NFLオーナーたちが年次リーグミーティングでヒップドロップタックル禁止を承認
2024年03月26日(火) 11:18ヒップドロップタックルが正式に反則となった。
リーグが現地25日(月)の朝、フロリダ州オーランドで開催された年次リーグミーティングで、オーナーたちがヒップドロップタックルを禁止したと発表した。
NFLの競技委員会は全会一致で、ヒップドロップタックルはリーグがゲームから排除すべきものだと声をそろえていた。オーナーたちもこれに同意している。
公式ルールは以下の通り。
規則18 ヒップドロップタックル
次の方法でランナーを地面に倒すことは反則となる。
(a)両手でランナーをつかむ、もしくは両腕でランナーを包み込み、
(b)腰あるいは下半身の両方、もしくはいずれかを旋回させて、自重を支えずにランナーの脚を膝から下に着地させて捕捉する場合
ヒップドロップタックルに関するペナルティ:15ヤード罰退、および自動的にファーストダウン更新。
先週、NFL選手会(NFLPA)がヒップドロップタックルの禁止に反対を表明する中、NFLフットボール運営部門取締役副社長のトロイ・ビンセントは、リーグとして“ゲームから排除したい”と考えている点を強調して、その反対意見に対抗していた。
その際、ビンセントはこう述べている。
「どんなアスリートにとっても、最も重要な要素は耐久性と可用性だ。負傷率が20倍から25倍に上るプレーがあると、夢をかなえることができない」
この高い負傷率がヒップドロップタックルをめぐる議論の鍵となり、リーグが対策を講じることになった。
この決定によって、ディフェンダーの仕事はより困難なものになる。ディフェンダーたちの多くが、この禁止が自分たちの仕事に対するさらなる障害になると批判していた。
NFL競技委員会のリッチ・マッケイ委員長は月曜日、この新ルールに取り組む上で、予期せぬ影響を解消しようと努力したことがあったかと問われて、次のように答えている。
「私としては、まったくなかった。これはヒップドロップの排除ではなく、そう頻繁(ひんぱん)には使われない旋回テクニックの排除だからだ。そのテクニックが使われると、ランナーは非常にケガをしやすい。ランナーは完璧に無防備になってしまう。私は以前、ディフェンダーがこう言うのを聞いたことがある。“おい、あんたは俺を本当に厳しい状況に追い込んでいる。ここでヒットできないと言うなら、どうすればいいんだ?”と。私の返答はいつも“それはできない”だ。なぜなら、ヒットする相手は無防備で、自分を守る方法がないからだ。だから、ヒットされる選手を守らなければならない。ディフェンダーはタックルする他の方法を考えなければならないし、彼らは実際にそうしている。ヒップドロップは禁止されたが、背後から引きずり倒すタックルは依然として禁止されていないタックルだ。ここで言ってるのは、選手が空中に体を持ち上げて脚の上に落ちるタックルのみを禁止するということだ」
リーグがコーチ陣とともに試合をより安全にするテクニックに取り組むため、禁止される最初のシーズンでは、フラッグ(ペナルティ)よりも罰金の方が多くなると予想される。
マッケイ委員長は次のように述べた。
「問題があるのか? 答えはイエスだ。すべての要素を見なければならないから、フィールドで判定するのは難しいだろう。ルールとして定め、週を通じての規律ある対応ができるようにしたい」
NFLは他にも、以下の2つのルール変更を承認している。
1. 規則15第1条第1項を改正し、チャレンジルールを変更。従来は、ヘッドコーチ(HC)が3回目のチャレンジ権を得るためには最初の2回のチャレンジでいずれも成功しなければならなかったが、これからは再度レッドフラッグを投げてチャレンジするためには1回のチャレンジに成功するだけで良い。
2. 規則14第5条第2項を改正。両チームによるファウルがある状況において、ポゼッションチェンジの前にオフェンスによるメジャーファウルの執行について変更。
マッケイ委員長によると、リーグは月曜日の朝にキックオフルール変更案の投票を行わなかったが、火曜日にはまだ投票が可能だという。
【KO】