックオフ中のいつでも移動できる。
委員会の提案に基づくキックオフシナリオには、以下のルールが適用される。
・ランディングゾーンに落ちたキックオフはリターンしなければならない。
・ランディングゾーンに落ちてエンドゾーンに入ったキックオフは、レシーブ側チームがリターンするか、ダウンしなければならない。ダウンした場合、レシーブ側のチームは自陣20ヤードラインでボールを獲得。
・キックオフがエンドゾーンに入ってインバウンドにとどまり、ダウンされた場合、レシーブ側チームは自陣35ヤードラインでボールを得る。エンドゾーン後方に出たキックオフ(空中もしくはバウンド)もタッチバックとなり、レシーブ側チームが自陣35ヤードラインでボールを獲得。
・ランディングゾーンに届かなかったキックオフはアウトオブバウンズとして扱われ、レシーブ側チームは自陣40ヤードラインでボールを獲得。
キックオフに持ち越されるペナルティがあった場合、セットアップゾーンおよびランディングゾーンは変更されず、キック側チームの10人の選手とレシーブ側チームのすべての選手の配置も変更されず、キックオフする位置のみが変更される。得点プレー時のペナルティは持ち越されず、ポイントアフターアテンプトに適用される。
競技委員会の提案により、オンサイドキックにも、新しいセットアップゾーンおよびランディングゾーンが採用される。第4クオーター以降、劣勢チームはオンサイドキックを審判に申告する機会が与えられる。現行のオンサイドキックのルールが適用され、ボールがそのままセットアップゾーンを越えた場合、キック側チームにペナルティが科されて、リターンチームのドライブは20ヤードラインから始まる。
NFLはスペシャルチームワーキンググループが審判部門と引き続き協力し、この新しいキックオフルールが可決された場合、このルールに必要な承認裁定、ならびに追加文言の両方、もしくはいずれかを検討するとつけ加えた。この文言は各クラブで検討され、全クラブに回覧された上で、5月までに最終決定が下される。
ヒップドロップタックルに関して、競技委員会はこのプレーを次のように定義した。
・ディフェンダーが「両手でランナーをつかむ、もしくは両腕でランナーを包み込み、腰あるいは下半身の両方、もしくはいずれかを旋回させて、自身の重さを軽減して、ランナーの脚を膝から下に着地させてトラップした」行為。
ヒップドロップタックルのペナルティは15ヤードとなり、自動的にファーストダウン更新となる。
年次リーグミーティングの場で投票される2024年のプレールール変更案は下記の通り。
デトロイト・ライオンズの提案
規則15第1条第1項に対する、以下の修正案。1度チャレンジに成功した場合、クラブは判定に対する3回目のチャレンジ権限を獲得。
フィラデルフィア・イーグルスの提案
規則9第2条第2項に対する、以下の修正案。レシーブ側チームがボールを持った後のファーストタッチスポットを廃止。
フィラデルフィア・イーグルスの提案
規則6第1条第1項に対する、以下の修正案。あるチームが得点した後、オンサイドキックオフの試みに代わる1つのオフェンシブプレー(キック側チーム20ヤードラインからの第4ダウン残り20ヤード)でボールのポゼッションを維持することを可能にする。
インディアナポリス・コルツの提案
規則15第3条に対する、以下の修正案。コーチもしくはリプレーオフィシャルが(2ミニッツ内で)コールされたファウルにチャレンジすることを許可。
競技委員会の提案
規則14条第5節第2項に対する、以下の修正案。両チームによるファウルがある状況において、ポゼッションチェンジの前にオフェンスによるメジャーファウルの執行を許可。
競技委員会の提案
規則15条第3節第3項に対する、以下の修正案。パスを投げる前に、パサーが接触で倒れた、もしくはアウトオブバウンズになった場合の裁定を、レビュー可能にする。
競技委員会の提案
規則15条第3節第9項に対する、以下の修正案。スナップ前にゲームクロックが切れたという明確かつ明白な視覚的証拠がある場合に、リプレーレビューを認める。
競技委員会の提案
規則12条第2節に対する、以下の修正案。危険な可能性のあるタックルテクニックを排除。
競技委員会の提案
規則12条第2節第6項に対する、以下の修正案。クラックバックの禁止を、センターを超えて動き、ディフェンダーを膝の上もしくは膝下でブロックしようとする選手にも拡大。
競技委員会の提案
規則6に対する、以下の1年限定の修正案。次のような新しい形のフリーキックプレーを創設。(1) スペースとスピードを減らすために、典型的なスクリメージプレーに似せて、両チームの選手をより近くに並べて動きを制限。(2) より多くのリターンを促進。正しい方法でフリーキックが地面に触れた、もしくはランディングゾーンにいるレシーブ側の選手に触れたかどうかを、リプレーオフィシャルが自動的にレビューすることを許可。
【KO】