コラム

いよいよ開幕! 注目のチーム、試合、選手は?

2018年09月06日(木) 08:29

ダラス・カウボーイズのダック・プレスコットとエゼキエル・エリオット【AP Photo/Ron Jenkins, File】

いよいよ開幕する2018年NFLシーズン。今シーズンの人気チームや注目の試合、選手について関係する企業がランキングを発表しているので紹介したい。

まず人気チームについて発表しているのがチケット二次流通業者のスタブハブだ。これは同社が扱う各チームの観戦チケットの需要や価格から独自に判定されたもの。今シーズン、最も需要が多いチームはカウボーイズとなっている。カウボーイズ人気の特徴はホームゲームだけでなくアウェーの試合でも人気があることだという。カウボーイズがビジティングチームとなる試合は平均より3倍近くも売れているのだとか。さらにカウボーイズは5年連続のトップで、まさに“アメリカズチーム”の面目躍如といったところだ。

2位はパッカーズで、3位がスーパーボウル王者のイーグルスとなっている。イーグルスは昨年の9位からのアップで、昨年6位以下だったチームで5位内に入ったのはイーグルスのみ。やはりスーパーボウル優勝は人気を高めるようだ。

4位はペイトリオッツ、5位はスティーラーズ。6位には昨年19位だった49ersが入り、9位に昨年12位のシーホークス、さらに10位には昨年21位のラムズがジャンプアップしている。プレーオフ進出への期待の現れだろう。

一方、アメリカでのテレビ中継における視聴者数と世帯視聴率のトップ10予測、人気試合ランキングを発表したのが広告業界誌のアドエイジだ。NFLのテレビ中継は2年連続で視聴率が低迷し、国歌斉唱時の抗議行動問題などその原因について議論が続く。その一方で昨年のテレビシーズンで最も視聴率が高かったシリーズ番組であるサンデーナイトフットボール(SNF)をはじめ、NFLのテレビ中継は2,000万人以上の視聴者を誇る人気コンテンツであり続けている。そのため、視聴率が低迷しながらも放送につぎ込まれる広告費は上昇を続けているのだ。そうした複雑な背景もあり、広告業界が人気のある試合に注目するのももっともであろう。

では、同誌が予想する最も視聴者を獲得する可能性が高い注目の試合とは、現地11月4日にSNFとして行われるパッカーズ対ペイトリオッツ戦で、視聴者数2,730万人、世帯視聴率15.7%と予想されている。トム・ブレイディ対アーロン・ロジャースというNFLを代表するクオーターバック(QB)対決が予想されるだけでなく、第53回スーパーボウルでの対決まで見据えたものだという。実はスタブハブでも最も平均チケット価格が高いのがこの試合で、700ドル(約7万7,000円)に達しているとのこと。

2位は10月28日にFoxが全米枠で放送するパッカーズ対ラムズ戦で2,480万人、13.9%となっている。やはり昨シーズン11勝5敗で、最優秀守備選手賞受賞のディフェンシブタックル(DT)アーロン・ドナルドにDTエンダマカン・スーが加わった強力守備陣のラムズへの期待は高いようだ。

3位は12月16日のペイトリオッツ対スティーラーズ戦で2,470万人と13.8%、4位が9月23日のカウボーイズ対シーホークス戦で2,440万人と13.8%、5位が12月2日のバイキングス対ペイトリオッツ戦で2,420万人と13.6%と推測されている。5位までの出場チームは全てスタブハブの人気チームトップ10に入っていることもあわせて紹介したい。人気チーム対決はやはりテレビ人気も高いのである。また9月6日開催予定のシーズン開幕戦ファルコンズ対イーグルス戦は2,390万人の視聴者数に上ると見られ、13.4%の世帯視聴率予想で8位だ。

また、インターネットオークションのeBay(イーベイ)は人気選手ランキングを発表しており、eBayの選手に関する製品検索数と売り上げから算出された。そのランキングでトップとなったのがジャイアンツの新人ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーである。今年のドラフトで全体3位指名を受けたバークリーは直後から低迷するチームを救う期待の星となっている。ドラフト以降NFL全選手の中で最もジャージーが売れたのもバークリーであり、いかに注目されているかが分かる。

2位はカウボーイズのRBエゼキエル・エリオット、3位がセインツのRBアルビン・カマーラ、4位がチーフスのRBカリーム・ハントとRBがトップ4を独占した。さらに6位にラムズのトッド・ガーリー、7位にジャガーズのレナード・フォーネット、9位にパンサーズのクリスチャン・マカフリーと10位までにRBが7人も入っている。

残りは5位がジャイアンツのワイドレシーバー(WR)オデル・ベッカム、8位にスティーラーズのWRアントニオ・ブラウン、10位がペイトリオッツのタイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーとなっており、意外にもQBが1人も入っていないのだ。

こうしたランキングを注目するチームや選手、観戦する試合の参考にしてはいかがだろうか。

わたなべ・ふみとし

渡辺 史敏
兵庫県生まれ
ジャーナリスト兼NFLジャパン リエゾン オフィスPRディレクター。1995年から2014年3月までニューヨークを拠点にアメリカンフットボールやサッカーなどスポーツと、さらにインターネット、TV、コンピュータなどITという2つの分野で取材・執筆活動を行う。2014年4月に帰国、現職に。『アメリカンフットボール・マガジン』、『日刊スポーツ電子版連載コラム:アメリカンリポート』、『Number』などで執筆中。