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レイダースを常に「最初の選択肢」と考えていたQBミンシュー

2024年04月26日(金) 16:23


インディアナポリス・コルツのガードナー・ミンシュー【AP Photo/Darron Cummings】

クオーターバック(QB)ガードナー・ミンシューが9月にラスベガス・レイダースのデプスチャートでトップに立つことは保証されていない。しかし、3月にフリーエージェント(FA)が始まった時点で、レイダースはミンシューにとって最も優先順位の高いチームだったようだ。

インディアナポリス・コルツに移籍した初年度にあたる2023年シーズンにキャリアで初めてプロボウルに選出されたミンシューは、すぐにラスベガスに狙いを定め、そこで先発の座を争うチャンスと共に2年契約を手に入れている。

ミンシューは先週、ディフェンシブエンド(DE)マックス・クロスビーがホストを務めるポッドキャスト『The Rush(ザ・ラッシュ)』で「それが最初の選択肢だった」とコメント。

「積み重ねていったとき、俺は彼らの最初の選択肢になったと思う。フリーエージェントが始まるとすぐに決断した。それだけさ。これ以上簡単な決断はなかった。これ以上ないほど興奮した」

ミンシューの加入により、レイダースはQB陣のトップとして2つの選択肢を手に入れている。

キャリア2年目のQBエイダン・オコンネルは昨シーズン終盤に、このオフシーズンにフルタイムのヘッドコーチ(HC)に就任したアントニオ・ピアースが暫定ヘッドコーチを務める中で、10試合に先発出場した。オコンネルは新人としてパス成功率62.1%、2,218パスヤード、タッチダウン12回、インターセプト7回を記録。先発としての戦績は5勝5敗だった。オコンネルのパサーレーティングは83.9と、カンザスシティ・チーフスによって支配されている地区でレイダースを優勝争いに導けるような存在であることをすぐに示唆するものではない。とはいえ、ドラフト4巡目で指名されたオコンネルはそこからさらに成長できる、肝の据わった選手であることを証明した。

QBアンソニー・リチャードソンがケガで戦線離脱を余儀なくされた後、ミンシューはコルツをプレーオフ進出まであと一歩のところまで後押しした。リリーフとしてチームを7勝6敗に導いたミンシューは、3,305パスヤード、タッチダウン15回、インターセプト9回を記録。パス成功率(62.2%)とパサーレーティング(84.6)はオコンネルの記録とほぼ同じだった。

現在、ミンシューとオコンネルはQB1の座をかけて争うことになっている。ドラフトが想定されている通りに進めば、レイダースが2日目あたりでQBを指名する可能性は高い。その選手がミンシューおよびオコンネルの控えとなるのか、即座に先発の座を争うことになるかは不明だ。

最終的にどう転ぶかはともかく、ミンシューはかつてライバルだった選手たちと打ち解け、ヘッドコーチに対する5つ星の評価についても確かめながら、すでにチームに馴染んでいる。

ポッドキャストに出演していることからも、現時点でミンシューとクロスビーの仲が良いのは明らかだが、この2人は『Inside the NFL(インサイド・ザ・NFL)』で公開され、広く拡散された映像に登場している。この映像では、2023年シーズンにコルツとレイダースが激突した際に、プロボウルに3度選出された経歴を持つクロスビーが、ミンシューに向かって何度も“little ass boy(小せえヤツ)”と言う声を、マイクが拾っていたことが明らかになっている。

ミンシューは地元メディアに対して、契約を結んだ直後に問題が解決したと冗談まじりに明かした。

先週、ミンシューはその件についてクロスビーと共にさらに掘り下げている。

ミンシューはポッドキャストでクロスビーと他のホストに「ああなることは分かっていた。俺たちはそういう道を進んでいたし、いずれにせよ衝突するコースだった」と語った。

「俺はそれを楽しみにしていた。くだらないことを言って楽しんで、競争する連中が好きだ。そういうふうに感じていた。言い返すつもりはなかった。あのとき、それが自分にとって良いアイデアだとは思わなかったからね。でも、ここに来て彼と会って、間違いなくテンションが上がった。彼はすごくいいヤツだ。ものすごく驚いた」

ピアースが確立した序盤の雰囲気にはあまり驚いていないミンシューは、こうコメントしている。

「AP(アントニオ・ピアース)に関しては、聞いた話すべてが信じられないようなものだった。あれ以上良い評価は得られないだろう。現実の話には聞こえないくらいだった。彼の周りに少しいるだけで、その評価は本物だと思えたし、それは本当にエキサイティングだ。一緒にいるだけで、全員が同じ考えを共有している。全員がより良くなりたいと思っている。全員が勝ちたいと思っている。そういうときにチャンスを得られると俺は思う。これから先何があろうと、誰がロースターにいようと、みんなが同じ方向に向かっていれば、いいチャンスを得られると思う」

「幸いなことに、ロースターには何人か仲間がいる。OTA(チーム合同練習)やキャンプではそれをまとめなきゃいけないと思うし、俺たちはそうするだろう。それから自分たちのチャンスをつかむ」

クロスビーやピアースなど、自分に自信を与えてくれるメンバーと共に、そうしたチャンスをものにしようとする中で、ミンシューがどのような役割を担うかは未定だ。次の所属先でシルバーとブラックのユニフォームを身にまとうことになると、契約が実現する前から分かっていたような――あるいは、望んでいた――様子を見せているミンシューは、こう話している。

「長い時間がかかったけど、俺はレイダースが自分の道にあったように感じている」

【RA】