チーフスがIPPプログラムのウェールズラグビー選手、リース・ザミットと契約
2024年03月30日(土) 19:04スクラムの世界を正式に離れ、ルイス・リース・ザミットがNFLのハドルの世界にやってくる。
ウェールズラグビーのスターとカンザスシティ・チーフスが、保証金とサインボーナスを含む3年契約にサインしようとしていると『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地29日(金)、伝えた。
ラポポートによるとリース・ザミットはこれまでチーフスの他にクリーブランド・ブラウンズとニューヨーク・ジェッツも訪れたという。
23歳のリース・ザミットはクラブと国際レベルのトップウイングだったが、1月にインターナショナル・プレーヤー・パスウェイ(IPP)プログラムに参加するためにラグビーを離れていた。IPPは世界中のアスリートたちにNFLの門戸を開くことを目的として2017年に設立されたプログラムだ。
リース・ザミットは2024年のIPPプログラムから3月20日(水)に南フロリダ大学で行われたプロデーに参加した15人のメンバーの1人で、40ヤード走で4秒43をマークした。
チーフスとの契約で、リース・ザミットは同プログラムから契約を得た37人の選手の仲間入りを果たしたことになる。次のゴールはアクティブロースター入りした5人の仲間になることだ。その5人というのは同じラグビー選手でフィラデルフィア・イーグルスのオフェンシブタックル(OT)を務めるジョーダン・メイラタ、ワシントン・コマンダースのディフェンシブエンド(DE)エフェ・オバダ、フリーエージェントのランニングバック(RB)ヤコブ・ジョンソンと、いずれも元コマンダースのタイトエンド(TE)サミス・レイエスとDEデイビッド・バダを指す。
2024年の新ルールの一環として、NFLチームは外国人選手専用に練習生の17番目のロースター枠を使えることになった。その選手はシーズン中に3回までアクティブロースターに昇格させることができる。
3回の昇格の機会を得るか、あるいは53人のロースター入りをすることでリース・ザミットがフィールドに立つことができれば、スーパーボウル王者に魅力的なスキルセットをもたらすことだろう。
ラグビーからNFLへの転向は難しいタスクではあるものの、ヘッドコーチ(HC)のアンディ・リードとチーフス以上にオフェンスで創意工夫をこらすチームはなかなかない。
タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーは生意気な仲間を好むことでよく知られている。ラグビーのスターとなれば申し分ないだろう。エンドアラウンドやリバースも戦術に慣れるに従ってリース・ザミットにとってはなじみ深く感じられるはずだ。
キックリターンを推奨するためにNFLは新たなハイブリッドセットアップを承認したばかりであり、キックオフもまたラグビー選手のリース・ザミットが最も得意とするプレーを披露し、大暴れするまたとない機会になるだろう。
これからチーフスがゲームデーにリース・ザミットを投入するのかどうか、その場合にどう使うのかはまだ分からないが、彼らが3連覇に向けて引き続き打てる手をすべて打っているのは確かだ。
【M】