QBウォードは先発の座を「何もしないで与えられる」とは思っていないとタイタンズOTレイサム
2025年07月05日(土) 10:30
テネシー・タイタンズは4月に行われたドラフトの全体1位でキャメロン・ウォードを指名したことにより、将来を担うクオーターバック(QB)を手に入れた。
しかし、ウォードは全体1位指名を受けたからといってすぐに先発の座を与えられるわけではないと理解している。オフェンシブタックル(OT)J.C.レイサムは、ウォードがオフシーズンを通して持ち続けている考え方や、ウィル・レビスが競争を生むために奮闘している姿が、タイタンズにとって必ずプラスになると信じている。
レイサムは『SiriusXM NFL Radio(シリウスXM NFLラジオ)』で「ウィルは“彼をドラフトで指名したんだな、じゃあ譲るよ”と言ってじっとしているようなやつじゃないし、キャムも先発の座を何もしないで与えられるとは思っていない」と語った。
「春の間ずっと、チーム内のどのコーチも選手も、2人がそのポジションを本気で勝ち取ろうと競い合っている姿を見てきた。それが2人を成長させている。ウィルの進歩を見てとれるし、キャムの鋭さも感じられる」
2年前に行われたドラフトの2巡目で指名を受けたレビスは、これまで先発した21試合で苦戦してきた。キャリア通算記録は3,899ヤード、タッチダウン21回、インターセプト16回、5勝16敗、パス成功率61.0%にとどまっている。前線で司令塔を守るレイサムは、それでもレビスが前を向き、先発の座を狙う新人QBと張り合っていると捉えているものの、レビス本人は自身の状況を“最悪”だと認めている。
一方、ウォードは強力な腕力と高い運動能力を兼ね備えており、NFLレベルのディフェンスに慣れていく過程でそれを生かすことになるだろう。
ウォードはこれまで適切な方法で物事に取り組んでおり、レイサムは彼が早い段階でリーダーシップを発揮し始めていると指摘している。
ウォードは厳しい環境に放り込まれても成功するために必要な経験を持っている。大学では57試合に先発し、FCS(フットボール・チャンピオンシップ・サブディビジョン)のインカーネイト・ワード大学から始まり、ワシントン州立大学を経て最終シーズンはマイアミ大学でプレーした。そこで2025年ドラフトの最有力QB候補としての地位を確立したウォードは、ハイズマントロフィーのファイナリストに選ばれ、コンセンサス・オールアメリカンに輝き、ACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)攻撃部門年間最優秀選手賞およびデイビー・オブライエン・アワードを受賞している。
歴史もウォードに味方している。2009年以降にドラフト全体1位で指名された12人のクオーターバックのうち、シーズン初戦で先発を務めなかったのはベイカー・メイフィールドとジャレッド・ゴフの2人だけだ。
先発争いの結果は予想されているものの、タイタンズが公式発表を先延ばしにすることには何の問題もない。どのチームも、選手全員の力を引き出すためにロースター全体で競争を促すことを選ぶものだ。
レイサムによると、クオーターバックに関してはまさにその戦略がとられているようだ。
【RA】