特集

NFLチーム研究所:Week 11 – デトロイト・ライオンズ

2017年07月08日(土) 08:51

NFLチーム研究所トップ > Week 11 – デトロイト・ライオンズ

ライオンズは1929年、セミプロチームとしてオハイオ州ポーツマスを本拠にスパルタンズのチーム名で創設された。翌1930年にはNFLに加入。現存するNFLチームとしては5番目に長い歴史を持つチームである。

スパルタンズは1932年にプレーオフに進出するなど競技面では成功したものの、人口3万8,000人弱とグリーンベイに次ぐ本拠地マーケットの小ささと大恐慌が影響し、1933年のシーズン後経営難に陥る。この苦境を救ったのがデトロイトのラジオ局オーナーだったジョージ・リチャーズで、1934年3月にチームを7,900ドル余りで買収。チームをミシガン州の大都市デトロイトに移転し、チーム名をライオンズに変更した。

ライオンズという名が選ばれたのは同じデトロイトを本拠とするMLB(米大リーグ)タイガースに対抗したもの。リチャーズいわく、ライオンはジャングルの王者であり、チームはNFLの王者を目指す、とも語っている。

チームは創設当初ロゴを持っておらず、ボールを持つ選手とライオンが描かれたロゴが1952年に採用された。1961年にはブルー、シルバー、ホワイトのチームカラーを使ったロゴに変更され、さらに1970年にはブルーでライオンのシルエットを描いたロゴが採用される。このロゴはその後3回変更が加えられたが大枠の形は変えられておらず、縁取りやホワイトで目やたてがみの流れなどが加えられただけだ。2017年からは縁取りがシルバーに変更されている。

オーナーはリチャーズ後、1940年代に2回代わり、1948年にその座に就いた3代目のエドウィン・アンダーソンとライル・フィフェは1960年までその座にあった。1961年にそのアンダーソンとフィフェから450万ドルでチームを譲り受けたのが4代目のウィリアム・クレイ・フォードである。ウィリアムは自動車メーカー、フォード・モーターの創業家一族の一人で、同社の重役を務めていた富豪である。買収後、ウィリアムは長くオーナーであり続けたが、2014年3月に肺炎によりこの世を去ることとなった。

ウィリアムの死後、チームオーナーに就いたのがウィリアムの妻、マーサ・ファイアストン・フォードである。マーサはそのミドルネームが示すように、現在ブリヂストンの子会社となっているアメリカの大手タイヤメーカー、ファイヤストンの創業者の孫にあたる人物だ。またNFLの数少ない女性オーナーの一人であり、2017年6月現在、3番目に高齢のオーナーでもある。

【渡辺 史敏】

NFLチーム研究所トップ > Week 11 – デトロイト・ライオンズ