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オフシーズンに戦力を失うも、「何を成し遂げるか、見ていてくれ」と強気のレイブンズHCハーボー

2024年04月10日(水) 16:43


ボルティモア・レイブンズのジョン・ハーボー【NFL】

ボルティモア・レイブンズは2023年シーズンの困難を驚異的な強さで切り抜け、選手層の厚さと、MVPを獲得したクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンを頼りに、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)のトップシードへと躍進した。

しかし、2024年シーズンに向けて同じ状況を期待することは難しい。2023年の先発オフェンシブラインマン(OL)5人のうち3人が現在は別のチームに移籍しており、レイブンズはカンファレンストップの位置を維持するために、フロントラインの強化に取り組む必要がある。

ヘッドコーチ(HC)ジョン・ハーボーはこの困難にくじけることなく、レイブンズのオフシーズンワークアウトプログラムを手始めに、積極的に取り組む姿勢を示している。

ハーボーHCは現地9日(火)、差し迫ったオフェンシブラインマンのポジション争いについて、次のように述べた。

「ああ、もちろんだ。激しい競争になるはずだ。そのポジションのための競争があるだろう。いつもこう言っている。ベストプレーヤーは誰だ? それは最高のプレーをする選手だ。5年前は最高の選手だったかもしれないが、今はその選手が最高とは限らない。だから、毎日練習に参加するたびに、試合に出場するたびに、蓄積され、確立された側面があるけれど、今はもう少しオープンだ」

「だから、今話題にしている選手たちは、ここに来る誰とでも競争することになるし、どうなるかを見ていくだけだ。でも、彼らは競争していい結果を出す準備はできていると思う。彼らは月曜日にここに来る。彼らに会うのが待ちきれないよ。月曜日にここにいる選手たちを見るのが楽しみだ。彼らは頑張っているし、これからどうなるか見守っていよう」

2024年NFLドラフトを控えたレイブンズに朗報がある。それは、このドラフトクラスには優れた才能を持つオフェンシブラインマンが豊富にそろっているということだ。そしてレイブンズは、ドラフト全体130位内に5つの指名権を含む、合計9つの指名権を所有しているため、オフェンシブラインの選手を何度も選択する必要が出てくるかもしれない。

これはレイブンズが競争力を維持するために、ドラフトを基盤としてチームを築く、ジェネラルマネジャー(GM)エリック・デコスタの計画の一環だ。

デコスタGMは次のように説明している。

「昨年を振り返ると、われわれはドラフト指名権をいくつかトレードしてもいいと思った。実際にトレードした。ロクアン(スミス)を獲得したのは、もう一度チームを作り直す必要があると考えたからだった。私たちは常に、ドラフトを主軸にチームを作ってきたチームだ」

「私たちは常に多くのドラフト指名権を持ってきた。過去10年間で、最も多くのドラフト指名選手を持っていたとは言わないまでも、リーグ内の全チームの上位4分の1には間違いなく入っていると思う。おそらくほとんどトップだと思う。それは意図的なものだ。長期的にチームを構築する最良の方法だと私たちは考えている。コストの面から見れば、明らかに安価な選手になる。それと同時に、よく知っている若い選手が成長して、優秀な選手になる可能性もある」

「今年のドラフトと来年のドラフトは、選手層を再び厚くする絶好の機会と見ている。この1年間、チームには素晴らしい選手たちがそろっていた。今の課題は、現在ロースター登録されている選手たちが再びデプスチャートの一部となることであり、さらに、私たちにとって将来のいい選手層となり得る、先発争いができる新しい選手を見つけることだ」

2度のMVPに輝いているラマー・ジャクソンは、単なるスタークオーターバックではない。ハーボーHCは、ジャクソンがこのチーム作りの一翼を担うだろうと語り、ジャクソンに対して今回のドラフトのオフェンシブラインマンについて「文章上のやりとりで、いくつかの課題を課している」と明かし、次のように語っている。

「彼(ジャクソン)がどの選手を気に入るか見てみることになる。彼は映像で選手たちをチェックしているんだ。フリーエージェントやドラフトについて、彼が意見を言うことをためらったことはない。まだ具体的な意見は聞いていないけれど、近いうちに言うだろうね」

デコスタGMとハーボーHCは、2024年のオフシーズンを懸念することなく、レイブンズを継続的に競争力のあるチームへと成長させてきた。その成功の秘訣は、他のチームでより多くの報酬を得ようとする質の高い選手たちを手放し、選び抜いた若手選手たちがその穴を埋め、貢献してきたことにある。

デコスタGMとハーボーHCは、自分たちの選択が即座に重要な意味を持つことを理解している。少なくとも数名のドラフト指名選手には、レイブンズを競争力あるチームとして維持するために、重要な役割を担うことが期待されるはずだ。

デコスタGMはこうコメントしている。

「間違いない。チャンスとはそういうものだ。確かに私たちにはチャンスがある。私にはそれらのポジションを埋めることができる、勝利に貢献するフットボールをする選手を見つけ出すという責任がある。彼らを成功させるためのコーチ陣やサポートスタッフはそろっているが、実際にパフォーマンスを発揮して、それを実行するのに適した素質と能力を持った選手を見つけなければならない」

レイブンズは以前にもこうした困難を乗り越えてきたため、心配はしていない。それどころか逆に、2年連続で世間が間違っていることを証明する準備ができている。

ハーボーHCは「来年はとんでもなく強いチームになる。待っていろ。見ていろ。私たちが何を成し遂げるか、見ていてくれ」とつけ加えた。

【KO】