特集

NFLチーム研究所:Week 2 – ニューヨーク・ジャイアンツ

2017年05月06日(土) 11:42

NFLチーム研究所トップ > Week 2 – ニューヨーク・ジャイアンツ

現在のジャイアンツは1925年、創設オーナーのティム・マーラによってわずか500ドルの資金で設立された。この年はNFL創設から5年目で、ジャイアンツはカーディナルス、ベアーズ、パッカーズに次ぐ4番目の加入チームとなっている。

チーム名は現在サンフランシスコに本拠を置く当時のメジャーリーグ(MLB)、ニューヨーク・ジャイアンツに由来する。とはいえ、直接に関係するわけではない。1919年にMLBジャイアンツのチャールズ・ストーンハイム・オーナーがニューヨークにジャイアンツ名のプロフットボールチームを設立しようとしたものの、1試合もプレーすることなく頓挫。さらに1921年に1シーズンだけ、ニューヨーク・ブリックリー・ジャイアンツと呼ばれるチームがAPFA(現NFL)に参加し、その後に消滅したことがあった。それを受け継ぐ形でジャイアンツというチーム名が決まったのだ。ただしMLBジャイアンツとは組織もオーナーも別であることから、区別のために発足時の正式名称は“ニューヨーク・ナショナル・リーグ・フットボール・カンパニー”であり、1929年に“ニューヨーク・フットボール・ジャイアンツ”となった。この正式名称は現在に至るまで変更されていない。

現在の“ny”をデザインしたチームロゴは1961年に使用が開始された。この時、現在は使用されていない巨大なクオーターバックをあしらったチームロゴも作成されている。その後、1975年に“Ny”をかたどったロゴに変更されるが、この新ロゴが使われたのは1年のみ。翌1976年からヘルメットに張られるデカルを含め、書体ロゴは“GIANTS”表記のデザインのものに変更された。これは本拠地がニュージャージー州イーストラザフォードに建設されたジャイアンツ・スタジアムに移ったことが要因となっている。

その後、2000年に過去の歴史への誇りを理由に、基本ロゴは“ny”に戻し、“GIANTS”を第2ロゴとすることが発表され、ヘルメットのデカルも戻された。以降、細かな変更はあるがこれが基本となっている。

現在のオーナーはジョン・マーラとスティーブ・ティッシュの2人が共同オーナーを務める。役職としてはティッシュが会長、マーラは社長だ。ジョン・マーラは創設オーナーであるティムの孫で、やはりジャイアンツの共同オーナーだった父ウェリントンの死に伴い現職に就いた。

ジャイアンツの株式50%はウェリントンの兄ジャックから息子ティムへと相続されていたが、1991年にスティーブ・ティッシュの父プレストン・ロバート・ティッシュが買収し、ウェリントンと並んで共同オーナーに就任。その後、スティーブが父から株を相続した。スティーブは映像プロデューサーとして成功した経歴を持ち、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞、エミー賞を受賞し、さらにスーパーボウルリングを持っている唯一の人物である。

【渡辺 史敏】

NFLチーム研究所トップ > Week 2 – ニューヨーク・ジャイアンツ