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NFLチーム研究所:Week 1 - ダラス・カウボーイズ

2017年04月29日(土) 13:22

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カウボーイズは1960年、NFLとしては13番目のエキスパンション(拡大)チームとして創設された。

ダラスはテキサス州北部の都市で人口120万人余り、西に位置するフォートワースと築いている都市圏での人口は516万人を超え、全米5位の規模だ。テキサス州はもともと特にフットボールの人気が高く、競技人口が多い”フットボールステート”としても知られている。

設立当初チーム名はスティアーズ(雄牛)だったが、数週間後に推す意見が多かった国境警備隊を示すレンジャースに変更された。しかし、さらに当時のテックス・シュラムGMが野球のレンジャーズとの混同を避けるため、再度カウボーイズに改名して現在に至る。カウボーイが選ばれたのは西部劇で有名なようにテキサス州は牧畜が盛んなため。実際チーム創設当時には、まだ数千人のカウボーイたちがテキサス州で活躍していたという。また、ダラス・フォートワース空港の靴磨きサービスにはいまだにブーツの価格が掲示されているほどである。

カウボーイズは“アメリカズチーム”というニックネームを持つ。このニックネームはNFLフィルムズが1978年のシーズンのハイライトフィルムの中で使用したのが始まりだ。すでに2度スーパーボウルを制し、同年もスティーラーズに破れたものの5回目の出場を果たすなど強豪チームとして、アメリカ全土で人気が高く、全米テレビ中継されることも多かったことから、このフレーズが使われたとのことだ。その後も人気は続いており、このニックネームが定着している。また、“ザ・ボーイズ”や“ビッグD”といったニックネームが使われることもある。

ヘルメットにあしらわれているロゴマークの星はローンスターと呼ばれる。これは1836年にメキシコから独立し、1845年のアメリカに併合されるまで存在していたテキサス共和国の国旗に使われていた一つ星のデザインに由来するものだ。テキサス人の誇りを示すものであり、その精神とデザインは現在のテキサス州旗にも受け継がれている。

現在のオーナーは創設時のクリント・マーチンソンとベドフォード・ウィン、ウィリアム・ホーンの3名から3代目となるジェリー・ジョーンズ。アーカンソー大学までフットボールをプレーしていたジョーンズはその後、石油ガス事業や不動産業で大成功を収め、1989年に1億4,000万ドルでカウボーイズを買収した。オーナーに就任するとチーム設立時からのヘッドコーチ(HC)トム・ランドリーとジェネラルマネジャー(GM)だったテックス・シュラムを解任するなど辣腕を振るったことで一躍注目を集める存在となった。以降は持ち前のビジネス感覚で時にリーグと対立することもありながらも、さまざまな改革を行い、やり手の名物オーナーとして存在感を示し続けている。

【渡辺 史敏】

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